12月16日(日)、2歳のマイル・チャンピオンを決める朝日杯FS(GⅠ・阪神芝1600m)には、「大器」と称される牝馬グランアレグリアが牡馬に混じって出走します。
対する牡馬勢からはデビューから3連勝でデイリー杯2歳Sを制したアドマイヤマーズ、同じく3連勝で小倉2歳Sと京王杯2歳Sを制したファンタジストが出走。このレースを1着でゴールするのはどの馬なのでしょうか?
今秋のGⅠはノーザンファーム生産馬
今秋、JRAのGⅠはこれまでに9レース行われ、短距離のスプリンターズSとダートのチャンピオンズCを除くと、すべてノーザンファーム生産馬が制しています。
▼2018年・秋のGⅠ
スプリンターズS:ファインニードル
秋華賞:アーモンドアイ
菊花賞:フィエールマン
天皇賞・秋:レイデオロ
エリザベス女王杯:リスグラシュー
マイルCS:ステルヴィオ
ジャパンカップ:アーモンドアイ
チャンピオンズC:ルヴァンスレーヴ
阪神JF:ダノンファンタジー
1600m以上の芝GⅠは「ノーザンファーム」の文字ばかりが並び、「権藤、権藤、雨、権藤」状態です。もう、手が付けられませんね。
今秋のGⅠにおけるトレンド
今秋のGⅠにおけるトレンドは以下の通りです。
1. ノーザンファーム生産馬
2. C・ルメール騎手(or 外国人騎手)
3. 関東馬
1〜3がすべて揃うと、菊花賞を制したフィエールマンのように5人気以内の支持を受けてなくとも好走してしまいます。ノーザンファームが騎手をどのように配置するのかは、今秋のGⅠを予想する上で大切なファクターと言えるでしょう。
残るGⅠもこのトレンドが続くのか?
朝日杯FSのグランアレグリア、有馬記念のレイデオロはこのトレンドにピッタリと当てはまる組み合わせです。う〜ん、2レースともノーザンファームがサクッと勝ってしまいそうですが……。
もちろん、昨年の天皇賞・秋と有馬記念を制したキタサンブラックや朝日杯FSを制したダノンプレミアム級の馬であれば、非ノーザンファーム生産馬であっても、GⅠレースを勝つことはできます。
反対に、その2頭ほどに能力がずば抜けた(その時点において)馬でないと、「非ノーザンファーム+日本人騎手」がGⅠを制するのはかなり難しいと言えるでしょう。
ノーザンファーム生産馬は?
朝日杯FSに出走するノーザンファーム生産馬は以下の3頭。
グランアレグリア C・ルメール騎手
アドマイヤマーズ M・デムーロ騎手
ケイデンスコール C・デムーロ騎手
すべて外国人騎手を手配しましたね。先にも述べたように、今秋のトレンドにピッタリと当てはまるのは、C・ルメール騎手+藤沢和雄厩舎のグランアレグリアです。騎手の配置からも、ノーザンファームの本命はこの馬なのでしょう。
関西の名門・友道康夫厩舎のアドマイヤマーズはM・デムーロ騎手でレースに臨みます。M・デムーロ騎手が新馬戦から手綱を取っており、グランアレグリアに不測の事態があったとしたら、勝つのはこの馬になりますね。
ケイデンスコールを管理する安田隆行厩舎は、ノーザンファーム生産馬に北村友一騎手を乗せるのがデフォルト。ここでC・デムーロ騎手を配したのはプラスも、グランアレグリアとアドマイヤマーズを逆転できるのかは微妙なラインです。
2枠2番のグランアレグリアは不安?
グランアレグリアは2枠2番からのスタート。母父Tapitは気難しいWild Riskの血を引き、かかるほどの前進気勢と出遅れ癖を伝えます。
Wild Riskの気難しさ
フェブラリーSを制したTapit産駒のテスタマッタは騎手が抑えるのを苦労するほどでした。また、Tapitと同じくUnbridled経由でWild Riskを引く種牡馬のエンパイアメーカーは、「出遅れ癖」のある産駒を多く出しています。
Wild Riskは気性的に外から被されるのをイヤがるため、外枠からスムーズなレースをするのがベストです。7・8枠に入ったエンパイアメーカー産駒の好走率が高いのは、出遅れ癖と揉まれ弱さをカバーできるからでしょう。
Tapit産駒は揉まれ弱い?
Tapitは北米のリーディングサイアー。日本に輸入された産駒としては、テスタマッタとラビットランが重賞を制しています。
テスタマッタはかかる気性をコントロールできれば、弾ける末脚を使った馬で、馬群そのものを苦にはしませんでした。現役のラビットランは内枠からのレースとなった秋華賞とJBCレディスクラシックの内容から、馬群に揉まれてもOKのタイプです。
Wild Riskは「ガァー」と一息に走ってしまう気性を子孫に伝えます。ただ、それが揉まれ弱さとイコールになるかは個々の馬の資質によるところが大きいと言えるでしょう。Vaguely NobleやAureoleのように、外から被されると力を発揮できない血ではありません。
グランアレグリアは?
グランアレグリアは母父Tapitの影響からか、スタートの拙さとかかる気性を受け継いでいます。とは言え、この馬が揉まれ弱いのか如何かはこれだけで判断することができません。
C・ルメール騎手をもってしても折り合いに苦労するのは、グランアレグリアの搭載しているエンジンが抜きん出ているからでしょう。この気性をコントロールすることができるなら、2枠にそれほど不安はありません。
予想
朝日杯FSの1着候補はグランアレグリアとアドマイヤマーズの2択です。ダノンプレミアム級の馬がいるなら、非ノーザンファーム生産馬からの選択でもOKですが、そのレベルの能力をチラッとでも発揮した馬は見当たりません。
グランアレグリアとアドマイヤマーズ
この2頭については、週中の記事で詳しく解説しているので、よければ以下をご覧下さい。
2頭の比較にリソースを割くのは非効率的
さて、グランアレグリアとアドマイヤマーズの2頭をアレコレと細かく分析し、「1着グランアレグリア、2着アドマイヤマーズ! 朝日杯FSの着順を読み切ったぜ!」というのも予想する上では楽しそうです。
ただコレ、2頭のオッズの低さを考えると、この分析にリソースを割くのは非効率的と言えます。もちろん、労力に見合うオッズなのかどうかは人それぞれの判断とは言え、私としては2頭を細かく比較するよりも、他のレースを検討することに時間をかけたいですね。
馬券は2種類
1着グランアレグリアなら3連単を、1着アドマイヤマーズなら馬単、馬券はこの2種類を購入します。私は的中率が4%を切っているので、合成オッズが34倍以上でないとプラスになりません。それを踏まえると、この2点を買うのがベストです。
3連単の買い目は?
これはグランアレグリアが1着となるとパターンなので、2着はアドマイヤマーズでOK。3着にどの馬をマークするのかを考えます。
オッズが34倍以上のものを買うので、3着は自然と人気薄からの選択となるでしょう。候補は以下の2頭です。
クリノガウディー
アスターペガサス
(内枠から降順)
W・ビュイック騎手のエメラルファイトは人気に推されそうなこと、大外枠に入ったことから割り引くと、残るのはクリノガウディーとアスターペガサスの2頭。「スルッと3着」のシーンをイメージできるのは、福永祐一騎手の乗るアスターペガサス。中竹厩舎というのも悪くはありませんし、3着にマークするのはこの馬にします。
馬単の買い目は?
1着アドマイヤマーズなら、グランアレグリアに不測の事態が起こったときなので、2着には人気薄をマーク。おそらく、ファンタジスト、ケイデンスコールの2着付けでは馬単で34倍を超えないので、ここもアスターペガサスでOK。
朝日杯FSが阪神芝1600mで行われるようになってから、タワーオブロンドン、モンドキャンノ、シャドウアプローチ、アルマワイオリと1400mベストの馬が2・3着に1頭は入ります。この点からも、函館2歳Sを制したアスターペガサスにとってはプラスの材料です。
買い目
上にも述べたように、3連単は1着グランアレグリア→2着アドマイヤマーズ→3着アスターペガサス、馬単は1着アドマイヤマーズ→2着アスターペガサスを買います。この2点で払い戻しが10万円を超えるように金額を調整する予定です。
3連単
1着:2
2着:6
3着:3
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馬単
1着:6
2着:3
まとめ
今秋のGⅠは「ノーザンファーム生産馬+関東馬+外国人騎手」の活躍が目立ちます。朝日杯FSもこの組み合わせが上位人気となっているので、グランアレグリアがアッサリと勝ってしまうのかに注目です。
以上、お読みいただきありがとうございました。