ヴィクトリアマイル(2018年)はスローペース+高速馬場を利したジュールポレールが初GⅠ制覇!

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4歳以上・牝馬のマイルチャンピオンを決める「ヴィクトリアマイル(東京芝1600m)」は、昨年の同レース3着のジュールポレールが直線で鋭く抜け出し、初GⅠ制覇を飾りました。出走メンバー最速となる上り3F32.9で追い込んだ1人気リスグラシューが2着、直線で先に抜け出していたレッドアヴァンセが3着に入線。勝ちタイムは1分32秒3(稍重)。

 

雨の影響が大きく、今年もスロー

今年のヴィクトリアマイルは雨の影響を受け、昨年と同じく稍重のコンディションでレースが行われました。ただ、雨の降り出しが遅かったことと、もともとがかなりの高速馬場だったことから、速い時計での決着。

前後半800mが46.8 - 45.5と1.3秒の後傾ラップとなり、スローペースから速い脚を使える馬が上位を独占する結果に。昨年との違いはレース全体が11秒台で流れたことでしょう。

2018年のラップ

12.4 - 11.3 - 11.5 - 11.6 - 11.5 - 11.1 - 11.2 - 11.7

前後半800m:46.8 - 45.5

昨年は各馬が荒れた内ラチを避けていたこと、コーナーで12秒台のラップが2つ入ることなどから、道中でポジションを押し上げられた馬が上位にきました。それに対して、11秒台が続くラップとなった今年は、前半で「好位のイン」をロスなく取り切れた馬が有利なレースだったと言えます。

「スロー+好位のポジション」とすべての流れが噛み合ったジュールポレールに、大外枠から外目を追走して最後まで詰め寄ったリスグラシューは素晴らしいの一言。もちろん、中距離馬のリスグラシューにとって、前半800m46.8はほぼベストのペースでしたが、それでもこれだけの脚を使えるのですから、メンバー的に力が1枚上だったのでしょう。

 

雨が降ったことの影響は?

雨が降っても「時計がかかる」ようなことはなく、前日と大きく変わらない高速馬場。ただ、大粒の雨がレース中にも降っていたことにより、騎手の心理的に「前半を抑え気味に入る」意識が働いてしまったと考えられます。後半800mが45.5とかなり速いタイムで走破しており、この馬場コンディションからすると前半46.8は数字以上にゆったりとしたペースでした。

しなやかなキレ味が身上のディープインパクト産駒が1・3着と、スロー+高速馬場向きの馬が上位に入線。馬場コンディションとしてはほぼ降雨の影響はありませんでした。持続的な末脚を武器とするハーツクライ産駒のリスグラシューにとっては、もう少し時計のかかる決着になれば差し切れていたのかもしれませんね。

 

ジュールポレール 5歳牝馬

父:ディープインパクト

母:サマーナイトシティ(母父エリシオ)

厩舎:西園正都(栗東)

生産:社台コーポレーション白老ファーム

マイルCSを制したサダムパテックの4分の3妹で、しなやかなキレ味が最大の武器。中山などの小回りコースでも好走歴があるものの、ベストは直線の長いコースです。ジュールポレールは牝馬とあって、兄よりも一瞬のキレに優れたタイプ。スローペースで強いのも、この加速力によるものだと言えます。

昨年は10秒台のキレ味を問われるレースでしたが、今回は11秒台がずっと続くラップとあって、バキューンと弾ける脚を使えるこの馬にはベストの流れ。もともと牝馬限定の重賞はスローペースになることが多く、マイル前後であれば今後も大きく崩れることはなさそうです。

 

2〜5着馬について

2着のリスグラシューは上り32.9の脚を使えたことがまず驚き……。この馬は全体に筋肉が付いていて、ここにきて適距離が1800mベストにシフトしているのかもしれません。先にも書いたように、前半800m46.8はピュアマイラーではないリスグラシューにとってほぼベストの流れでした。ジュールポレールを差し切ることができなかったのは、馬場が速すぎたことによるものでしょう。

3着のレッドアヴァンセはいかにもエリモピクシー仔らしい走り。パトロールビデオを見ても、北村友一騎手がスタンとしてから外目へ馬を誘導しており、ここで外から被されなかったのが好走の要因。GⅠ級の能力があるものの、勝ち切れないのがこの牝系の特徴。今後も東京マイルでは注目したい1頭です。

4着アエロリットはゴール前でレッドアヴァンセとの差を詰めているだけに、このスローペースだとキレ負けしてしまいました。気難しい馬だけに、折り合いを気にしながらの騎乗だと考えれば、テン乗りの戸崎騎手は最低限の仕事をしたと言えます。「タラレバ」になってしまいますが、もう少し前半のペースが速ければ、上位の着順だったかもしれませんね。

5着ミスパンテールはスタートから出していけず、すぐ前にいたレッツゴードンキが下がってきたところで、ポジションが悪くなってしまったのは……。ビュンと加速できる馬ではないので、このペースであればレッドアヴァンセの位置が欲しかったですね。スムーズさを欠いたとは言え、この流れでの5着は納得。

 

2年連続でスローペースだから

ヴィクトリアマイルはここ2年続けてスローペースとなりました。そのため、大波乱となった2015年のような、1400mベストの馬が好走する質のレースにはならず……。もともと、牝馬限定重賞はスローペースになる確率が高く、そのようなレースに各馬が慣れきっているため、平均〜ややハイになりやすいヴィクトリアマイル は波乱になることがあります。

ミナレットのような1400mベストの人気薄が好走するには、前後半800mが45.5 - 46.5くらいのハイペースにならこと、そして高速馬場になっていることが条件です。これらの馬は意識的に狙わないと取らないので、来年も懲りずに……。2年連続でスローペースとなりましたから、来年は前半800mが45秒台になるかもしれませんね。

 

まとめ

ヴィクトリアマイルの馬券はズバーンと外れたものの、前後半800mが46.8 - 45.5のラップとすれば、順当な結果だったと言えます。アエロリットやレーヌミノルなどの先行馬がキッチリと前々につけたとことで、3〜4コーナーで12秒台のラップが入らず、はっきりとしたスローペースを好むアドマイヤリードは好走できませんでした。

ヴィクトリアマイルは馬場とペースによって、ガラリと結果が変わるので、その意味では予想するのも楽しいGⅠだと言えます。来年こそは高配当が取れると願って……。皆さまにとっても素晴らしいレースになったでしょうか?

以上、お読みいただきありがとうございました。