紫苑S(2018年)はエアレーション馬場なら好走できると想定してロサグラウカに◎をーー予想

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中山競馬場の芝2000mで行われる紫苑S(GⅢ)は、3着以内の馬に秋華賞(GⅠ・京都芝2000m)への優先出走権が与えられます。

紫苑SはOP特別として実施されていた頃は秋華賞につながりの薄いトライアルでした。ところが、GⅢへと格上げされた2016年、17年とこのレースをステップに秋華賞馬が誕生しています。今年はここから秋華賞を好走する馬が現れるのでしょうか?

 

1人気は桜花賞とオークス5着のマウレア

紫苑Sで1人気が予想されるマウレアは桜花賞とオークスをともに5着と好走。3歳牝馬路線の中心となるアーモンドアイ、ラッキーライラック、リリーノーブルと春の時点で差をつけられたものの、高い競争能力をもっていることは疑う余地がありません。

 

マウレアの不安点は?

マウレアについては週中に展望記事を書いているので、詳しくはそちらをご覧下さい。

ここでは、紫苑Sに向けての不安点を簡単に触れておきます。不安点は大きく3つです。

マウレアの不安点

1. 小回り中山コースへの適性

2. 仕上がり

3. 早熟性

 

1. 小回り中山コースへの適性

マウレアは全姉アユサンと同じく、しなやかなストライドで走るタイプです。そのため、適性に合っているのは直線の長いコース。小回りコースだとペースの上がる3〜4コーナーで「スッと加速」できないため、そこを武豊騎手がどう捌くのが鍵となります。

最内枠に入ったのはストライドを伸ばしたいマウレアにとってはマイナス。ただ、秋の中山開催はエアレーションを実施おり、ディープインパクト産駒の差しが届く馬場ですから、3コーナーからストライド・ロスなく捲れればチャンスもあります。

 

2. 仕上がり

関東馬のマウレアにとって、秋華賞は関西への輸送があるため、十分な間隔を取れる紫苑Sからのローテーションはプラスです。問題は陣営が秋華賞に向けてどれほどの本気度で臨むのかということ……。

先にも述べたように、この世代の牝馬はアーモンドアイ、ラッキーライラック、リリーノーブルとハイレベルな馬が揃っています。それを考えるとマウレア陣営が秋華賞にどこまで本気度をもっているのか……。となると、紫苑Sへしっかりとした仕上げで臨んでくる可能性も十分です。

ただ、仕上がり具合についてはトライアル仕様なのか、獲得賞金を上積みしにきたのかは走らないとわかりません。休み明けは小さいながらもリスクです。

 

3. 早熟性

「ディープインパクト×Storm Cat」は有名なニックス。多くの活躍馬を出していますが、古馬になってグングンと成長したのは、ラキシス≒サトノアラジン全姉弟くらいです。

マウレアは全姉アユサンが古馬になってから走っていない(オークス4着後に長期休養し、古馬になってから2戦して引退)ので、この母系の成長力は未知数……。一夏を越してどれほどの成長があるのかはポイントでしょう。

 

予想

今年の紫苑Sはなかなかに難解です。難しいのは「どの馬が好走するのか?」というよりも、リスクに見合うオッズの馬が少ないこと……。とりあえず、軸とする馬を選ぶために以下の2点から考えます。

1. 関西の有力馬

2. ノーザンファーム生産馬

この2つのポイントである程度のメドが立つので、まずはこれらをチェックしておきましょう。

 

1. 関西の有力馬

2016年のヴィブロス、17年のディアドラとここ2年の紫苑Sは関西の有力馬が好走しています。この2頭はともに上位人気に推されていましたから、1〜3人気の関西馬は好走があります。

今年の関西馬のなかで、上位人気に推される可能性があるのはサラスとランドネの2頭。前者は6月の古馬混合1000万下を2着と好走し、3番人気内になることも考えられるので、チェックが必要な1頭です。

 

2. ノーザンファーム生産馬

昨年の紫苑Sを制したディアドラ、同3着のポールヴァンドルはともにノーザンファームの生産馬でした。ノーザンファームは3歳クラシックに抜群の強さを発揮するため、今年の紫苑Sもここから好走馬が出る可能性が高いと言えます。

ノーザンファーム生産馬

カレンシリエージョ

ノームコア

パイオニアバイオ

メサルティム

レッドベルローズ

ロサグラウカ

(50音順)

もっとも魅力があるのはレッドベルローズ。この馬については週中に展望記事を書いているので、よければそちらをご覧下さい。

上記6頭のなかで小回り向きでないのは、しなやかな差し脚を伝えるロゼカラー牝系のロサグラウカ1頭のみ。その他は中山コースへの適性は十分です。

ただ、人気薄で面白そうなのはエアレーション馬場の得意なハービンジャー産駒のカレンシリエージョ。GⅠ馬アドマイヤリードの半妹という良血馬だけあって、重賞でも格負けはしないでしょう。先行馬なので「差し馬場」にならなければ。

 

買いたい馬が……

ここまで書いても、どうもピンとくる人気薄の馬がいない今年の紫苑S。「買わない」というのが正解なのでしょうが、それだとつまらないので……。どうせ当たらないのなら、思い切って高配当を狙います。

 

◎ロサグラウカ 3歳牝馬

ロゼカラー牝系で、しなやかなストライドで走る馬。ベストは京都外回りコースだと思うものの、外差しのエアレーション馬場で一押しがあれば馬券内も。

500万下の水仙賞で2着に下したウラヌスチャームが今夏の1000万下で2着と好走していることから、ロサグラウカは1000万下クラスを勝つ力をもっているはずです。それであれば、紫苑Sは好走圏内。

ルーラーシップ産駒は一夏を越して成長することが多く、ノーザンファーム生産馬というのも大きなプラスです。長期休養から今春に復帰した石川裕紀人騎手としても、ここは力が入る1戦となります。

 

2着候補は?

マウレア、ノームコア、レッドベルローズ、サラスの上位人気4頭はそれぞれ不安があるものの、2着に来ても驚かない馬たちです。

このなかでズバッと切りたいのはルメール騎手を配したノームコア。フローラSはオークスで歯が立たなかったサトノワルキューレを物差しにするなら微妙なレベルですから、人気を背負うならバッサリと。同じくレッドベルローズも人気なら嫌いたいですが……。

マウレアは1枠を捌けるのかと成長力が最大のポイント。実績上位は認めるものの、中山コースだとどうしても「?」が付きます。というわけで、買ったとしても3着にマークします。

上位人気で買いたいのは関西馬のサラス。後ろからレースを進める馬なので、田辺騎手の捲り差しが届くかどうかがポイント。オルフェーヴル産駒としては好配合ですし、高速馬場になったときに時計が足りるなら。

 

人気薄なら

人気薄の2着候補はカレンシリエージョアヴィオールの2頭。前者は血統的にも筋が通っていますし、「ノーザンファーム生産+松山騎手」というのは魅力です。後者は不振の戸崎騎手が不安なものの、血統的な魅力と堀宣行厩舎というだけで拾います。

 

3着候補は?

2着候補のサラス、カレンシリエージョ、アヴィオールの3頭に加えて、人気からマウレアとレッドベルローズをピック。後は人気が薄いならランドネも。この辺りは当日の人気を見てですね。

 

買い目

ここは高配当を狙いたいので、ロサグラウカ1着付の3連単で。

 

3連単

1着:5

2着:4. 9. 12

3着:4. 9. 12. 1. 15. 8

計15点。最低配当が「5→4→1」の660倍ですから、楽しむには十分なもの。5→12だとびっくりするほどの高配当なので今からドキドキしますね。

 

まとめ

まずはこのレースでエアレーション馬場のコンディションをしっかりとチェックしておきたいところです。速い時計が出るのか、また、外差しが利くのかどうか……。いよいよ秋競馬が始まるということで、気持ちも新たに馬券を買います!

以上、お読みいただきありがとうございました。