サマースプリントシリーズの第2戦のCBC賞(GⅢ)は7月2日(日)、開幕週の中京競馬場のメインレースとしてスタートが切られます。
昨年と打って変わって、今年はフルゲートの18頭が揃って混戦模様。秋のGⅠスプリンターズSに向けてどの馬が勝ち上がるのか、注目の1戦です。
中京競馬場の馬場状態
金曜日から降り続いた雨も午前中には止み、中京競馬場で昨年設置された「暗渠排水」の効果が出たのか、急速に芝は乾きました。土曜日の6Rには稍重まで回復し、時計の速い開幕週らしい馬場に。日曜日も良馬場で行われることから、CBC賞は1分7秒台の決着になる可能性も十分にあります。
昨年のような「逃げ・先行天国」ではなかった今年の開幕週でしたが、上位の人気に支持されていた馬以外はなかなか外からは差してこれない状況。インコースを走る馬には注意を払いたいですね。
CBC賞のポイントは3つ
今年のCBC賞のポイントは3つあります。
1. 高松宮記念出走馬の取捨
2. シャイニングレイの取捨
3. 3歳馬3頭の取捨
以上、3つのポイントをそれぞれ解説していきます。
1. 高松宮記念出走馬の取捨
春のスプリントGⅠ高松宮記念の出走馬は4頭。その内のメラグラーナとラインスピリットは3ヶ月の休み明け、ティーハーフはその後3走し、スノードラゴンは地方交流重賞を1走しています。
休み明け初戦の2頭
メラグラーナは秋のスプリンターズSを目標にしたローテーションからここへ出走するので、休み明けは大きなマイナスではありません。
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ラインスピリットはアイビスサマーダッシュ(GⅢ芝新潟1000m)への叩き台という出走で、これも大きなマイナスはナシ。高松宮記念では大きく馬体を減らしてしまったために、回復の意味も込めて間隔を取ったのはむしろプラスです。
ティーハーフとスノードラゴン
ティーハーフは月1走のペースで出走できる番組には「ガンガン行こうぜ!」というローテーション。7歳馬だけに大きな体調の変化もなく順調にきていますが、裏を返せばCBC賞での強調材料がないのは確かです。
スノードラゴンは前走交流重賞からの参戦。9歳馬とは思えないほどのタフネスぶりですが、大きな変化もないのはティーハーフと同じ。ここで変わり身を見せられるのかは疑問。
取捨としては
高松宮記念で好走できなかったメラグラーナとラインスピリットは休養を取ったのがプラスでこの2頭は拾います。
ティーハーフは好走した高松宮記念と同じく際内枠をゲットしたので、開幕週の馬場で再度のイン差しに期待してピック。スノードラゴンは強調材料がないのでリリースします。
2. シャイニングレイの取捨
2歳時にはホープフルステークスを制し、クラシックを展望した馬。弥生賞の後に脚部不安が発症し、2年の休養を余儀なくされました。とにかく前進気勢が強い馬で、中距離だとかかってしまうことから距離を短縮した前走がピタリとハマり、オープン特別を快勝して復活の狼煙を上げました。
ディープインパクト産駒としてはムキムキの馬体をしていて、これは母シェルズレイの影響が強いのでしょう。ただ、体型としても伸びのあるストライドを見ても、1400〜1600mがベストのマイラー。
1200mで時計が速くなり、前傾ラップになった場合は脚をためられずに凡走の可能性もあるため、好走できるかはペース次第と言えるでしょう。
3. 3歳馬3頭の取捨
CBC賞に出走する3歳馬の3頭はソコソコの人気に支持されています。これはジューヌエコールが函館スプリントSで古馬を撃破したこともあるのでしょう。
ただ、そのジューヌエコールは新馬から重賞まで3連勝し、GⅠ阪神JFでも上位の人気になっていた馬。かつ、スプリンターを育てる名門・安田隆厩舎の管理馬で、函館スプリントSは少頭数の競馬でした。
今回出走する3頭はジューヌエコールほどの実績のないメンバーに加えてフルゲートの18頭と厳しい条件が揃った印象を受けます。ピックするような根拠も薄いので、3頭ともにリリースで。
予想
3歳馬3頭と1200mのレースを初めて走るシャイニングレイ、上り馬のナリタスターワン、アルティマブラッド、トーセンデュークの3頭を除く11頭はお馴染みの顔合わせとなります。
レース展開
スタートの速いアリンナ、内枠に入ったアクティブミノル、オウノミチが先手を目指し、外からエイシンスパルタンとラヴァーズポイントがそこへ加わり、隊列が決まらなければハイペースになることもありえる先行争いに。
どの馬かが思い切って先手を主張すれば平均ペースには落ち着くはずで、速くなるのか遅くなるのかは微妙なところです。ただ、何が何でもハナというタイプがいないため、全体的には速くなる可能性を想定します。
◎ラインスピリット 6歳牡馬
内枠に入り、アクティブミノルとオウノミチを先に行かせれば、インのポケットが取れる組み合わせ。
中京コースは(1 - 0 - 0 - 4)ですが、1着になったトリトンS(芝1400m)は強い競馬で、父スウェプトオーヴァーボード×母父トニービンの血統からも直線の長い中京は適性のある舞台です。
◎に期待した高松宮記念は道悪+馬体減と力を発揮できる状態ではありませんでした。明日の中京は良馬場で行われることから条件は好転しましたし、1分7秒台の決着もOKのタイプ。GⅠの舞台で積極的にハナを奪う競馬をしたことが今回のレースに活きるはずで、もう一度◎を打ちます。
◯メラグラーナ 5歳牝馬
内枠に入りました。戸崎騎手にはとにかくスタートに気をつけてもらって、少しでも前目の競馬を……。
メラグラーナの競走馬として残された時間は1年を切りました。5歳ながら成長途上で、まだポンとスタートを切ることができないトモの緩さもあるものの、パワーでゴリ押しするスプリンターへと完成させるためには何とか前目のポジション取りをお願いしたいです。
今年の年末には香港スプリントに出走できる馬だと思うので、結果だけではなくレース内容が問われます。内枠+55kgの斤量と厳しい条件が揃いましたが、それを克服できるだけの能力はある馬です。
△エイシンスパルタン 6歳牡馬
先行勢の中ではもっとも外枠に入ったため、スムーズな競馬ができるのはこの馬。単調なスピードタイプということあって、直線の長い中京コースは「?」がつくものの、時計の速い今の馬場は合っています。
休み明けも走るタイプで、パワーとスピードでゴリ押しできる平均ラップに持ち込めれば好走も十分に。
△ティーハーフ 7歳牡馬
先にも述べたように、インコースをぴったり回れる1枠に入ったのはプラス。国分優作騎手は高松宮記念と同じようなレースプランでしょうから、インを差しての3着に期待します。
高速馬場はマイナスな反面、夏に調子が上がるタイプなのでプラスと相殺されると考えて。
△オメガヴェンデッタ 6歳騸馬
内枠+荻野極騎手。「うっかり3着」の候補として。荻野極騎手が土曜日の8Rで騎乗したカレンコマンドールはオメガヴェンデッタと同じ安田隆行厩舎の管理馬。先行馬にも関わらず、前へ行けずの競馬で、ここは安田隆調教師の信頼を取り戻すチャンス。
シャイニングレイについて
メンバーを見渡すと、先行争いが長引いて前傾ラップになる可能性が高く、マイラーのこの馬には追走で脚を使ってしまう厳しい流れになると想定して買い目からは外します。
買い目
ラインスピリットの単勝。
◎と◯メラグラーナの1、2着固定の3連単で。
単勝
6
3連単
1着:6. 3
2着:6. 3. 13
3着:6. 3. 13. 2. 1
まとめ
CBC賞が良馬場で行われるのは、ラインスピリットにとっては大きくプラスです。後は、馬体が増えていれば……。
メラグラーナは負けたとしても秋のGⅠを展望できる走りに期待します。
皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。
以上、お読みいただきありがとうございました。