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GⅡセントウルS('17年)は和田騎手の積極性に期待してミッキーラブソングに◎をーー予想

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サマースプリントシリーズの最終戦、そしてGⅠスプリンターズSの前哨戦となるGⅡセントウルSは、ビッグアーサーやロードカナロア、ストレイトガールなどのGⅠ馬が人気の中心となる例年と違い、今年はかなり小粒なメンバー構成となりました。ここからスプリンターズSに向けて展望を拓ける馬が現れるのか、注目の1戦です。

 

逃げ・先行馬が少ない組み合わせ

スプリント重賞とは思えないほど、逃げ・先行馬が少ない組み合わせとなった今年のセントウルS。今年のメンバーのなかで前につける可能性が高いのは、大外枠に入ったフィドーシアとデムーロ騎手の乗るファインニードルの2頭。そして、この2頭が上位の人気を形成しています。

フィドーシアは大外枠からスムーズに前のポジションを取れるのか、ファインニードルはデムーロ騎手がスタート・ミスをするのではないか、とそれぞれに不安を抱える先行馬だけに、全幅の信頼が置けるとは言いにくい上位人気馬です。

 

秋の阪神開幕週はインコース+逃げ・先行有利

秋の阪神開幕週は速い時計の出る馬場になり、インコース+逃げ・先行有利というのがここ数年のデフォルト。セントウルSも過去の成績を見ると、前々からレースを進める馬が好走しているケースがままあり、差し・追い込み馬は苦しい展開を強いられます。以下の表は過去5年のセントウルSの成績をまとめたものです。

 

GⅡセントウルSの過去5年の成績

勝時計 着順 人気 馬 名 通過順位
2016 1:07.6 1 1 ビッグアーサー 1 - 1
2 2 ネロ 5 - 5
33.1 - 34.5 3 9 ラヴァーズポイント 3 - 3
2015 1:07.8 1 10 アクティブミノル 1 - 1
2 1 ウリウリ 13 - 11
34.0 - 33.8 3 5 バーバラ 4 - 5
2014 1:07.4 1 4 リトルゲルダ 6 - 4
2 1 ハクサンムーン 2 - 2
32.9 - 34.5 3 2 エピセアローム 8 - 8
2013 1:07.5 1 2 ハクサンムーン 1 - 1
2 1 ロードカナロア 3 - 3
33.8 - 33.7 3 3 ドリームバレンチノ 5 - 5
2012 1:07.3 1 6 エピセアローム 5 - 5
2 1 ロードカナロア 3 - 3
33.2 - 34.1 3 12 アンシェルブルー 8 - 7

1〜3着に入った15頭の内、12頭が4コーナーで5番手以内で通過しています。2013、2016年と先行馬のワンツスリーも2度あり、過去5年すべての年で1〜3着内に2頭以上の先行馬が入っていることからも明らかに「逃げ・先行」有利なレースです。

 

勝ち時計は1分07秒台がデフォルト

前々のポジションを取れる馬が有利なレースらしく、過去5年の勝ち時計がすべて1分07秒台になっています。その内、前傾ラップが3回、後傾が2回とハイからスローまでペースはバラバラでも速い時計が出るので、差し・追い込み馬には苦しい流れになることがここからもわかります。

 

今年のメンバーだと1分07秒5〜9を想定

今年のメンバーだと前半3Fが33.5〜34.0、後半3Fが34.0前後とすると全体は1分07秒5〜9の時計が想定されます。

先行馬フィドゥーシアの前走は直線1000mのアイビスサマーダッシュだったこともあり、さすがに前半3Fが34.1よりも遅くなることは考えにくいものの、今年は14頭と寂しい頭数になったので、後傾ラップになる可能性もソコソコ。

 

上位人気馬をチェック!

今年のセントウルSは単勝オッズ10倍を切る馬は4頭。ここでは、その上位人気馬4頭について1頭ずつチェックしていきましょう。

 

フィドゥーシア 5歳牝馬

父:Medaglia dO'ro

母:ビリーヴ(母父:サンデーサイレンス)

厩舎:松元茂樹(栗東)

前走、直線1000mの重賞アイビスサマーダッシュを2着と好走し、昨夏からここにきての充実ぶりが目を引く好素質馬。母ビリーヴと似たような成長曲線を描き、着実に力をつけてきました。

フィドゥーシアは祖母グレートクリスティーヌのDanzig×Icecapadeの単調なスピードとパワーの影響が強く、そこに自身は強いクロスをもたないMedaglia d'Oroがかけられ、パワーでゴリゴリと押すスプリンターに出ました。半兄のファリダットは毎レース上り最速で追い込んでくるような馬でしたが、こちらは牝馬なので母ビリーヴらしいしぶとい先行力を武器としています。

フィドゥーシアについては週中の展望記事で詳しい解説を書いているので、よければそちらをご覧下さい。

阪神開幕週のGⅡセントウルSはインベタ馬場ーーフィドゥーシアが先行から押し切れるのか? - ずんどば競馬

 

ファインニードル 4歳牡馬

父:アドマイヤムーン

母:ニードルクラフト(Mark of Esteem)

厩舎:高橋義忠(栗東)

ダーレー・ジャパンの生産馬らしい「欧州的なスプリンター」という血統で、前々のポジションを取ってから粘り強く走れるのが最大の特長です。パワーに優れているので、時計のかかる洋芝や道悪の馬場に強く、前傾ラップの方がもち味の活きるタイプ。

2走前の水無月Sは高速馬場だったとは言え、57.5の斤量を背負いながら1分07秒1の好時計で勝利していて、速い時計にも対応できるアドマイヤムーン産駒です。速い時計の決着がOKだとしても、キレを求められる展開はやや不向きのため、好位で立ち回って直線でしっかりと我慢するレースが合っています。

前走のGⅢ北九州記念(小倉芝1200m)はいつもより1列後ろでレースを進め、4コーナーから直線にかけて前が壁で追い出しがやや窮屈になるシーンがありながらも5着と掲示板をとらえました。ここもデムーロ騎手が連続騎乗ですから、前走よりは前々での立ち回りになるでしょう。

 

デムーロ騎手のスタートがポイント

最近はあまり目立たなくなったものの、デムーロ騎手はリーディング上位の騎手としてはややスタートが不安定。今走のファインニードルは5枠に入り、スタートで出負けをすると上手く前々のポジションをリカバリーできるかは「?」がつきます。どうしても後ろから差すのは難しいので、きっちりとスタートを決められるかがポイント。

 

メラグラーナ 5歳牝馬

父:Fastnet Rock

母:Ghaliah(母父:Secret Savings)

厩舎:池添学(栗東)

吉田和美氏の所有の南半球産馬。メラグラーナに関しては今までにもいくつか記事を書いていますので、詳しい解説についてはそちらをご覧下さい。ここでは簡単に触れておきます。

メラグラーナがGⅠスプリンターズSを勝つためには?ーーGⅡセントウルSの展望も含めて - ずんどば競馬

父Fastnet Rockはオーストラリアを代表するパワースプリンターで、メラグラーナも牝馬としては恵まれた馬格を誇ります。スプリンターとして高い素質をもっている馬で、まだ成長が追いついていないのか、道悪馬場が苦手だったりポンとスタートを切れなかったりと弱い部分が……。ただ、もうすでに5歳ですから、繁殖に上がることを考えると競走馬として残された時間は多くはありません。次走のスプリンターズSが最大の目標となり、セントウルSでどのようなレースができるのかは注目です。

 

ダンスディレクター 7歳牡馬

父:アルデバランⅡ

母:マザーリーフ(サンデーサイレンス)

厩舎:笹田和秀(栗東)

2016、17年とGⅢシルクロードSを上り33秒台前半の鋭い脚で連覇したスプリンター。しなやかなキレ味が最大の武器で、後傾ラップのレースになると凡走が少ないタイプ。もともと1400mがベストの馬で、1200mだと道中で緩みのあるペースにならないと追走に脚を使うため、最後の末脚が鈍ってしまいます。

母系は有馬記念を制した名牝スターロッチに遡る牝系で、近親にはダービー馬ロイヤルタッチなどが出ています。母父サンデーサイレンスにMr. Prospector系らしい柔らかさをもつスプリンターのアルデバランⅡがかけられ、短距離を鋭く追い込むしなやかスプリンターとして完成しました。

 

インコース+逃げ・先行が有利なレースで……

先にも述べたように、セントウルSは「インコース」+「逃げ・先行有利」なレース。先行勢の少ない組み合わせ+大外枠という不利な条件をどのように克服するのかがキーポイントになります。傾傾ラップの方が差しやすい馬ではあるので、ペースが遅くなるのはOKなのですが、差し・追い込みの利きにくい馬場でどのようなレースをするのか……。浜中騎手だと道中はインコースぴったりを回り、直線でイン差しというレースプランを立ててくるでしょうから、後はインが開くかどうかにかかっています。

 

予想

う〜ん、と首をひねってしまうメンバー。というのは、スタートしてからフィドゥーシアとファインニードルで先行態勢に入り、そのまま2頭でワンツーという展開も十分にありますし、反対に2頭が馬券外に飛んでしまうことも考えられるので、難しい……。

上位人気馬を信頼するのも、人気薄に期待するのもどちらも正解のレースで、後は好みの問題ですね。今回はフィドゥーシア、ファインニードル、メラグラーナ、ダンスディレクターが馬券外へ飛んでしまう展開を考えて予想します。

 

レース展開

内からアルティマブラッド、中からファインニードルとミッキーラブソング、大外からフィドゥーシアの先行争い。フィドゥーシアも押して押して主張するタイプではなく、石橋脩騎手もそれほど外を回らされないようなら2、3番手に控えるはずで、積極的にハナを主張する馬が現れるのかどうかがポイント。

 

◎ミッキーラブソング 6歳牡馬

父:キングカメハメハ

母:コイウタ(母父:フジキセキ)

厩舎:橋口慎介(栗東)

阪神1400mがずんどばの馬で、ベストパフォーマンスはGⅠ馬ミッキーアイルを0.1差まで追い詰めた2016年GⅢ阪急杯の4着。1200mに勝ち鞍はあるものの、ミッキーラブソングにとってこの距離は少しだけ短く、好走するには前々で流れに乗ってパワーをふり絞るレースしかありません。

母コイウタはGⅠヴィクトリアマイルの勝ち馬。ミッキーラブソングはキングカメハメハ×母父フジキセキという字面以上にパワー体質で、母よりも距離適性が短めに出ています。Mr. Prospecterのクロスがあるので、短距離馬としては柔らかいフォームで走りますが、本質はパワーでゴリ押しする1400m馬です。

体調さえ整っていれば重賞でもソコソコの好走ができる馬ですし、休み明けだった前走の北九州記念(小倉芝1200m)からゴール前に急坂のあるセントウルS(阪神芝1200m)へのコース替わりは大きなプラスとなります。その前走は和田騎手が道中押っつけ通しで、直線は失速しての14着と大敗。一叩きされた今走は行きっぷりも改善されるでしょうし、積極的な和田騎手がハナを奪い取るレースをするのであれば、チャンスも十分なメンバー。

ミッキーラブソングも6歳を迎えて、柔らかさよりもパワーの優った体質に変化しており、今なら阪神芝1200mをゴリゴリと先行するレースがぴったりと合う可能性があります。ハナか2、3番手の好位で流れに乗っての初重賞制覇に期待して◎を。

 

◯アドマイヤゴッド 5歳牡馬

父:ハーツクライ

母:クレヴァリー(母父:Danzig)

厩舎:須貝尚介(栗東)

北村友一騎手のイン差しに期待して。アドマイヤゴッドについては週中に詳しく解説した記事を書いているので、よければそちらをご覧下さい。ここでは簡単に。

K・ティータン騎手からの乗り替わりは好成績?ーーGⅡセントウルS('17年)のアドマイヤゴッドはどうなのか? - ずんどば競馬

絶好の最内枠をゲットし、スタートでポコっと出遅れなければインの好位が取れる組み合わせ。開幕週はインが渋滞することも考えられ、馬群をさばくのに苦労するシーンも……。ただ、これほどに人気がないのであれば一か八かのイン差しに期待したくなります。

 

その他の馬について

◎◯以外はとにかく前々につけられる人気薄の馬をピックアップします。

△アルティマブラッド

△ツィンクルソード

△ワキノブレイブ

△ラヴァーズポイント

先行できるファインニードルとフィドゥーシア、メラグラーナについては当日のオッズと相談して……。

 

買い目

3着に人気馬が入って配当が安くなるのがイヤなので、ここは◎◯からの馬単で。上位人気のファインニードルとフィドゥーシア、メラグラーナについては馬単でオッズがつくのなら……。

 

馬単

9. 1 → 9. 1. 3. 4. 8. 12.(7. 14. 2)

 

和田騎手が思い切ってハナを切るような展開になるなら胸熱ですね。

皆さまにとっても素晴らしいレースになりますように。

 

お読みいただきありがとうございました。