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エピカリスの全5戦を解説ーーベルモントSに向けて

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3月25日、メイダン競馬場で開催されたUAEダービー(UAE GⅡ)に日本管理馬としてエピカリスが出走しました。

レースは先手を取ったエピカリスが直線で抜け出したところを、断然の人気を集めていたUAE所属のサンダースノーがC・スミヨン騎手のアクションに応えてハナ差だけ捕らえてゴール。昨年のラニに続いて、日本調教馬によるUAEダービー連覇は達成できなかったものの、直線で3着以下を引き離した2頭のマッチレースは見応え十分のものでした。

UAEダービー2着のエピカリスはアメリカのクラシック3冠の最後を飾るベルモントS(ピムリコ競馬場 ダート2400m)に出走を予定しています。昨年、ラニが3着に好走したレースで日本調教馬の快挙が成し遂げられるのか、注目の1戦です。JRAでは前日の夜からベルモントSの馬券発売(インターネット投票限定)が発表されています。

 

エピカリスの全5戦を解説

エピカリスはここまで(6月6日現在)5戦4勝2着1回の戦績。UAEダービーで2着に敗れるまでは国内で4連勝を上げ、一躍ダート路線のスターホースに駆け上がりました。

ここでは、UAEダービーまでの全5戦を振り返ります。

 

2歳新馬

新潟 ダート1800m

馬場状態:良
出走頭数:15頭(内1頭除外)
着順:1着(1人気) 着差:1.0秒
タイム:1:54.5 上り:38.3
通過順:1 - 1 - 1 - 1

騎手:C・ルメール

解説

3枠から好スタートを決めて自然とハナへ。1角手前で大外枠のウォーターメロンが馬体を合わせてきますが、エピカリスが内の利を活かし1〜2角でハナを取り切る競馬。向正面で息を入れてから3〜4角でペースアップすると、後続各馬が激しく手を動かしているなかエイピカリスは余裕十分の手応えで4角を回り直線へ。直線でも軽く促しただけで後ろを突き放す快勝。

2〜5着に入線した馬もすでに未勝利戦を勝ち上がっていて、4着リゾネーターがその後は3連勝で伏竜Sを制しているようにハイレベルな新馬戦でした。これを子供扱いにしたエピカリスは高いポテンシャルをもっていることがこの1戦から分かります。

 

プラタナス賞2歳500万下

東京 ダート1400m

馬場状態:良
出走頭数:8頭
着順:1着(1人気) 着差:1.1秒
タイム:1:37.7 上り:36.8
通過順:4 - 4

騎手:C・ルメール

解説

スタートでいくらか出負けをし、3角までは中団につけます。逃げるハヤブサナンデダロがペースを緩めたところで内からスルスルと進出し4角では4番手。4角で外に大きく膨れたものの、直線に入ってもルメール騎手の手応えは楽なまま。ゴール前300m地点から軽く仕掛けて、200mから追い出されると後ろを1.1秒突き放しての快勝。

砂をかぶって頭を上げるなどの仕草を見せることもなく、道中はスムーズ。ストライドが伸びるタイプというよりも前脚で搔き込むパワーが推進力の源という走り。ハナに立たなくても、馬群のなかに入ってもOKということを示した1戦になりました。

 

北海道2歳優駿GⅢ(JPN)

門別ダート1800m

馬場状態:稍重
出走頭数:13頭(取消1頭)
着順:1着(1人気) 着差:2.4秒
タイム:1:54.6 上り:39.5
通過順:1 - 1 - 1 - 1

騎手:C・ルメール

解説

大外枠からスピードの違いでハナへ立ちます。先行各馬も強引に競りかけて来る馬も見当たらず道中はマイペースで進めます。向こう正面から3角までは十分に息が入り、4角手前からペースアップすると後続はそのスピードに付いてくることができません。直線では後ろを突き放す一方になり、実況アナウンサーが「これほどまでに強いのか」と感想を漏らすほどの圧勝劇。

相手関係はあったにせよ、エピカリスのスピードとパワーを見せつけた1戦になりました。道中、ルメール騎手が内ラチから3頭ほど外を走っていたことからも距離はもう少し伸びてもOK。

 

ヒヤシンスSオープン

東京ダート1600m

馬場状態:良
出走頭数:15頭
着順:1着(1人気) 着差:0.1秒
タイム:1:37.8 上り:35.7
通過順:4 - 4

騎手:C・ルメール

解説

好スタートから逃げ馬を行かせてインの4番手で折り合います。逃げたアディラートが3角手前でペースを落とすとインの3番手にポジションを上げての追走。直線に向き、逃げるアディラートの仕掛けに合わせて残り400mを切ってからの追い出し。インを突いてアディラートを交わすと、2着馬に半馬身差をつけての勝利。

この日の東京競馬場のダートコースはインが重く伸びないコンディション。それを見越したアディラート騎乗の武豊騎手は直線でインを開け、そこをルメール騎手が突くという競馬に。エピカリスはこのヒヤシンスSのように上りの速さの勝負になるより、持続的な脚を引き出したレースが合うタイプで、それでも1着になったのは能力が高い証でしょう。UAEダービーに向けて弾みをつける1戦になりました。

 

UAEダービー(UAE GⅡ)

メイダン ダート1900m

馬場状態:重
出走頭数:16頭
着順:2着(2人気) 着差:0.0秒
タイム:1:57.7 上り:計測不能
通過順: 1 - 1 - 1 - 1

騎手:C・ルメール

解説

五分のスタートを切ると、1角までにすっと前に出て先行体勢に入ります。1角で内のカタールマン、外のアディラートを制してエピカリスがハナへ。向正面では内ラチぴったりを回りここで息を入れてから3角に入ります。4角手前で外からサンダースノーが押し上げるところでルメール騎手もペースを上げて応戦。直線ではエピカリスとサンダースノの1騎打ちになります。残り200mでエピカリスが振り切りにかかると100mを切ってからジリジリとサンダースノーが追い詰め、最後は相手がハナ差出たところでゴール。

海外への遠征、日本との馬場差など克服しなければならない点をクリアしての2着好走と改めてこの馬の強さを見せるには十分なレース。すっとハナに立てる素軽い先行力があるのは大きな武器で、このレース振りであればプリークネスSの行われる小回りのピムリコ競馬場にも対応可能でしょう。

 

エピカリスの血統

父:ゴールドアリュール

母:スターペスミツコ(母父:カーネギー)

小倉記念、七夕賞と重賞を2勝したメイショウナルト(父:ハーツクライ)の4分の3弟(エピカリスとメイショウナルトは父の母の部分だけ異なる)。父がゴールドアリュールとあってダートの適性が高く出たのも納得です。母系には欧州のスタミナとパワーを伝える重厚な血が詰まっており、エピカリスのストライドがそこまで伸びないのはここの影響が出ているからでしょう。

兄のメイショウナルトもそうだったように、エピカリスも内回り・小回りコースで持続的に脚を使うタイプ。ベルモントSのコース設定は適性としては合っていて、2400mの距離も小回りであれば対応は可能。

 

ベルモントSに向けて

前走のUAEダービーで海外遠征をすでに経験しているのはベルモントSに向けて大きな糧になります。

砂質や道中のペースの違い、そして小回りのコースなどエピカリスにとって経験したことがないことがテンコ盛りというか山積しているわけですが、多頭数で行われたUAEダービーの2着は高く評価できるものです(そのUAEダービーを勝ったサンダースノーはケンタッキーダービーに参戦したものの競走中止)。

アメリカ勢とエピカリスの力関係は走ってみるまで分かりませんが、2400mの距離はこなせるはずで、小回りコースで先行力を活かす競馬ができれば……

アメリカの3冠レースに参戦する機会は滅多にないことですから、素晴らしいレースが観れることを期待しています。

 

まとめ

今年のベルモントSは、ネオリアリズムが出走したQE2世S(香港)以来となる海外競馬の馬券発売となります。JRAではインターネット投票限定の発売とアナウンスされているので、ご注意を。

ベルモントSの詳しい情報については下記のJRAのHPにてご確認下さい。

エピカリスが日本調教馬初となるアメリカ・クラシック3冠のベルモントSを制することができるのか? 今からレースが楽しみですね。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。