重馬場になるのか? 東京スポーツ杯(2017年)とその他レースの注目馬をザックリとピックアップ!

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11月18日(土)のJRAは、東京競馬場で2歳重賞「東京スポーツ杯2歳S(GⅢ・芝1800m)」が行なわれる他、京都メインはOPアンドロメダS(芝2000m)、福島のメインは1000万下フルーツラインC(芝2600m)が組まれています。

「大物」と評されるワグネリアンとモーリスの全弟ルーカスが出走する東京スポーツ杯2歳Sは、7頭立ての少頭数とあって馬券よりも「観戦」に重きを置きたいレース。

ただ、その他のレースでは楽しみな馬も何頭か出走するため、それらをピックアップしてご紹介します。馬券の一助になれば幸いです。

 

東京、京都、福島のレースをピックアップ

11月18日(土)のJRAは東京、京都、福島の3場開催。特別戦を中心に「単勝の期待がもてる馬」と「3着以内の期待がもてる人気薄の馬」を、それぞれピックアップします。

 

東京競馬場

東京競馬場は7〜12Rの内、障害戦(8Rの秋陽ジャンプS)を除く5レースから注目馬をピックアップ!

 

7R 2歳500万下 芝1400m

いや〜ん、重賞を走ってきた馬から新馬・未勝利を勝ち上がってきた馬が揃い、7Rはカオスな雰囲気が漂っています。難しいので、ここは単勝だけを。

先週の東京の芝コースは全体的に時計の速い決着が目立ちました。また、内外の伸びはイーブンなため、スローならインが優勢、ペースが流れると外差しもOKという馬場。

ただ、土曜日は雨の予報が出ており、どこかのタイミングで外差しに振れるかもしれません。

単勝

マイネルキャドー 2歳牡馬

厩舎:矢野英一(美浦)

父ディープブリランテ×母父Cadeaux Genereuxですから、中距離×スプリンターの配合。父の産駒は2歳の早期から動けますが、そのほとんどは母父にマイラー・スプリンターが入り、小気味よく先行したときに好走します。

マイネルキャドーは勝ち上がった未勝利戦の内容を見ると、母系に入るSharpen Upと名牝Specialの前向きさが出た先行力が魅力の馬。

父譲りの小気味の良いピッチ走法で、本質的には東京向きではないものの、この時期の2歳戦であればペースはスローがデフォルトですから、俊敏な加速で抜け出せるはずです。

 

東京9R 伊勢佐木特別 3歳以上1000万下 ダート2100m

逃げ馬がマジカルスペルとサンホッブズの2頭。後は差し〜追い込みの馬がズラリと揃い、ペースは落ち着きそうですね。このレースは単勝まではどうかも、3着内なら期待したい馬が1頭いるのでピックアップ。

注目馬

サハラファイター 4歳牡馬

厩舎:山内研二(栗東)

昨年の伊勢佐木特別で現級を勝っており、力量としては上位の馬。前走12着の大敗が不可解なものの、長距離輸送で馬体が絞れれば……。

父ロージズインメイ×母父ネオユニヴァースで、Halo4×4のクロスがあるため、3〜4コーナーからスピードを上げるレースが合います。父に似た胴長の馬体で、2100mの距離もOKですし、ストライドが伸びるので直線の長い東京コースも苦にしません。

体調さえ整っていればこのクラスで勝ち負けできる馬。脚抜きの良い馬場も得意ですから、外枠から積極的に好位の直後のポジションを取れるならチャンスも。

 

東京10RユートピアS 3歳以上1600万下牝馬限定 芝1600m

実力のある牝馬が揃い、ハイレベルな1戦。名牝エリモピクシーの仔レッドアヴァンセと名牝系バルドウィナ出身のワントゥワン、牡馬相手の1600万下で好勝負を続けるミエノサクシードなど、素晴らしいメンバーが揃いましたね。

レッドアヴァンセもワントゥワンも重賞級の素材ですが、揉まれ弱さがネック。2頭ともに乗り替わりというのは不安が先立ちます。

単勝

フロンテアクイーン 4歳牝馬

厩舎:国枝栄(美浦)

この馬を推すポイントは2つ。1つは東京コースであれば、スローからの瞬発力勝負がベターなこと。もう1つは、揉まれ弱い馬ではないので、最内枠はプラスなこと。

レッドアヴァンセが内枠でレースの組み立てが苦しくなることを考えると、フロンテアクイーンは中団のインを取れる組み合わせ。牝馬同士であれば、俊敏な加速は重賞級のものがあり、このメンバーでも。ただ、雨は微妙……。

注目馬

エスティタート 4歳牝馬

厩舎:松永幹夫(栗東)

1600mの距離はやや微妙ですが、雨が降るなら母スキッフル譲りの重厚なストライドが映えるシーンも十分。松永幹夫厩舎+蛯名騎手というのは久しぶりに見る組み合わせ。人気がないようなら狙いたい1頭ですが、「スキッフル産駒=重馬場巧者」というのはよく知られていることなので……。

 

東京11R 東京スポーツ杯2歳S GⅢ 芝1800m

ワグネリアンについては、血統やこれまでのレースぶりを詳しく解説していますので、よければそちらをご覧下さい。

馬券的には苦しいレースですね。

 

東京12R 3歳以上1000万下 芝1400m

C・ルメール騎手+藤沢和雄厩舎のハウメアが1番人気に推されるレース。人気の馬が内枠に固まり、外からワイナルダム、中からマイネルディアベルの先行争いでペースはスロー。う〜ん、ハウメアとドーヴァーが内をさばけるのかに注目です。

注目馬

スカルバン 3歳牡馬

厩舎:武井亮(美浦)

タイキシャトル産駒としては重厚なストライドで走るのは、母系に入るRivermanの影響によるものでしょう。体高が高く脚が長いため、滑る馬場は「?」が付くものの、タフな馬場はOK。

人気の馬が内枠ですから、外からスムーズにスピードを上げるレースができれば。ここまでのレースぶりから、1000万下は突破できるだけの素質をもった馬です。 

マイネルディアベル 6歳牡馬

厩舎:土田稔(美浦)

「東京芝1400mで、スローになるならマイネルディアベル」という格言があるように、時計の速い芝+上り3F34.0あたりでまとめられるスローペースになるなら、残り目も。「雨は割引」と書こうとしたら、明日は雨の予報……。注目馬として挙げておきますが、もし、時計のかかるコンディションになるようなら下げで。

 

京都競馬場

京都は9Rもちの木賞から12Rまでの4レースを取り上げます。

 

京都9Rもちの木賞 2歳500万下 ダート1800m

この時期の2歳ダートですから、短距離馬から中距離馬まで揃って、混戦のレースとなります。また、雨の予報が出ていることからも、脚抜きの良い馬場でもOKの馬をピックアップ。

単勝

ライジングドラゴン 2歳牡馬

厩舎:吉田直弘(栗東)

前走の新馬戦はスッと好位の外目に付けると、4コーナーから直線にかけての手応えも楽なまま。仕掛けられてからもしっかりと反応を見せており、基本的なスピードはもっています。

父カネヒキリは5代アウトブリードの配合なので、Roberto2×4と強いクロスをもつ母ゴッドビラブドミーとは好相性。自身はHail to ReasonとMr. Prospectorのクロスをもつので、スピードは十分にあります。ここは素質に期待して。

 

京都10R 修学院S 3歳以上1600万下 芝2000m

京都の芝は今週からCコースなので、どのような傾向になるのかはしっかりと確認しておきましょう。前日の段階では、イン+前目有利を想定します。

京都芝2000mは内回りコース。そのため、コーナーで俊敏に加速できる馬をピックアップしたいレースです。上位人気を見れば、プロフェットとハナズレジェンドは内回り向き、ヴァナヘイムは外回り向きの馬。

注目馬

フロリダパンサー 6歳牡馬

厩舎:宮本博(栗東)

休み明けはあまり走らない馬なので、そこさえクリアできれば。京都内回りと中京コースに出てくると、いつも馬券の軸にしたくなる馬。父シンボリクリスエス×母父サンデーサイレンスですから、Hail to Reasonのクロスをもつことになり、内回り向きの機動力は抜群です。コーナーをスムーズに加速できるため、スっと逃げられるなら。

京都芝2000mでは1600万下でも上位人気になるリッチーリッチーを負かせる馬ですから、とにかく仕上がってあればチャンスも。時計のかかる馬場は苦にしないので、重馬場はOK。

ジャズファンク 5歳牡馬

厩舎:角田晃一(栗東)

内回りコースを俊敏に捲れるハービンジャー産駒で、少頭数の最内枠に入ったここはチャンスも十分。ただ、馬場が悪くなりすぎるとダメなので、雨次第ですね。

 

京都11R アンドロメダS OP 芝2000m

今年のアンドロメダSは、上位の人気馬が時計の速いレースでパフォーマンスを上げるタイプが揃い、重巧者のキョウヘイはコーナー4つのコースに不安があり、「う〜ん」と首をひねりたくなる1戦。でも、魅力的な人気薄もいないというのが困ったものです。

注目馬

スズカルパン 8歳牡馬

厩舎:西橋豊治

人気薄にもかかわらず、いつもわずかな着差で4〜6着あたりにまとめているのは、良さそうに見えるけれど、この手の馬は1着を取れないのがマイナス。

格上挑戦となるものの、重馬場+内枠を利して、馬券圏内に突入できれば……。ウインフルブルームとゲッカコウの先行争いであれば、ペースが遅くなり、好位のインという絶好のポジションが取れます。その点に期待ですね。

フェイマスエンド 6歳牡馬

厩舎:鮫島一歩(栗東)

重馬場はマイナス。また、ストロングタイタン、ブラックバゴとシルクの馬が他に2頭出ているのが……とは言え、この馬も能力はオープン級なので、人気がこれだけ薄ければ妙味は十分です。

京都コースを得意としていますし、休み明けはそれほど苦にしない気性のもち主。前走から松山騎手が継続騎乗というのもプラスですし、芝が重くならないなら。

 

京都12R 3歳以上1000万下 芝1400m

短距離戦にもかかわらず、逃げ・先行馬の少ない組み合わせ。この時点でどのような馬場状態になっているのかはわからないものの、イン有利だとしたら、内は渋滞する可能性も……。

人気の馬が内目に固まったので、もしかしたら、外からスムーズに走る馬がバキューンと突き抜けるシーンも描けますね。

注目馬

シンダーズ 5歳牝馬

厩舎:荒川義之(栗東)

シュタルケ騎手であれば、いつもより前目+インのポジションにこだわるでしょう。もし、この時点でインコースが生きているなら、この馬の差し脚に期待します。父パイロ×母父Gone Westですから、直線が平坦の京都の外回りはこの馬にはベストの条件です。

内が死んでいたら仕方ないと諦めましょう。もう少しオッズが下がるならベター。内が渋滞して外から……というタイプなら、キッズライトオンでしょうが、オッズ的にどうかなと。

 

福島競馬場

福島は11と12Rの2つを取り上げます。先週から外差し優勢になっており、3コーナーからスピードを上げて捲れる馬をピック。

 

福島11RフルーツラインC 3歳以上1000万下 芝2600m

先行馬がズラリと揃い、いかにも外差しが利きそうなメンバー構成。ただ、2600mの距離だとどうしても3コーナーからペースが上がるので、そこをスムーズに前へと押し上げられるのかがポイントになります。

注目馬

ロックキャンディ 5歳牝馬

厩舎:根本康広(美浦)

昨年の当レースの4着馬。後方からジワリと脚を使うタイプで、とにかく展開待ちの馬です。今回は1人気に推されるステイブラビッシモが外から捲る展開になるので、さらに外から脚を伸ばせる馬をピックしたいところ。

ハーツクライ産駒のロックキャンディは2400m以上の距離であれば芝とダートを問わないので、先行馬が揃った今回はチャンスも。原田和馬騎手は、昨年4着時に騎乗しており、同じようなレースをしてくれればOK。ただ、1着まで突き抜けるとは思えないので……。

タケルラムセス 5歳牡馬

田村康仁(美浦)

4枠に入ったので、中団のインで脚を溜めるようなレースになるでしょう。問題は、3〜4コーナーにかけて先行馬が苦しくなり下がってくるのを巧くさばけるかどうかと、タイミング良く外へ進路を取れるのかどうかです。福島コースの勝浦騎手だとインへ突っ込みそうなのがイヤで、そこだけが不安。

小回り+長距離がベストで、このクラスなら展開さえ向けばいつでも好走できる馬です。前走から少し間隔が空いている分だけ人気が下がっているものの、このメンバーであればチャンスも十分に。

 

福島12R 高湯温泉特別 3歳以上500万下 芝2000m

大外枠に入ったキラージョーがどうような「逃げ」を打つのか、そしてウォーブルがどのタイミングで「捲る」のかがレースの鍵を握りますね。

注目馬

レッドカイザー 6歳騸馬

厩舎:寺島良(栗東)

戦績から罠っぽいなとは思うものの、前走のようなレースができれば今度は馬券圏内に突入も。前走は秋山騎手、今走は石橋脩騎手を確保していることから、このレースへの準備は万端です。父ゼンノロブロイ×母父Selkirkなので小回りを捲るレースが向いています。

ウォーブルが捲り上げたときに全体のペースが上がるので、そこで遅れずに付いていくことができればチャンスも。後は、本当にこのオッズのままなのかというところですね。

プレイヤーサムソン 4歳牡馬

厩舎:大和田成(美浦)

11Rのタケノラムセスと同じように、こちらも勝浦騎手。3〜4コーナーでスムーズに外へ出せればチャンスも。今夏の北海道戦は着差の少ないレースをしていたことから、このクラスの小回りコースであれば力は見劣りません。

今走は休み明けの1戦となりますが、間隔の空くレースはそれほど苦にしないので、好走できるのかは展開次第でしょう。

 

まとめ

東京、京都、福島のレースをざっと見ましたが、土曜日はなかなか面白いレースが揃いました。マイルCSに向けて、雨がどれほど降るのかもしっかりとチェックしておきたいですね。

当日に気になったことがあれば、コメント欄に書き込みます。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。