天皇賞・春(2017年)ーー2強に待った!をかけるのは?

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サトノダイヤモンドとキタサンブラックの2頭が「現役最強馬」をかけて争う天皇賞・春は4月30日に発走。有馬記念以来となる2強の対決に注目が集まります。

サトノダイヤモンドはGⅡ阪神大賞典を、キタサンブラックはGⅠ大阪杯を完勝してこの大一番に挑むことから、どちらが1番人気に押されるにしても、この2頭が3番人気以下を大きく引き離すオッズになるのは確実です。

 

どちらが鬼門の1番人気に押されるのか?

サトノダイヤモンド、キタサンブラックにとって天皇賞・春という大舞台を上位の人気で走るのは名誉なことです。ただし、ここ10年の結果を見ると1番人気は(0 - 0 - 1 - 9)と「鬼門」の結果に。この中には単勝1倍台に支持された'13年のオルフェーヴルの11着、'14年のゴールドシップの7着とずば抜けた競走能力をもった馬の凡走も含まれており、改めて淀の2マイルという長距離戦を1番人気で好走することの難しさが分かります。

天皇賞・春は1番人気にとって鬼門のレースですが、2番人気は過去10年で5勝となかなかの好相性を誇っており、1、2番人気のどちらになるかはかなり大きな違いに……。2強のどちらが1番人気に支持されるのかも注目ですね。

 

天皇賞・春は2桁人気馬が馬券になる?

1番人気の成績が芳しくなく、2桁人気馬が馬券に絡み波乱になりやすいと言われる天皇賞・春。この時期になると多くのメディアで「穴馬が馬券になる!」という特集が組まれます。でも、ちょっと待って下さい。

その2桁人気馬はどのように馬券に絡んでいるのでしょうか?

 

'07年エリモエクスパイア:2着(11人気)

'09年マイネルキッツ:1着(12人気)

'10年メイショウドンタク:3着(16人気)

'12年ビートブラック:1着(14人気)

'14年ホッコーブレーヴ:3着(12人気)

'15年カレンミロティック:3着(10人気)

'16年カレンミロティック:2着(13人気)

 

過去10年で7頭の2桁人気馬が3着以内に入線していますが、1〜3着を回数で表すと(2 - 2 - 3)。7分の3を占める3着はワイド、複勝、3連複、3連単の4通りの券種のどれかで当たりを手にすることになります。

で、ここからが本題。2桁人気馬をピックアップし、その馬が「3着」に入線したとして当たる券種は上記の4通り。配当の低いワイドと複勝を除くと、高配当を得るには3連単複の馬券を検討することになります。そうなると、1、2着になる2頭を拾えないと的中することができません。

例えば、今年のようにサトノダイヤモンドとキタサンブラックという馬券になる確率の高い馬が2頭いるレースでは、2桁人気馬+サトノダイヤモンド or キタサンブラックと2頭軸にすることで3連単複系の点数を絞ることはできます。とは言え、人気薄の3着まで想定すると点数が広がってしまうのは事実……。また、阪神大賞典でサトノダイヤモンドとシュヴァルグランを軸にした3連単複系のオッズがかなり厳しかったように、天皇賞・春でもサトノ+キタサン+人気薄はかなり渋いオッズになるはずです。

とすると、3連系よりも2桁人気馬の1着付け馬単の方が配当的に「買える」オッズになる可能性があります。もちろん、2けた人気の1着は過去10年で2回の発生ですからその分チャンスは低いわけですが……。

おそらく、多くの人がサトノダイヤモンドかキタサンブラックの1着から薄目を狙うはずで、こんな時こそ2桁人気馬の1着付けが想像以上の配当になることが考えられます。ですから、3着にちょろっと入りそうな馬よりも、この2頭を逆転できる人気薄を見つけることの方が効率的ではないでしょうか。

 

この2頭に「待った!」をかける馬は?

それでは、サトノダイヤモンドとキタサンブラックが負けるシーンというのはどのような状況でしょうか?

 

レースを作るのはキタサンブラック

出走予定メンバーを見ても、レースのペースを作るのはキタサンブラックが有力。前走のGⅠ大阪杯もそうでしたが、この馬は残り4Fのスパート戦になればまず崩れることはありません。また、京都の外回りコースでは3〜4角の下り坂をスムーズに走れるので、その点もプラスになります。

キタサンブラックを負かすためには、4Fの持続戦にならないようなレース展開にもち込むことが必要です。

 

レースを作るのが「あの騎手」なら……

キタサンブラックのイヤがるようなレースの展開を作ることができる馬や騎手はいるのでしょうか?

天皇賞・春に出走予定のなかで1人だけ「何をするのかゲートが開くまで分からない騎手」がいます。そう、'15年天皇賞・春、名騎乗でゴールドシップを勝利に導いた横山典騎手です。

横山典騎手はGⅠ馬ゴールドアクターで参戦。キタサンブラックとサトノダイヤモンドを封じ込めるためにどのような作戦をとるのでしょうか?

 

ゴールドアクターがレースを作る

キタサンブラックの得意な形=4Fからの持続戦にもち込ませないために、ゴールドアクターのとる作戦は「逃げ」の一手しかありません。

逃げといってもスローの瞬発力勝負では分が悪いので、2周目の向正面(残り1200m〜800m)の上り坂から少しずつペースを上げ、スタミナが問われる質のレースにもち込まなければなりません。

京都芝3200mはスタートしてすぐにコーナーが待ち構えているため、逃げ・先行馬にとっては内枠が有利。ゴールドアクターが内枠に入ればスタートから逃げの手に出られますが、もし外枠に入ってしまったらペースの緩むホームストレッチで一気に押し上げてハナを奪う必要があります。

横山典騎手がレースの流れを作りスタミナが問われるロングスパート戦に持ち込めれば、本質的にステイヤーではないサトノダイヤモンドとキタサンブラックには苦しい流れに。

 

ゴールドアクターがロングスパート戦に持ち込むと

ゴールドアクターがロングスパート戦に持ち込み、サトノとキタサンの人気馬が苦しくなる展開だとどのような馬が好走するのでしょうか?

参考になるのはゴールドシップの勝った'15年の天皇賞・春。レースは2周目の向正面で後方から猛然と捲ったゴールドシップと横山典騎手の仕掛けによって、3コーナー手前の上り坂からペースが流れてロングスパートの争いになりました。この流れだと3〜4角の下り坂でスピードに乗せて差してくるタイプよりもスタミナを振り絞ってバテない馬が強く、2着に入線したのは3400mの重賞ダイヤモンドSを連覇したステイヤーのフェイムゲーム。

'17年の天皇賞・春でフェイムゲームのようなスタミナを発揮できる馬は……

アルバート!

この馬はステイヤーズSを連覇し、今年はダイヤモンドSを制しているステイヤー。ただ、2桁人気にはなりそうもなく……。

まぁ、ゴールドアクター⇄アルバートの馬単ならそこそこな配当はつきそうですが……。

 

2桁人気で可能性があるのは?

ゴールドアクターが引っ張る流れだと、どの2桁人気の馬にチャンスがあるのでしょうか?

考えられるパターンは2つ。

 

1. ステイヤータイプの追い込み馬

2. ゴールドアクターの逃げについていく先行馬

 

1.のパターンからは、スピリッツミノル

スピリッツミノルは父ディープスカイ×母父ラムタラという血統で、速い脚には欠けますがとにかくスタミナが豊富な馬。抜群のスタミナを誇るKey to the Mintのクロスからも距離は伸びれば伸びるほどOKなタイプです。

前走の阪神大賞典では最内枠からのスタートで、道中は馬群に揉まれっぱなしでした。4角の手応えとしてはそのままずるずると後退しそうなところをじりじりと盛り返して5着に入線。一線級との対戦ではまだ力不足の印象があるものの、ステイヤーの血が呼び覚まされるような展開になれば無欲の追い込みで一発も……う〜ん、さすがに1着までは厳しそうですね。

 

2.のパターンからは、カレンミロティック

カレンミロティックは'15年の持続戦で3着、'16年は最後までキタサンブラックを追い詰める2着と好走しています。

ロングスパート戦でも結果を出しているように、内枠に入り上りのかかる流れになれば一昨年の再現も。この馬も9歳馬で、今年は休み明けでの参戦になるため2桁人気の可能性も十分あり得ます。

 

まとめ

2強がともに崩れることがあるとすれば、ステイヤーとしてのスタミナを問われるレース展開にならないと……。ゴールドシップが勝った年の天皇賞・春のようにロングスパート戦になればステイヤーの台頭があり得ます。

そして、その流れを演出できるのは出走メンバーを見渡してゴールドアクター+横山典騎手のコンビしかいません。

もちろん、サトノダイヤモンドとキタサンブラックが2頭とも崩れる展開になるのはかなり低い確率だとは思うので、高配当を狙うのならできるかぎり点数を絞りたいところですね。

 

今年の天皇賞・春、鬼門の1番人気はどちらの馬になるのか?

そして、1番人気が勝てないジンクスを打ち破れるのか?

 

以上、お読みいただきありがとうございました。

 

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