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ハービンジャー産駒のテオドールとプロフェットについての解説とレインボーSの予想

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秋の中山競馬場の2週目は、9月16日(土)〜18日(月祝)までの変則3日間開催。その初日のメインレースは芝2000mの1600万下レインボーSが組まれています。このレースで上位の人気に支持されるテオドール(4歳牡馬 国枝栄厩舎)とプロフェット(4歳牡馬 池江泰寿厩舎)の2頭はハービンジャー産駒。

今年は3歳馬のペルシアンナイト、モズカッチャン、ディアドラの3頭が重賞を制し、「期待外れ」と揶揄されることもあった父ハービンジャーの種牡馬としての価値を高める活躍を見せました。この勢いに乗り、種牡馬としての初GⅠ制覇が達成できるのかにも注目です。今回の記事ではハービンジャー産駒の特徴をまとめ、レインボーSの予想をドーンとしていきます。

 

ハービンジャー産駒の特徴は?

ハービンジャー産駒は現2歳が4世代目。年を重ねることで、生産・育成、そして管理する厩舎がハービンジャー産駒の特徴を把握してきたからか、今年の種牡馬成績はこれまでよりも質が向上しています。

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2017年はクラシックで好走

現3歳馬はこれまでの父のイメージを一新する活躍。ハービンジャーは初年度産駒からベルーフ(5歳牡馬)がGⅢ京成杯を制し重賞馬を出しましたが、クラシック路線で好走する仔は現れませんでした。ところが、今年はペルシアンナイトが皐月賞2着、モズカッチャンがオークス2着とクラシックで好走を果たし、「ハービンジャー産駒の当たり年」と呼ばれるほどです。ディアドラ秋華賞トライアルのGⅢ紫苑Sを制したことでGⅠに手が届く位置まで来ましたしね。これまでよりも産駒の質が向上していることがわかります。

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産駒の特徴は2つのパターンに分類できる

ハービンジャーは英GⅠキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(アスコット競馬場・芝2400m)を11馬身差で圧勝した中距離馬でした。種牡馬として日本に輸入されたのも、クラシック路線を走れる産駒が産まれることを期待されたからです。

ハービンジャー産駒は仕上がりの早い馬が多く、2〜3歳の早期に新馬戦ポンと勝ち上がるものの、続く2戦目で思ったような走りを見せれずに敗退することがままあります。その理由の1つとして、この種牡馬がディープインパクトと似た傾向の仔を出すことが挙げられるでしょう。

ハービンジャーはディープインパクトと似て、ダートは苦手で芝の中距離戦で力を発揮する産駒が多く、クラシック路線だとどうしてもこの2頭はバッティングしてしまいます。瞬発力勝負ではどうしても分の悪いハービンジャー産駒にとって、小回り・内回りをパワーで捲る馬を出すことで、重賞を勝てるようになったのです。

小回り中山芝2000mの京成杯をベルーフとプロフェットが連覇し、京都芝2000mの内回りをコースでドレッドノータスが2歳重賞を制したのは偶然ではなく、欧州のパワーとスタミナが詰まったハービンジャーの血をいじることによって、小回り・内回りを器用に捲れる馬を作った結果だと言えます。

ところが、ペルシアンナイトが阪神芝1600mの外回りで行われたGⅢアーリントンカップを、重厚なストライドで鮮やかに差し切り、モズカッチャンが東京芝2000mのフローラSを瞬発力で差し切るなど、ストライドを伸ばせる産駒がチラホラと出て来ました。これによってハービンジャー産駒は以下のような2つのタイプに分かれます。

 

1. 小回り(内回り)コースをパワーと器用さでドッカーンと捲れるタイプ

2. 直線の長いコースを重厚なストライドでズドーンと差すタイプ

この2つ、パワーなのかキレなのかを分けることで、どのコースで好走しやすい馬なのかを見極めることも可能です。それでは、テオドールとプロフェットの2頭を見ていきましょう。

 

テオドールとプロフェットはどちらのタイプ?

今週のレインボーSに出走するテオドールとプロフェットの2頭は上記のどちらのタイプに分類されるのでしょうか?

 

テオドール 4歳牡馬

父:ハービンジャー

母:アンブロワーズ(母父:フレンチデピュティ)

厩舎:国枝栄(美浦)

生産:ノーザンファーム

3歳の2月に中山芝1600mの未勝利戦を勝ち上がり、今春に1000万下を2連勝して本格化。昇級初戦となった前走のTVh賞もハイペースで飛ばす大逃げながら、2着と好走しました。

 

血統

母アンブロワーズは名牝バレークイーンを祖母にもち、パワーに優れたVice RegentとSadler's Wellsを通してNorthern Dancerをクロスするので、体質が硬めの産駒を産みやすい配合。

テオドールはNorthern Dancerのクロスをもつハービンジャーを父にもつことから、あまりしなやかな体質ではなくパワー優先のタイプです。直線長いコースを差すよりも小回りを力任せに捲るレースが合っていて、中山の芝2000mはずんどばの適正。同厩舎のハービンジャー産駒、サンマルティン(GⅢ小倉記念2着)から俊敏さを減らしパワーに寄せたイメージがテオドールです。

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プロフェット 4歳牡馬

父:ハービンジャー

母:ジュモー(母父:タニノギムレット)

厩舎:池江泰寿(栗東)

生産:ノーザンファーム

3歳時に中山芝2000mのGⅢ京成杯を制した実力馬。今走は1600万下への降級初戦となり、格で押し切りたいところでしょう。

 

血統

3代母フェアリードールはGⅠ馬のトゥザビクトリーなどを出した名牝。母ジュモーはフェアリドールにサンデーサイレンス→タニノギムレットとかけられ、RobertoとHaloを通してHail to Reason 4×4のクロスをもちます。

フェアリードール牝系は、トゥザヴィクトリーの仔トゥザグローリー=トゥザワールド=トーセンビクトリーの全兄妹がすべて小回り・内回りの重賞を勝っているように、機動力(コーナーを器用に加速できる)とパワーが売り。

プロフェットはそこにハービンジャーがかけられているため、しなやかさよりもRobertoとHalo的なパワーと器用さで小回りを捲る馬に出ました。3歳時に今走と同じ舞台の重賞を制していることから、降級戦のここは力が入りますね。

 

レインボーSの予想

テオドールとプロフェットともに、中山芝2000mはずんどばのハービンジャー産駒。ただ、この人気の2頭にはそれぞれに不安があります。また、ピュアな逃げ馬が不在というのはペースが読みにくく難しいレースです。

 

テオドールとプロフェットの不安点

テオドールは前走、折り合いの巧みなルメール騎手が乗ってもかかるくらいの前進気勢を見せての大逃げ。戸崎騎手も折り合いには定評がありますが、前走の逃げを踏まえて無理やりに抑え込もうとすると、かかってしまうかもしれません。

プロフェットの不安点は単純に内田博幸騎手が不安……。馬へのあたりが強くガシガシと追える騎手ではあるものの、繊細な手綱さばきには欠けるタイプ。プロフェットはパワータイプの馬なので、まだマイナス面は少ないとは言え、芝の上級条件で内田博幸騎手というのは……。池江寿厩舎+内田騎手というのもあまり見ない組み合わせですしね。

 

レース展開

前走で逃げたテオドールを除くと、レインボーSの出走メンバーは前々好位でレースを運びたいけれど積極的には逃げたくないメンバーがズラリと揃いました。テオドールは前走のことがあるので、戸崎騎手だと逃げない公算が高く(逃げてしまった方が好走の可能性は高くなりますが……)、どの馬がハナを切るのかは微妙……。

で、このようなレースは締まったペースになるのがデフォルト。今開催の中山芝は、先週のメインレースGⅢ京成杯AH(芝1600m)で1分31秒6の好時計がマークされるなど高速な馬場。この傾向は今週も続くはずで、1600万下のレインボーSは2分を切る時計がマークされる可能性は高いと言えます。前後半の1000mが59.5 - 59.5で1分59秒0ですから、これくらいの時計を想定。ペースが流れれば外からも差せる馬場なので、瞬発力勝負がOKなタイプを狙いたいところです。

 

◎スズカビスタ 6歳牡馬

父:スズカマンボ

母:スズカローズマリー(母父:アフリート)

厩舎:谷潔(栗東)

母父アフリートは揉まれ弱い産駒を多く出す種牡馬のため、3枠というのはレースがしにくいのですが、そこは鞍上の田辺騎手の手綱さばきで何とか……。

前走1000万下の小倉戦で芝2000mを1分58秒7の好時計で勝ったように、速い時計の決着はOK。この馬は父スズカマンボの母スプリングマンボの血を効果的にいじっていて、Mr. Prospectorや名牝Specialのクロスをもつ持続型の差し馬。小回りも直線の急坂も苦にしないので、昇級初戦でもこのメンバーなら狙いが立ちます。

今の中山芝は時計が速いものの、京成杯AHを勝ったグランシルクのようにパワー型の馬がバキューンと捲り差せるので、田辺騎手らしく中団外目から押し上げられれば、パワー持続のスズカビスタにもチャンスはあるでしょう。

中途半端に馬群に入ると力を出せないので、先行馬を先に行かせてスタートから早々に外目を確保したいところです。

 

◯ハツガツオ6歳牝馬

また、と言われるかもしれませんが、小回り・内回りの中距離はベストの馬。この馬もスズカビスタと同じく持続的な脚が最大の長所です。こちらは牝馬なだけに父パラダイスクリークの引くRivermanのキレもソコソコにあります。

時計の速いレースに不安があるので◯の印に。ペースが速くなってゴールに向かってじりじりと失速していく流れであれば突っ込みも十分に。

 

買い目

テオドールとプロフェットは不安点があるとは言え、2、3着に入ることは十分にあり得ますし、ソールインパクトは中山芝だとどのメンバーの中に入ってもソコソコに好走するので、◎と◯のそれぞれの単勝と、この2頭の馬連を。

 

単勝

3. 13

 

馬連

3 - 13

 

まとめ

ハービンジャー産駒と言ってもトーセンバジルのように直線の長いコースで鋭くキレる馬もいるので、2つの内どちらのタイプに属するのかをチェックするとコースの適性も読みやすいのかな、と思います。台風が迫っているため今週末のJRAは3日間無事に開催されるのは不安なものの、まずは大きな被害がなければ……。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。