Haloクロスで京都の坂を下るーー天皇賞・春(2017年)予想

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JRAの最長距離GⅠ天皇賞・春は、キタサンブラックが2枠3番、サトノダイヤモンドが8枠15番に入り、人気の2頭の明暗がはっきりと分かれました。

開催2週目に行われる天皇賞・春は芝の生え揃ったインコースを距離ロスなく走れる内枠が有利。枠順だけの比較で言えば、キタサンブラック>サトノダイヤモンドという図式になります。

枠順が確定した時点で、キタサンブラックの1番人気はほぼ間違いないと思いましたが、前日の前売りオッズ(22:00現在)ではサトノダイヤモンドの単勝が売れている状況。多くのメディアで取り上げられているように、過去10年1番人気は(0 - 0 - 1 - 9)、2番人気は(5 - 2 - 1 - 3)とジンクスに過ぎないとは言え、大きな差になっています。

サトノダイヤモンドにとっては枠順+人気の二重苦を背負っての天皇賞・春になるので、今まで以上のパフォーマンスを発揮できるのかが好走の条件になります。

 

キタサンブラックとサトノダイヤモンド

どちらが勝つのかを考える前に、この2頭がどのようなレースをするのかを予想しておきます。

 

キタサンブラック

'16シーズンから今年の初戦となった大阪杯まで、キタサンブラックと武豊騎手のコンビはほぼ同じようなレースの組み立てができています。コースも距離もメンバーも違うレースにおいて、「同じようなレースプラン」を組み立てられるのは人馬ともに総合的な能力が高い証拠です。

天皇賞・春も今まで通りのレースをすれば自然と結果はついてくるはずで、レースのペースを支配できるポジションを取り、3〜4角でペースを上げて残り4Fの持続戦に持ち込むことが「キタサンブラックと武豊騎手の天皇賞・春でのお仕事」となります。

 

サトノダイヤモンド

枠順から考えても道中はキタサンブラックよりも後ろの位置取りになってしまうことは致し方ありません。後はどのタイミングで前へと押し上げてロングスパート戦の形に持っていけるかどうかが最大のライバルを打ち負かせるかの鍵になります。

3〜4角からの持続戦ではキタサンブラックを後ろから差し切るにはかなりのスピード能力が必要で、道中の2頭の距離があまりにも開き過ぎている場合、物理的にサトノダイヤモンドが素晴らしい脚を使ったとしても届かないおそれが……。

サトノダイヤモンドは'15年の天皇賞・春のゴールドシップのような早めの仕掛けで自らの勝機を作り出せるのか?

う〜ん、池江寿調教師+ルメール騎手がキタサンブラックを早目にマークして、1周目のホームストレッチ、あるいはペースの緩む1〜2角から仕掛けるとは……。

ここがレースのキモになりますね。サトノダイヤモンドが「勝つため」の戦法については下記の記事でも書きましたので、参照して下さい。

 

hakusanten.hatenablog.jp

 

予想

それでは、張り切って天皇賞・春の予想を!

今年の天皇賞・春は何と言ってもキタサンブラックがレースのペースを支配できるのかどうかがもっとも注目の点です。

 

レース展開

スタートが切られ、内枠のラブラドライト、スピリッツミノル、タマモベストプレイが先行のポジションを取りに出して行き、キタサンブラックはそれらを見る形。大外枠のヤマカツライデンはロケットスタートを切っても1周目の3角までにハナに立てるかは微妙です。

キタサンブラックは他の馬が来なければハナに立ってもOKで、武豊騎手は1周目の3〜4角でごちゃつかないようなスムーズなレースをするために内ラチをぴったり回るようなことはないと思います。

ホームストレッチで、ラブラドライトかタマモベストプレイが逃げているところを外からヤマカツライデンがハナを奪い返すように上がってきます。(ここで、ヤマカツライデンが上がって来ないようだと全体の流れはスローで、キタサンブラックにとっては有利な流れ)

天皇賞・春のレース展開でもっとも大切なのは向正面の3角手前に待ち受ける上り坂です。ビートブラックにしてもイングランディーレにしても、前に行って逃げ切った馬はこの上り坂のところで後続とのリードを広げにかかっています。このレースをヤマカツライデンができるのかどうか?  もし、この上り坂でペースが上がるようだとキタサンブラックも少し苦しくなるはずです。

上り坂でペースが上がらないようであれば、馬群に包まれていないかぎり、3〜4角からキタサンブラックが仕掛け始めて、いつものレースに持ち込みます。

 

◎シュヴァルグラン

今年のメンバーを見てももてるスタミナはNO.1。ハーツクライ産駒は上りの速い京都のGⅠレースは2着はあってもまだ勝利がありません。昨年の天皇賞・春はハーツクライ産駒のカレンミロティックが最後の最後までキタサンブラックを追い詰めても2着まででした。今年も3〜4角からキタサンブラックが仕掛ける展開だと、シュヴァルグランがそれを上回る脚で差し切れるのかは微妙です。

ただ、サトノダイヤモンドと同じHaloのクロスをもつシュヴァルグランの最大の長所は素軽い捲りにあって、前走の阪神大賞典や昨年の有馬記念のように3角手前からペースを上げて福永騎手が腹をくくった捲りを打てるのであれば、キタサンブラックを打ち負かすチャンスも出て来ます。

展開のところでも書きましたが、キモは3角手前の上り坂でペースを上げてロングスパート戦に持ち込めるかどうか。本質的に中距離馬のキタサンブラックはロングスパート戦に持ち込まれると苦しく、この流れを演出できるのは大外枠に入ってしまったサトノダイヤモンドではなく、今年はシュヴァルグランにしかできないのではないか、と思うのです。

気性が穏やかで、操縦性が高く、鞍上の意のままに動ける長距離馬のシュヴァルグランであれば、福永騎手のここ1番の捲りが見られるはずで、もし、道中でキタサンブラックよりも前に位置するようなことがあればチャンスは大。

いや、福永騎手が牡馬のGⅠで「?」がつくのは分かります。でも、でもね、天皇賞・秋を完勝したジャスタウェイだって、レース前は「牡馬の福永は買いづらい」って皆さん言ってましたよね?

Haloクロスの素軽さで京都の坂をスムーズに下り、天皇賞・春を勝利へ!  舞台は整いました。

 

本来であれば、◯や▲を予想として打つのが普通なのですが、今回は1着に入る馬をシュヴァルグランに固定するので、後は2着に来る可能性のある馬、3着に来る可能性のある馬を探します。

 

2着

シュヴァルグランが勝つ展開であれば、少なくとも5Fからのロングスパート戦になっているために、有利になるのは長距離に適性をもつステイヤー。3000m超がドンと来いのタイプをピックアップ。

 

アルバート

スピリッツミノル

ファタモルガーナ

ラブラドライト

プロレタリアト

 

まず、内枠+前走がダイヤモンドSのアルバート、ラブラドライト、ファタモルガーナをケアします。血統的に見てスタミナが豊富な2頭スピリッツミノルとプロレタリアトをカバーして、シュヴァルグランがロングスパート戦に持ち込んだときに突っ込んで来る馬はこれで全てカバー。

 

3着

当然、上記の5頭とキタサンブラック、サトノダイヤモンド、そして横山典騎手がロンスパ戦に持ち込んだ時のゴールドアクターを加えます。

 

買い目

先ずは馬単でシュヴァルグランから2着の5頭へ。

3連単は3着にキタサンブラックとサトノダイヤモンド、ゴールドアクターを置いたものだけを。

 

馬単

1着:6

2着:7. 4. 5. 2. 11

 

3連単

1着:6

2着:7. 4. 5. 2. 11

3着:3. 15. 12

 

他の有力馬について

他の有力馬について簡単に解説をしておきます。取り上げるのはシャケトラとゴールドアクターの2頭。

 

シャケトラ

最内枠に入り、田辺騎手が連続騎乗と上位の人気に支持されるのは間違いありません。シャケトラのウィークポイントは2つ。

1. 本質的に外回りコースよりも上りのかかるコースが得意

2. ロングスパート戦になったときのスタミナの問題

シャケトラは機動力に優れた馬で、前走の日経賞の勝ちっぷりを見ても本質的には小回り・内回り向きの馬です。GⅠクラスでなければもてるポテンシャルで外回りの斬れ味勝負でも問題はありませんが、ここまで相手が上がると適性の部分が大きく結果とリンクするはず。

天皇賞・春よりも宝塚記念がずんどばなタイプで、ロングスパート戦でスタミナを問われる流れになるのも有利とは言えません。

 

ゴールドアクター

横山典弘騎手がどのような騎乗をするのか?

ここがまずポイントです。もし、'15年のゴールドシップのようなレースをするのであれば勝機もありますが、そうするとスタミナの面で不安が残ります。本質的には京都の下り坂でスムーズにペースを上げられるかが? ただ、展開のところでも書きましたが3角手前の上り坂でペースアップを図れば可能性はあります。それでもシュヴァルグランに飲み込まれてしまうのではないかと思うので。スタミナの裏付けがあれば怖い1頭なのですが。残っても3着までだと。

 

まとめ

キタサンブラックを打ち負かすために、どの馬が仕掛けるのか?

サトノダイヤモンドの早仕掛けはあるのか?

見所がたっぷりの天皇賞・春になりました。シュヴァルグランの素晴らしい捲りを期待してレースを見守ります。

皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。

 

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