GⅢ紫苑S('17年)はHaloクロスの逃げ馬ミッシングリンクに◎をーー予想

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GⅠ秋華賞トライアルのGⅢ紫苑Sは9月9日(土)、中山競馬場の芝2000mで行われ3着以内の馬に優先出走権が与えられます。今年はアドマイヤミヤビ、リスグラシュー、モズカッチャン、ファンディーナといった春の実績馬の多くがGⅡローズSから始動するとあって、オークス4着ディアドラ、エルフィンS1着サロニカなどの関西馬は紫苑Sから秋華賞を目指すことになりました。

昨年、紫苑S2着のヴィブロスと5着のパールコードが秋華賞でワンツーを決めており、次のGⅠを占う意味でも目の離せないレース。フルゲート18頭が揃い、クラシック3冠目の秋華賞に向けて3歳牝馬たちが火花を散らします。

 

紫苑Sの予想のポイントは?

紫苑Sの予想のポイントは2つ。1つはエアレーション作業によって、今年の秋の中山開幕週も「外差し」の利く馬場になるのかどうか。もう1つは春の実績馬 vs クラシックに間に合わなかった馬のどちらが一夏を越して成長しているのかという点です。それぞれのポイントを見ておきましょう。

 

1. 秋の中山開幕週は「外差し」が利く?

秋の中山開催開幕週に組まれたマイル重賞「GⅢ京成AH」は、2012年にレオアクティブが1分30秒7の日本レコード(芝1600m)をマークしてから、少しずつ時計のかかる決着へと変わってきています。過去2年の勝ちタイムは1分33秒台となったことからも、JRAの目指す「柔らかい馬場造り」の効果がはっきりと現れたのがこの秋の中山開催です。

ここ2年、開幕週がやや時計のかかる馬場になっているのは、2013年の秋から開催の約1ヶ月前に馬場の路盤に穴を開けるエアレーション作業(バーチドレン)を行うようになったことが理由として挙げられます。これにより、中山競馬場は開幕週でも直線の外からの差し・追い込みが決まりやすくなりました。紫苑Sが差し・追い込みの利く馬場になるのかは予想をする上での大きなポイントです。

エアレーション作業によって開幕週のレースが「外差し」の利く馬場になるのかについて考察をした記事を書きましたので、よければそちらもご覧下さい。

秋の中山開催開幕週はエアレーション作業によって2017年も「外差し」になるのか?ーー馬場考察 - ずんどば競馬

 

2. 春の実績馬 vs 春のクラシックに間に合わなかった馬

今年の紫苑Sで1番人気が予想されるディアドラは桜花賞6着、オークス4着と春のクラシックでソコソコに好走した実績馬。2番人気のホウオウパフュームも好走こそできなかったものの、GⅡフローラS8着→オークス16着とクラシックの路線に乗った馬です。

それに対して、3番人気に押されているルヴォワールは新馬→ミモザ賞と連勝し、いよいよオークスへというところで脚部不安により休養に入った馬。春のクラシックには間に合わなかった悔しさを秋華賞にぶつけます。

秋華賞・菊花賞のクラシック3冠目は、一夏を越して成長した上がり馬が春の実績馬を押さえて好走するシーンもままあるGⅠです。そのため、夏の休養でどれだけその馬が変わっていきているのかも、トライアルを予想する上での重要なポイントになります。

 

今年は春の実績馬が優勢?

今年の3歳牝馬路線は、オークスを制したソウルスターリングやNHKマイルC勝ちのアエロリット、皐月賞に挑戦したファンディーナ、アドマイヤミヤビ、リスグラシューといった素質馬が次々に現れ、「ハイレベル」と言われる世代です。そのため、このような強敵と戦ってきた実績馬が上がり馬よりもやや優勢というのが大方の見方。

ただ、古馬相手の1000万下で好走してここへ参戦する上がり馬も侮ることはできません。例年であれば、古馬1000万下(牝馬限定戦ではなく牡馬混合がベター)を勝てる力のある3歳牝馬は秋華賞で好走するチャンスがあり、紫苑S出走馬にも魅力的な上がり馬が揃っています。

 

上位人気馬について

以上のポイントを念頭に置いて、紫苑Sに出走する上位人気馬(1〜5番人気)について1頭ずつ見ていきましょう。

 

ディアドラ 3歳牝馬

父:ハービンジャー

母:ライツェント(母父:スペシャルウィーク)

厩舎:橋田満(栗東)

生産:ノーザンファーム

ハービンジャー産駒として初GⅠ制覇の期待がかかるディアドラ。2歳時はGⅢファンタジーS3着など重賞でも好走していましたが、馬群を割るのが苦手な気性から大ざっぱなレースしかできず、2勝目を上げることがなかなかできませんでした。

桜花賞トライアルのOPアネモネS(中山芝1600m)は差しに回るとセンスのないシュタルケ騎手を背に、インから猛然と脚を伸ばしての2着。この好走で馬がガラリと変わり、桜花賞では上り最速をマークしての6着と、ハイレベルな同年代のライバルと対等に戦える素質の高さを見せるレースぶり。

この時点では1勝馬の身だったため、オークスに向けてのローテーションが厳しくなることを承知の上で500万下矢車賞に出走し快勝。続くオークスでも強敵相手に4着と好走を果たしました。

オークスから2ヶ月半の休養を挟んで出走した札幌の1000万下HTB賞(芝2000m)は降級馬のラヴィエベールを押さえて勝利し、この紫苑Sへ臨みます。

 

紫苑Sに向けて

紫苑S出走馬のなかで、強敵相手に好走してきた実績は一枚上のものがあり、2000mの距離も問題なく、休養明けをひと叩きしてからの臨戦過程も好感がもてます。これまでのレースぶりからもここで凡走するような可能性が少ない春の実績馬。

ただ、不安な点は1つあります。春はかなり押せ押せのローテーションが組まれ、春の疲労が夏の休養でしっかりとオーバーホールされているのかは「?」がつきます。それを証明しているかのように、前走は2ヶ月半以上の休み明けにもかかわらず馬体重を12kg減らしての出走となり、状態面での不安は残る現状。中山への長距離輸送もマイナスですし、前走の反動から紫苑Sで凡走することは十分に考えられます。

ディアドラは父ハービンジャーに初GⅠをプレゼントできるのか?ーーGⅢ紫苑Sの展望 - ずんどば競馬

 

ホウオウパフューム 3歳牝馬

父:ハーツクライ

母:マチカネタマカズラ(母父:Kingmambo)

厩舎:奥村武(美浦)

生産:ノーザンファーム

未勝利→500万下寒竹賞を連勝して臨んだGⅡフローラSは1番人気を裏切る8着。その後はオークスへと駒を進めましたが、そこでも16着と大敗し、春のクラシックは思うようなレースができませんでした。オークス以来の休養明けとなる今走は、ここ2走の敗戦からの立て直しがしっかりとなされているのかがキーポイント。

ハーツクライ産駒の現3歳はオークス3着のアドマイヤミヤビ、ダービー2着のスワーヴリチャードなど粒の揃った当たり年。ホウオウパフュームも3歳春のクラシック路線に乗った素質馬と言えます。

母マチカネタマカズラは名牝Specialのクロスをもち、この名牝から産まれたNureyevとSadler's を通してNorthern Dancerの血を増した繁殖牝馬。晩成傾向にあるハーツクライ産駒にとって、3歳春の時点で活躍するためには早くから馬体にパワーをつける必要があります。ホウオウパフュームはこの母系のパワーをしっかりと受け継いだことで、フローラのまで駒を進めることができました。

配合からは東京などの直線の長いコースを重厚なストライドでズドーンと差してくるタイプ。ただ、中山芝2000mで行われた寒竹賞のように、小回りでも脚を一気に使う形なら好走も可能です。エアレーション後のややタフな馬場は適正としてはぴったり。

 

紫苑Sに向けて

オークスからしっかりと間隔を取りここへ備えたことから、春の凡走からの立て直しができているのかがポイントになります。走法からは小回りの中山向きとは言えないので、中山開幕週が例年通りにややタフな馬場になっていればチャンスもあります。

中山コースでコーナーをスムーズにロスなく走らせるのが巧い田辺騎手が鞍上というのは心強く、寒竹賞の再現ができればこのメンバーでも好走できるでしょう。

 

ルヴォワール 3歳牝馬

父:ハーツクライ

母:リュヌドール(母父:Green Tune)

厩舎:手塚貴久(美浦)

生産:ノーザンファーム

新馬→ミモザ賞と余力十分に連勝し、春は「オークス候補」と呼ばれたほどの素質馬。前走のミモザ賞は少頭数でレースがしやすかったとは言え、直線ではほぼもったままの大楽勝ですから、未知の魅力はたっぷりです。脚部不安による長期の休み明け初戦に加え、初めて骨っぽいメンバーとの対戦となることからも不安のある1戦ですが、ここをクリアできるようなら今後が大きく拓けます。

母系にNijinskyの入るハーツクライ産駒で長手の馬体からも明らかに中距離馬。走らせるとしなやかなフォームは祖母Luth d'Orがフランス血統で固められているからでしょう。これだけ柔らかい動きができるということは馬体の完成も遅めで、このメンバーに入って現状でどこまで走れるのか楽しみな1頭です。

 

紫苑Sに向けて

とにかくしなやかなフォームで走る馬で、本質的には東京>中山という適性をもつストライド走法。GⅢの紫苑Sではここ2戦のような緩いペースでコーナーを回ることは難しく、フルゲートの多頭数で外から捲るときにコーナーで置かれないかが心配です。速いペースに対応できるのかは未知の部分があり、ここを克服できるようなら好走のチャンスも……。ただ、エアレーション作業によってややタフな馬場は重厚なストライドで走るこの馬にとって歓迎材料です。

晩成の血統で、長期の休み明けですからクリアしなければならない課題は多いとは言え、それらを乗り越えるだけの素質ももっている馬だけに取捨選択が難しいですね。

 

ライジングリーズン 3歳牝馬

父:ブラックタイド

母:ジョウノファミリー(母父:キングカメハメハ)

厩舎:奥村武(美浦)

生産:三城牧場

GⅢフェアリーSはアエロリットを下しての重賞勝利を上げ、この世代の牝馬戦線でも上位の力をもつライジングリーズン。ここまでに上げた3勝はすべて中山の芝1600mのもので、この馬の最大の長所はコーナーの加速がスムーズなことでしょう。

小回りの中山ではフェアリーSでアエロリットを、アネモネSでディアドラを下しており、コーナーですっと加速して直線で突き放す競馬ができるコースではハイレベルな3歳牝馬路線のなかでもトップレベルなものがあります。

母ジョウノファミリーはキングカメハメハ×ブライアンズタイムの配合で、これはハタノヴァンクール、グランドシチー、キョウワダッフィーなどダートの上級馬が出る組み合わせ。ダートレースの3〜4コーナーをグイグイと力強く捲る馬たちがズラリと並ぶこの配合にブラックタイドがかけられたのがライジングリーズンです。この馬が母系に入るRoberto+Nureyevのパワーとブラックタイドの母ウインドインハーヘアーのパワーで中山のマイルを力強く捲る脚質に出たのは順当と言えます。

前走のラジオNIKKEI賞11着は3歳牝馬としては厳しい55kgのハンデを背負ってのもの。また、レース前からのイレ込みがキツく、この馬本来の捲りではなく先行策を取ったことで、なし崩し的に脚を使ってしまいました。敗因がはっきりとしているだけに、リフレッシュして落ち着いた状態でレースに臨めるのであれば巻き返しも十分に。

 

紫苑Sに向けて

体型からもおそらくベストは1800m。芝2000mのレースで道中しっかりと折り合えるかどうかは好走へのキーポイントになります。前走で4つコーナーのあるレースを経験しているのは強み。とにかく、中山のこのコースは適正としてはずんどばで距離をこなせるのならチャンスは大きいレース。このメンバーであれば、ライジングリーズンはあきらかに格上の実績馬になります。

キングカメハメハは好調期間が短く、連敗すると立て直すのにやや時間のかかる血統。ここ2走の敗戦から心身ともに立て直しができているのかに注目です。

 

サロニカ 3歳牝馬

父:ディープインパクト

母:サロミナ(母父:Lomitas)

厩舎:角居勝彦(栗東)

生産:ノーザンファーム

今年2月のOPエルフィンSを逃げ切ってクラシック路線に乗りましたが、桜花賞を左後肢ハ行によって取消し、そのまま長期の休養を余儀なくされ春は全休。紫苑SはエルフィンS以来7ヶ月ぶりのレースとなり仕上がり具合は気にかかるところです。前走はまだまだ幼く華奢な身体つきでしたから、一夏を越してどれほど馬体が成長しているのかは楽しみですね。

母サロミナは独オークス馬で、その父Lomitasは1991年独の年度代表馬に輝いた名競走馬。Lomitasは凱旋門賞を独産馬初の凱旋門賞となったデインドリームを出すなど種牡馬としても活躍しました。サロニカは母系の2分の1がドイツ血脈で固められており、ソウルスターリングに似たしなやかさはここに由来しているのでしょう。

ディープインパクト×母父中距離馬(2400mがベストのLomitas)ですから、ジェンティルドンナやミッキークイーン、ヴィルシーナとヴィブロス姉妹のように母父スプリンター・マイラーの血で3歳の早い時期からバキューンと弾ける脚が使える配合ではありません。サロミナに入るLomitasもTiger Hillも芝2400mの大レースを勝った馬で、サロニカも完成は遅めになるのでしょう。一夏を越してしっかりとパワーアップ(馬体に芯が入っている)していれば紫苑Sでも十分に戦える血統構成をしています。

 

紫苑Sに向けて

サロニカの不安点は3つあります。1つは長期休養明けでの仕上がり具合、2つ目はスローペースの経験しかないこと、3つ目は多頭数の大外枠で自分のペースで逃げることができるのかが心配される点です。

サロニカはしなやかなピッチで走る中距離馬なので小回り中山の芝2000mは適性としてはほぼベストの舞台。器用さのあるタイプでコーナーを俊敏に加速できるのが最大の長所です。Tiger Hillの母系に入るAureoleの血(馬込みが苦手)を考えると、現状ではハナに立っての押し切りがベストの戦法になります。

角居厩舎の管理馬らしく馬の成長をうながしながら秋まで休養したことがプラスに働くでしょうし、母系はドイツ血脈の底力十分の配合からもエアレーション作業によってややタフな馬場になっているのはプラス。ミッシングリンクを制してハナに立ち、しっかりとペースを作れれば好走のチャンスもあります。

サロニカについては紫苑Sの展望記事でより詳しく解説しているので、よければそちらをご覧下さい。

非ディープインパクト産駒が上位人気に支持される紫苑Sーーサロニカの逆襲はあるのか? 展望 - ずんどば競馬

 

予想

予想の入口はエアレーション作業によって馬場がどれほど柔らかくクッションが利いた状態になっているのか……。芝は逃げ・先行馬にとって苦しいコンディションになっていることも十分に考えられるので、まずはそれを想定します。以下はJRAのHPに載っている「気象情報」です。

 

雨量情報

日付 1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日
雨量(mm) 0.5 5.5 0.0 1.5 0.5 8.0 2.5 2.0

3日(日)を除き、一週間以上にわたって雨量を計測しています。中山競馬場は排水性に優れているので、これくらいの雨量では馬場に大きな影響は与えません。ただ、ひとつだけ気にかかるのは、この雨によって中山の芝コースは「散水」が行われていません。

芝コースの時計がかかるかどうかは路盤に含まれる含水量によって変わるので、まったく散水していないとなると、金曜日の午後からまとまった雨が降らなければ土曜日は乾いた状態でのレースになります。JRAの馬場造園課が想定するよりも馬場が乾くようであれば、ここ2年よりも速い時計の出る馬場になるでしょう。

 

エアレーション作業→外差しになるの?

開催1ヶ月前のエアレーション作業によって、ここ2年の開幕週はクッションの利いた柔らかい馬場でレースが行われています。競馬ファンの間でもこの「開幕週でも差しが利く」馬場の傾向は広く認知されていて、日曜日のメインレースGⅢ京成杯AHに関するさまざまな競馬メディアの記事でも、「差し有利」の文字があふれています。

ここ2年は少し時計のかかる馬場だったことから、JRAは今年の秋の中山開幕週でそれほど柔らかい馬場を作らないのではないか……というのが私的な馬場予想です。レコードが連発した今夏の函館開幕週も「まさかここまで時計が速くなるとは……」と誰も予想していない馬場でしたから。

というわけで、紫苑Sもレースの勝ち時計が2分を切り、逃げ・先行が残りやすい馬場を想定します。

(✳︎あくまでも金曜日の段階の馬場予想なので、土曜日のレース内容を見てから差しが利くのか、時計がかかるのかは判断します)

 

レースの展開

ここ4走逃げて好走しているミッシングリンクが内を見ながら先行態勢に入り、大外枠に入ったサロニカがどこまで主張するのかが展開のカギを握ります。スタートセンスの良さとピッチで走ることを考えるとサロニカが押して押して主張すればハナを取りきれるメンバーですが、吉田隼人騎手は好位に控える形になりそう。

ここ2年は差しがビシバシと決まっていることから、18頭のフルゲートであっても騎手の意識はそれほど前々に向かないはずです。ミッシングリンクがハナを切ってペースを落とすとしても、前半1000mは60秒台を切るか切らないかの通過タイム。レースの勝ちタイムとしては60.0 - 59.5 の1分59秒5前後を想定します。

中山の芝2000mであれば3コーナーからペースアップをして、ゴールまで残り5F(1000m)の持続戦になることがほとんどで、キレる脚よりも長く脚を使える馬をピックアップしたいですね。以下の表はここ2年の1〜3着馬の成績です。ここからも逃げ馬には苦しい展開になっていることがわかります。

 

過去2年の紫苑Sのレース成績

時計 着順 人気 馬 名 通過順位
2015 2:00.2 1 8 クインズミラーグロ 10 - 10 - 10 - 8
2 5 ホワイトエレガンス 4 - 4 - 4 - 2
60.6 - 59.6 3 6 エバーシャルマン 10 - 12 - 12 - 12
2016 1:59.7 1 1 ビッシュ 14 - 13 - 6 - 2
2 3 ヴィブロス 12 - 9 - 12 - 11
59.6 - 60.1 3 5 フロンテアクイーン 5 - 6 - 9 - 8

エアレーション作業によって捲り・差し馬天国になっている紫苑S。昨年は3コーナーでインコースを走っていた複数の馬が大きな不利を受けたため、外目をスムーズに押し上げた馬のワンツーとなりました。ただ、これだけ「外差し」、「外差し」と言われるなら、今年は逃げ・先行決着を想定するのがベターだと考えます。

 

◎ミッシングリンク 3歳牝馬

父:ヴィクトワールピサ

母:エーソングフォー(母父:More Than Ready)

厩舎:斉藤誠(美浦)

ミッシングリンクの父ヴィクトワールピサ(Halo×Mr. Prospector)と母父More Than Ready(Halo×Mr. Prospector)が相似の血統構成をしており、Haloクロスによるコーナーでの機動力とMr. Prospectorのしなやかさが強調された配合。父中距離馬×母父マイラーなので、フワリと先行して前々から押し切る競馬が合っています。

この馬は大きなフォームで走りますが、ヴィクトワールピサらしい機動力と力強く無駄のない前脚のさばきが特徴的で、だからこそ、小回り・内回りでしぶとく好走するタイプになったのでしょう。

 

ミッシングリンクの3代血統表

ヴィクトワールピサ ネオユニヴァース サンデーサイレンス
ポインテッドパス
ホワイトウォーターフェア Machiavellian
Muc Too Risky
エーソングフォー More Than Ready サザンヘイロー
Woodman's Girl
Miss Garland パレスミュージック
Miss Actress

 

ホウオウパフュームにあっさりと交わされた寒竹賞も前走の牡馬混合の1000万下4着も負けたとはいえ着差は少なく、ゴールまでジリジリと脚を使ってはいます。その前走は、エニグマバリエートなど骨っぽい古馬を相手の4着。ラジオNIKKEI賞3着のロードリベラルには先着を果たしていますし、レースレベルの高さから紫苑Sは十分に勝ち負けにもち込めるはずです。

キレ味勝負だと味がないので、石橋脩騎手がこの馬の機動力を信じてしっかりとペースを作り、残り1000mの持続戦を演出できればアレよアレよが期待できます。サロニカさえ制してしまえば、うるさい先行馬が少ない組み合わせ。他の騎手も差しの意識が働いて仕掛けが遅くなる可能性もあり、ここは◎の印を。

 

ノーザンファーム生産馬と上位厩舎の馬に△を

ミッシングリンクがかなりの人気薄なので、相手は手広く。紫苑Sはノーザンファーム生産馬が多いので、全て押さえます。後は関西馬とモハメド殿下、GⅠレーシングを拾って。その他で気になるのはナムラムラサキですが、馬格のない牝馬なのでパドックで落ち着いているかと馬体重を見てから決めます。

 

ノーザンファーム生産馬

△ポールヴァンドル

△ホウオウパフューム

△ルヴォワール

△ディアドラ

△サロニカ

赤色でマークしたディアドラは馬体重には注意。前走よりも馬体を減らしての出走だとかなりのマイナスです。

 

関西馬

△プリンセスルーラー

△マナローラ

マナローラは蛯名騎手というのがネック。プリンセスルーラーが差してきたら胸熱の展開ですね。

 

モハメド殿下とGⅠレーシング

△カリビアンゴールド

△ジッパーレーン

GⅠレーシングのジッパーレーンが突っ込んできたら、ウハウハ。

 

買い目

◎ミッシングリンクから△各馬への馬連と◎の単勝を。

 

馬連

13 - 6. 7. 8. 9. 11. 12. 15. 16. 18

 

単勝

13

 

皆さまにとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。