2歳OPききょうSは上品で魅力的な血統とパワフルな走りが印象的なタワーオブロンドンに注目!

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秋のJRA開催の3週目となる9月23日(土)、阪神9Rは2歳OP特別のききょうS(芝1400m)が行われます。昨年はジューヌエコールがこのレースとGⅡデイリー杯2歳Sを制し、阪神JFへと駒を進めました。今年はどんな活躍馬が現れるのか、注目の1戦です。

1番人気は、札幌芝1500mのOPクローバーSを2着に好走したタワーオブロンドン。2番人気はGⅢ小倉2歳ステークスを2着に入線したアイアンクロー。その他にも素質馬が揃い、11頭と頭数は少ないものの楽しみなレースとなりました。

 

タワーオブロンドン 2歳牡馬

父:Raven's Pass

母:スノーパイン(母父:Dalakhani)

厩舎:藤沢和雄(美浦)

生産:ダーレージャパン

馬主はダーレージャパンの代表を務めるH・H・シェイク・モハメド殿下。それにしても、ダーレージャパンの繁殖牝馬はオシャレというか上品というか、母父の位置にDalakhaniが入るというのが素敵です。

スノーパインの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

 

血統

母スノーパインは2016年の皐月賞馬ディーマジェスティの母エルメスティアラ(父ブライアンズタイム)の半妹で、こちらはMill Reef的なキレをもつDalakhaniがつけられました。母系は英ダービー馬ジェネラスを出したDoff the Derbyに遡り、欧州的なパワーとスタミナに富んでいます。

父Raven's Passは英GⅠクイーンエリザベスⅡ世S(芝1600m)と米GⅠブリーダーズカップ・クラシック(AW2000m)を制したマイラー。日本調教馬のカジノドライヴが出走したことでも知られる2008年のブリーダーズカップ・クラシックはオールウェザーの2000mで行われ、圧倒的な1番人気のカーリンを欧州のマイラーRaven's Passが破り、波乱の立役者となりました。

Raven's Passは種牡馬としてまだ目立った活躍馬を出していないものの、父がMr. Prospector系のElusive Qualityに母の父がLord at Warですから、配合としては日本でも活躍馬を多く出したウォーエンブレムと似ています。

Raven's Passの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

ウォーエンブレムの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

ウォーエンブレムの活躍馬と言えば、ローブティサージュとブラックエンブレムのGⅠ馬2頭。前者は母系にSadler's Wells、後者はNever Bendをもち、タワーオブロンドンの母スノーパインはこのどちらの血ももっていることから、ウォーエンブレムと似た配合のRaven's Passと好相性の可能性も大きいですね。この馬が活躍できるのかは血統的にも注目しています。

 

デビューからの2走は?

馬体を見てもパワフルで、四肢があまり伸びない走りはいかにも欧州風のパワーマイラーで、洋芝の札幌でデビューしたのは「いかにも!」と納得してしまいます。

2戦目は4コーナーで大外から豪快に捲り、一旦は先頭に立ちましたが、内のダブルシャープに差し返されての2着惜敗。1着馬とは通ったコースの差を考えれば負けたとは言え十分な内容ですし、追ってからビュンと伸びるタイプではないので、悲観する敗戦ではありません。

 

ききょうSに向けて

阪神芝1400m内回りは適性としては合っている舞台で、前半のペースにどれだけ付いていけるのかが鍵になります。前走の内容から、ルメール騎手も追って弾けるタイプではないとわかったはずで、好位からしっかりと外を回してのレースとなるでしょう。

道中で中団あたりにつけ、直線で追い出したらまったく伸びないという可能性もある馬ですから、前半で好位に取り付くことができればチャンスも。パワフルな馬体と走りを活かしたいので、芝があまりにも軽くなるようだとマイナス。Raven's Pass産駒として、ここでどのような走りをするのかに注目です。

 

その他の注目馬

小倉2歳ステークス8着からの巻き返しを狙うスーサンドンは、ダートのオープンで活躍するスーサンジョイ(父エンパイアメーカー)の半弟で、こちらは父がフサイチセブンに替わりMr. ProspectorだけではなくHaloのクロスをもつのが特徴。ストライドで走る兄よりも器用さのあるタイプですから、阪神芝内回りコースはプラスでしょう。強力な逃げ・先行馬のいないこのメンバーなら、スタートが決まればすっと好位に取り付けるはずで、ジリジリと脚を伸ばすシーンが描けますね。

小倉2歳ステークス5着のイイコトズクシは、最内枠に入ってしまった前走でもしぶとくインを突いて伸び、掲示板を確保しました。馬群をイヤがるアフリートが母父に入ることから、前走も直線で周りに馬がいなくなってから伸びてきたように、揉まれないレースがベスト。今回は6枠と外目の枠に入り、外枠の先行馬を先に行かせて中団外目のポジションが取れるならチャンスもあります。今の阪神は直線内外の伸びはイーブンなので、荻野極騎手が前走のようにインに突っ込むレースをしなければ……。

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阪神の馬場は?

金曜日に降った雨が土曜日でどれだけ乾くのかがポイントになります。土曜日は曇りの予報が出ており、日差しが出なければ急速に乾くことはなさそうです。ただ、雨の中で行われた先週の2歳OP野路菊Sでも上り3Fのタイムが速かっただけに、軽い芝だとタワーオブロンドンにはやや不利になります。

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また、芝は内側から乾いていくのが一般的なので、イン有利のコンディションになっているかどうかもチェックしておく必要があるでしょう。日曜日には菊花賞トライアルの神戸新聞杯が行われますから、土曜日の馬場はしっかりと見ておきたいですね。

 

まとめ

血統的な魅力とパワフルな走りが目を引くタワーオブロンドンはききょうSでどのような走りをするのでしょうか?

馬券的には、外枠に入ったイイコトズクシの巻き返しに期待したいところです。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。