武蔵野S(2017年)は6歳馬の◎メイショウウタゲと◯ピオネロに期待して!ーーレース予想

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GⅠチャンピオンズCのステップレース「武蔵野S(GⅢ・東京ダート1600m)」は、フェブラリーS3着の実績馬カフジテイク vs 今春のユニコーンSを制した3歳馬サンライズノヴァの対決に注目が集まります。

この他にも、東京のダートレースに高い適性をもつ古豪のベストゥォーリアとフェブラリーS優勝馬モーニンなど実力馬が揃い、白熱のレースになることは間違いありません。

武蔵野Sを制してチャンピオンズCへ向かうのは、どの馬なのでしょうか?

 

東京コース向きの馬がズラリと揃う1戦

今年の武蔵野Sは、直線の長い東京コースに向く馬がズラリと顔を揃えました。イヤ、もう「お腹一杯!」と言いたくなるほどにストライド走法の馬がゴロゴロと……。

 

ストライド走法が有利

JRA全10競馬場のなかで、直線の長いダートコースは東京競馬場(501.6m)と中京競馬場(410.7m)が挙げられます(✳︎)が、後者は3〜4コーナーがキツく、小回り向きの器用さも求められます。

✳︎新潟競馬場のダートコースは直線が353.9mで、阪神競馬場の352.7mとそれほど変わりません。

直線の長いコースは、四肢を大きく伸ばすストライドで走る馬に有利。血統的には、Seattle Slew→A.P. Indyのラインや、エンドスウィープ→プリサイスエンド、名牝Special→Nureyevの重厚なストライドを受け継ぐ馬が好走する舞台と言えます。

 

東京向きの馬をピックアップ

出走馬のなかから東京コース向きの馬をピックアップすると、「あら、不思議!」、ロワジャルダンをのぞく15頭が該当するというオソロシイことに。東京のダート重賞だと、ままあります、コレ……。

 

マイラーか中距離か?

ストライド走法か否かだと絞りきれないので、さらにタイプ(型)を分類します。東京ダートのマイル戦は、1400〜1600mベストのマイラーと、1600〜2100mの中距離馬が顔を揃えるレースです。

東京ダート1600mであれば、前者は勝ちタイムが1分35秒を切るレースに強く、後者は1分35秒を超える決着がベストです。それでは、2つのタイプに分類してみましょう。

1400〜1600型

クイーンズサターン

チャーリーブレイヴ

アキトクレッセント

ラストダンサー

ベストウォーリア

モーニン

ブラゾンドゥリス

カフジテイク

1600〜2100m型

ゴールデンバローズ

メイショウウタゲ

サンライズノヴァ

ノンコノユメ

サンライズソア

ピオネロ

インカンテーション

2つのタイプを見ると、1600〜2100m型は胴の長い馬が多いことがわかります。中距離タイプは勝ち時計が速いと、道中で追走に脚を使ってしまうので、直線で伸びてあぐねてしまうのです。

昨年の武蔵野Sは1分33秒8のレコードでタガノトネールが勝ち、2着ゴードドリーム、3着カフジテイクという結果になりました。1着と3着は1400〜1600mベストの馬で、2着馬もこの時計で走れたのは1600mがベストなのでしょう。

 

今年はどちらの決着になるのか?

現在は土曜日に雨の予報は出ておらず、東京ダートは時計のかかるコンディション。そのため、ペースが流れても1分35秒台の決着になる可能性が高いと考えます。

今走は1400〜1600mベストの先行型が揃ったので、ペースが想定以上に速くなることも考えられるものの、揉まれ弱いインカンテーションが外枠に入ったので、今年のフェブラリーSよりもペースは落ち着くはずです。

 

予想

1分35秒台の決着になると考え、◎は1600〜2100m型からピックします。また、ペースがある程度流れてもOKなように、1400〜1600mでも好走歴のある馬を上位に。

 

◎メイショウウタゲ 6歳牡馬

父:プリサイスエンド

母:シールビーバック(母父:フジキセキ)

厩舎:安達昭夫(栗東)

生産:隆栄牧場

「え!? 柴田善臣の乗る馬に◎なの?」とか「もう、6月から使い始めて、今走が6走目だけど……」という声が上がるのももっともの馬。でもね、でも、4走前のプロキオンS(GⅢ・中京ダート1400m)で◎にしておいて、ここで本命にしないというのも節操がないので……それに、「柴田大先生」が乗っても買えるオッズになっていますしね。

 

これまでの戦績をふり返ると

年初の東海S(GⅡ・中京ダート1800m)でグレンツェント、モルトベーネに続く3着と好走。その後は東京ダート1600mのアハルテケS(OP)を快勝し、プロキオンSも5着と掲示板に入る健闘を見せました。

東京コースは2戦2勝。ストライドを伸ばせるコースで好走を続けており、プロキオンSも出遅れ+後方からのレースとしては良く差を詰めた5着ですから、2着のカフジテイクと0.8秒差をつけられたとは言え、大きく悲観する内容ではありません。

 

武蔵野Sに向けて

父プリサイスエンド×母父フジキセキなので、ダート馬としてはしなやかなストライドで走ります。胴の長い体型でベストは1800mでしょうから、1600mの重賞だと時計のかかる決着がベター。

今走は内枠に入り、プロキオンSのようにスタートで多少後手を踏んでも、ポジションをリカバリーしやすいのもプラスです。馬群のなかで競馬ができる馬なので、4コーナーからスムーズに進路を確保できればここでも……好走のチャンスは十分に。

1400〜1600mタイプの先行馬たちが直線で苦しくなったところを、ヨシトミ大先生のマイルドな差しがハマレば1着に突き抜けることも……1600mのレースをスムーズに走れるなら、カフジテイクとの差は逆転できるでしょう。

 

◯ピオネロ 6歳牡馬

父:ネオユニヴァース

母:クルソラ(母父:Candy Stripes)

厩舎:松永幹夫(栗東)

生産:ノーザンファーム

桜花賞2着、オークス3着と牝馬クラシックで好走したクルミナル(父ディープインパクト)の4分の3兄。もともと芝を走っていたものの、昨夏からダートに転向し重賞でも活躍をするようになりました。

父ネオユニヴァースは小回り向きのピッチ走法を産駒に伝えることが多い種牡馬。ただ、母系にNasrullahやNashuaなどの柔らかなスピード血脈を多く引くと、直線の長いコースを重厚なストライドで差すタイプも出します。

ピオネロは母系にBlushing GroomやGood Mannersなどの柔らかなスピードを伝える血を引くので、妹のクルミナルと似たストライドで差すタイプになりました。1800mベストの中距離馬なので、メイショウウタゲと同じようにマイルなら時計のかかる決着がベター。

 

武蔵野Sに向けて

もともと芝を走っていた馬なので、芝スタートは苦にしません。5枠に入ったので、外のベストウォーリアやモーニン、インカンテーション、ブラゾンドゥリスを先に行かせて、外目の好位が取れる組み合わせ。V・シュミノー騎手は芝レースだと「インにこだわる」競馬をするものの、ここではストライドを活かす乗り方をするはずです。

重賞で好走できるだけの力は十分にもっている馬だけに、追走に脚を使わない1分35秒台の決着になればメイショウウタゲとともに有力な1頭です。カフジテイクが苦しむようなペースになれば……。

 

▲インカンテーション 7歳牡馬

父:シニスターミニスター

母:オリジナルスピン(母父:Machiavellian)

厩舎:羽月友彦(栗東)

生産:谷川牧場

フェブラリーS2着、重賞5勝(交流重賞含む)の古豪。父シニスターミニスターはSeattle Slew→A.P. Indyのラインの種牡馬なので、東京コースに向くダート馬を多く出します。インカンテーションはMr. Prospector5×3のクロスをもつので、さらにしなやかさの増した配合。

今春のマーチSを10人気で1着に好走すると、この馬がもっとも輝いていた5歳時の力強さがいくらかもどり、その後の交流重賞でも連続好走を果たしました。今走はベストの条件とも言える東京ダート1600mですから、力の入る1戦になります。

 

武蔵野Sに向けて

揉まれ弱い気性のため、外枠はプラス。今春のフェブラリーSは大外から強引にハナを取り切る競馬をしましたが、ここは好位の外目がスンナリと走れるはずで、レースの組み立てはしやすいでしょう。7歳になってもまだまだスピードは健在で、好走しているここ3走はいずれも適性にあっていない小回りコースですから、東京コースに替わればさらにパフォーマンスを上げられます。

1分35秒台の決着+スムーズなレース運びができれば、このメンバーだとチャンスは十分です。テン乗りの三浦皇成騎手というのはやや割引も、もうここまで多くのキャリアを積んでいる馬ですから、それほど大きな不安点ではありません。

 

その他の有力馬について

◎◯▲がいずれも6、7歳馬をピックしました。ということは、3歳馬のサンライズノヴァとサンライズソアの2頭は軽視します。先週のみやこSでも3歳馬は古馬に通用しなかったですし、2頭ともにここで通用するかどうかは微妙なラインです。

*サンライズノヴァは前走よりもメンバーレベルがグンと上がる今走が試金石。ソアは前走でメイショウウタゲに完敗を喫しています。

1400〜1600m型が3着内に1頭も入れないのかは微妙なところ……カフジテイクは昨年のように「最後方一気」のレースをするなら3着は……ただ、前走の南部杯(JpnⅠ)のように前目につけると思ったほど伸びません。もう1つの不安点は、母テイクザケイクの仔は5歳になってからグングンと成長するタイプを出さないので……。

ゴールデンバローズは東京ダート1600mがベストの舞台。胴が長くゆったりとしたストライドで走るので、時計が速くなり過ぎるようだと不安があります。外目をスムーズに走りたいので、内枠はマイナス。R・ムーア騎手+堀宣厩舎だと放っておいても人気になりますから、オッズ的には買いにくいのでこの印に。

ノンコノユメは1600mだと時計のかかる決着がベター。3歳の早い時期から活躍しましたが、同じような配合のセカンドテーブルが5歳になってもう一花咲かせているように、体調さえ整えばここでも。

ノンコノユメの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

セカンドテーブルの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

*セカンドテーブルは京王杯2歳Sを勝った後に低迷したものの、今夏のCBC賞2着など5歳になって盛り返す活躍を見せている馬。

馬場幸夫オーナーの2頭ベストウォーリアとモーニンはいずれも東京1400〜1600mベストで、マイルなら馬場が渋って時計の速い決着が向いています。ここはパサパサのダートを想定するので、どちらも無印に。

 

買い目

まずは◎から◯▲△への馬連を。カフジテイクとゴールデンバローズ絡みはオッズが低くなるので、3連単を買います。

 

馬連

5 - 10. 13. 16. 2. 8

 

3連単

1着:5. 10

2着:5. 10. 13

3着:5. 10. 13. 16. 2. 8

 

まとめ

武蔵野Sは3、4歳馬の強いレースですが、今年は6、7歳馬の3頭に期待します。◎メイショウウタゲも◯ピオネロも時計がかかればマイルで十分に戦える馬なので、まだまだ若い馬たちの「新時代」を切り拓かせるわけにはいきません。

1分35秒台の決着で、◎と◯が直線でグイグイと伸びるシーンをイメージして。皆さまにとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。