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GⅡローズSはハービンジャー産駒のモズカッチャン他2頭が出走予定ーーレース展望

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ハイレベルと呼ばれる3歳牝馬路線を引っ張ってきたオークス馬ソウルスターリングは、秋華賞には向かわずに天皇賞・秋を目指すことになりました。樫の女王が不在とは言え、秋華賞トライアルのGⅡローズSは豪華メンバーが揃った1戦。皐月賞に挑戦した怪物ファンディーナ、オークス2着のモズカッチャン、春のクラシックを沸かせたハーツクライ産駒のアドマイヤミヤビとリスグラシューが顔を揃え、前哨戦と呼ぶに相応しいレースが期待できます。

 

ハービンジャー産駒の「当たり年」

現3歳世代はハービンジャー産駒の「当たり年」と言われています。ハービンジャーは初年度産駒から重賞勝ち馬を出したものの、クラシックなどの大きな舞台では活躍馬が現れませんでした。3世代目となる現3歳世代は、皐月賞2着のペルシアンナイト、オークス2着モズカッチャンとクラシックでも連対を果たし、「期待外れ」とも揶揄された父の種牡馬として価値を高めることに。この世代からハービンジャー産駒初のGⅠ馬が誕生するのでしょうか?

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紫苑Sはハービンジャー産駒のディアドラが勝利

すでに行われた秋華賞トライアルGⅢ紫苑Sは、オークス4着のハービンジャー産駒ディアドラが他馬を大外一気にねじ伏せての勝利。前半1000mが61.3秒のスローペースを中団の外から捲り、「ここでは格が違う」というような差し切り勝ちでした。

ディアドラは上々の内容でトライアルを好走し、秋華賞へ向かいます。ローズSに出走するハービンジャー産駒の有力馬たちはディアドラに続くことができるのでしょうか?

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ローズSに出走予定のハービンジャー産駒

今年のローズSに出走予定のハービンジャー産駒はモズカッチャン、ヤマカツグレース、サトノアリシアの3頭。ここでは、この3頭についてローズSでの好走があるのか、1頭ずつ解説します。

 

モズカッチャン 3歳牝馬

父:ハービンジャー

母:サイトディーラー(母父:キングカメハメハ)

厩舎:鮫島一歩(栗東)

生産:目黒牧場

GⅡフローラSを上り33.9の鋭さで差し切り勝ちを上げると、続くGⅠオークスでも最内枠を最大限に活かしてソウルスターリングの2着と好走しました。素軽い先行力と一瞬のキレ味に優れたタイプで、ここまでに上げた3勝は小倉→中山→東京とコースを問わない器用さも魅力です。

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血統

今年の重賞を勝ったハービンジャー産駒の3頭、ペルシアンナイトとモズカッチャンとディアドラは母系にNureyevが入ります。ハービンジャーのもつ欧州的なキレを日本の芝向きにするために有効な血です。ペルシアンナイトとディアドラは「重厚なストライド」で走りますが、モズカッチャンは地面を滑るような脚さばきが特徴。

母サイレントディーラーの父キングカメハメからNureyevを、母父Storm BootからしなやかなMr. ProspectorとStorm Catの血を引きます。モズカッチャンは母の3番仔としてJRAで初めての勝利を上げました。

モズカッチャンはMr. ProspectorとDanzigの4×5のクロスをもち、この血の濃さが3歳春からクラシックで活躍できるひとつの要素だったのでしょう。この馬は完成は早目なので、一夏を越してさらに馬体が成長しているのかは今後を占う意味でもキーポイント。

 

ローズSに向けて

先行力と器用さ、そして一瞬のキレ味で勝負するモズカッチャンにとっては、京都芝2000m内回りの秋華賞はベストのコース。それに対して、ローズSの阪神芝1800m外回りは、バキューンと持続的な脚を使える馬に有利なコースで、モズカッチャンが好走するにはスローからの上りの速いレースになれば……。

もう1つのポイントは一夏を越しての成長力。クロスのうるさい配合なので、春からどれほどの成長をしているのかはこのレースの走りでハッキリします。

 

ヤマカツグレース 3歳牝馬

父:ハービンジャー

母:ヤマカツマリリン(母父:グラスワンダー)

厩舎:池添兼雄(栗東)

生産:岡田牧場

フローラSで2着に入り、その後はオークス18着→クイーンS9着と大敗し、ローズSは巻き返しの1戦となります。好走したフローラSは前後半の1000mが61.5 - 59.8のスローペースを2番手から直線で先頭に立つと、ゴール前で「押し切るか」というところをモズカッチャンに差し切られる競馬になりました。

オークス、そして古馬と初対戦になったクイーンSはともに見せ場もなく大敗を喫したことから、ローズSではどこまで立て直しが図れるのかに注目です。

 

血統

母ヤマカツマリリンは自身がオープンまで出世したスプリンターで、金鯱賞を連覇したヤマカツエースを出すなど繁殖牝馬としても優秀。グレースの半兄ヤマカツエース(父キングカメハメハ)は、機動力に優れた馬で小回り・内回りのコーナーをスムーズに加速して、捲り差す馬。グレースは父がハービンジャーに替わりましたが、こちらもDanzigクロスのパワーで捲るのがベストです。

前脚の力強いかき込みは母父グラスワンダー譲りで、その走りから体質的にも硬めに映ります。ストライドがグングンと伸びるわけではなく、直線の長いコースであればフローラSのようにスローが理想でしょう。

 

ローズSに向けて

直線の長い外回りコースで行われるローズSは、ヤマカツグレースにとってペースが流れると苦しくなります。ここは強力な先行馬が少なく、フローラSの再現が叶う組み合わせ。ゴール前に急坂のある阪神はパワー型のこの馬にとってはプラスです。

ヤマカツグレースはキレ味が並なので、スローに落としたとしても何かに差されてしまうかもしれませんが……。体型からはマイル前後がベストで、馬体に筋肉が付ききる今なら1800mもOK。クイーンSはほぼ完璧に乗っての力負けなので、ローズSでは前走からかなりの上積みがないと苦しいレースになりそうです。

 

サトノアリシア 3歳牝馬

父:ハービンジャー

母:ラルーチェ(母父:クロフネ)

厩舎:平田修(栗東)

生産:ノーザンファーム

2歳時に札幌のOPコスモス賞(1800m)を勝ってからは伸び悩み、2走前は目先を変えてダート戦に出走したものの大敗を喫し、再び芝へ。古馬と初対戦となった前走の1600万下は素質馬テオドールの大逃げを離れた2番手で追いかけ、ゴールまでジリジリと脚を伸ばして3着。牡馬相手の古馬1600万下での3着は改めてこの馬の能力を示したレースとなりました。脚の長い馬体からも距離は2000m前後がベストで、びゅんとキレる脚が使えないのは追い出されると頭が高くなってしまうからでしょう。

 

血統

母ラルーチェ1600万下クラスまで出世し、芝・ダートを問わずに走った活躍馬。半兄のシャインブライト(父:ジャングルポケット)もJRAで勝ち上がっています。サトノアリシアは自身が強いクロスをもたず、成長力に富む配合。

洋芝+小回りで好走しているのはいかにもハービンジャー産駒らしく、前脚でかき込む走りなので直線の長いコースでしなやかにキレる脚を使うタイプではありません。追い出されてから頭を上げてしまうところが改善されれば、ジリジリと長く脚を使えるようになるはずですが……。

 

ローズSにむけて

本来は持続力に富んだ脚を使え、母系のVice Regent=ヴァイスリーガルのクロスからパワーは十分なので、急坂+直線の長い阪神外回りはベストコース。小回りコースで結果を出しているものの、直線の長いコースが合わないわけではありません。

2歳時にはアルテミスS5着、阪神JF7着と大きく負けているわけではなく、一夏を越して成長し、前走のレースができればこのメンバー相手でもソコソコには……。今回は強力な先行馬が少ないので、積極的に前のポジションを取れればしぶとい脚が使えます。キレ味勝負だと分が悪いため、理想は平均ペースでしょう。

 

まとめ

ローズSは現3歳世代のトップレベルの牝馬がズラリと揃ったので、ここで好走することができれば秋華賞への展望は大きく拓けます。ハービンジャー産駒の3頭が秋華賞の有力候補になることができるのか、ローズSは注目の1戦です。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。