ダイワメジャー産駒のアマルフィコーストはメジャーエンブレム級の牝馬なのか?ーーファンタジーSに向けて

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京都芝1400mで行われるファンタジーS(GⅢ)は、2歳女王を決める阪神JF(GⅠ・阪神芝1600m)に向けてのステップレース。昨年はミスエルテ(現3歳牝馬・池江泰寿厩舎)がこのレースから牡馬相手のGⅠ朝日杯FSに向かい注目を集めました。

今年は、新馬→中京2歳Sを連勝したアマルフィコーストが無傷の3連勝を目指して出走します。このレースから、阪神JFの有力馬となる才女が現れるのでしょうか?

 

好馬体のアマルフィコースト

胴の長い馬体のアマルフィコーストは、「黒鹿毛」という毛色もあるのでしょうが、とても見栄えのするダイワメジャー産駒です。

ダイワメジャー産駒でGⅠを勝った牝馬は、メジャーエンブレム(阪神JFとNHKマイルC)と今春の桜花賞馬レーヌミノルの2頭。アマルフィコーストはその好馬体からも、メジャーエンブレムに近いイメージのマイラー(✳︎)。

✳︎現時点では1600〜1800mの距離がベスト

直線の長いコースで行われた中京2歳S(芝1600m)を快勝し、ファンタジーSへ臨みます。関東への長距離輸送を避けたのか、アルテミスS→阪神JFというローテーションは組まれませんでした。

馬体からは1800m向きのマイラーに見えるため、1400mのファンタジーSは試金石のレース。素質だけで好走できるのかな注目です。

 

アマルフィコースト 2歳牝馬

父:ダイワメジャー

母:ジプシーハイウェイ(母父:High Chaparral)

厩舎:牧田和弥(栗東)

生産:社台ファーム

阪神芝1400mの新馬戦は内から押し出されるようにハナに立ち、マイペースにもち込んでの逃げ切り勝ち。ゴール前は浜中騎手が手綱を抑えており、見た目以上に余力のある走りでした。

2戦目の中京2歳Sは先行争いに加わらずに中団に控え、直線外から末脚を伸ばしての差し切り勝ち。2着アドマイヤアルバに馬体を併されてもゴールまで抜かせず、ダイワメジャー産駒らしい粘りの走り。

ここ2戦は直線に坂のあるコースでの勝利。直線平坦の京都に替わり、アマルフィコーストがどのような脚を使うのかが楽しみです。

 

血統

父ダイワメジャーは瞬発力よりも粘り強い先行力を武器にGⅠを5勝した活躍馬。サンデーサイレンス直仔ながら、しなやかさよりもパワーに優れたタイプで、産駒にもその特徴を伝えます。

代表産駒のメジャーエンブレムやカレンブラックヒルは逃げ・先行でGⅠ勝ちを上げており、パワーを活かした先行力が最大の武器と言えるでしょう。

 

アマルフィコーストはメジャーエンブレムと似た配合

アマルフィコーストの母父High Chaparralとメジャーエンブレムの母父オペラハウスはともにSadler's Wells直仔の中距離馬。また、この2頭は母系にDanzigとShirley Heightsをもつのも共通しており、配合のアウトラインは似ています。

ダイワメジャー産駒は、瞬発力よりもパワーと持続力を高める配合が成功します。欧州のパワーとスタミナを父にもつ繁殖牝馬と配することがその近道です。

 

メジャーエンブレムと異なるのは?

アマルフィコーストは母ジプシーハイウェイがKris4×3をもち、ここがメジャーエンブレムと異なります。

Krisの父Sharpen Upはパワーと粘り強さを伝えるHyperion5×3のクロスがあるので、キレよりもしぶとい脚が身上。そのため、ジプシーハイウェイはパワー寄りの先行馬を出す確率の高い繁殖牝馬です。

馬体のムチムチ(筋肉質)さで言えばアマルフィコースト<メジャーエンブレムですが、前脚のかき込みの強さは前者が優っています。その走るフォームに母系のパワーがしっかりと現れています。

 

ファンタジーSに向けて

アマルフィコーストはここまで2戦2勝。新馬戦の上り3Fは35.2、中京2歳Sの上り3Fは34.3ですから、ダイワメジャー産駒らしく上りのタイムに限界があるタイプ。直線が平坦の京都であれば、上りのかかる展開にもち込みたいところです。

 

浜中騎手が脚を計るような騎乗をするのか?

牧田調教師と浜中騎手にとって、最大の目標は2歳女王を決めるGⅠレース。阪神JFの行われる芝1600m外回りは、先行して押し切るのが難しいコースです。

浜中騎手がアマルフィコーストの脚を測るため、中京2歳Sのように中団からレースを進めるのなら、直線が平坦な京都だけに差し損ねる恐れもあります。

 

阪神JFへのステップレースとして

阪神JFを制したメジャーエンブレムは、ステップレースのアルテミスSでデンコウアンジュの鋭い差し脚に屈しての2着。ルメール騎手はこの敗因を糧に、GⅠではペースを引き上げて持続戦にもち込みました。

GⅠを目指すアマルフィコーストにとって、ファンタジーSはこの馬の適性を計るのに「もってこいのレース」です。「どれほどの脚を使えるのか?」を計るために、浜中騎手が中団より下げてレースをする可能性も大きいと言えます。

阪神JFを勝つために、ファンタジーSでちょこっと負けることも考えられますし、この馬をどう乗るのかは楽しみですね。

 

まとめ

好馬体とレースぶりから素質の高さがうかがえるアマルフィコースト。このパワーと持続力に優れたダイワメジャー産駒の走りに、今後も注目しましょう!

 

以上、お読みいただきありがとうございました。