JRAは中京、福島、函館の3場所開催となり、本格的に夏競馬がスタートします。その中京開幕週を飾るのはサマースプリントシリーズの第2戦・CBC賞(GⅢ・中京芝1200m)。過去の勝ち馬にはスプリンターズSを連覇したレッドファルクスなどがおり、注目度の高いレースです。
今年はダイメイフジ、ペイシャフェリシタ、アレスバローズと重賞未勝利の上がり馬と3歳馬アサクサゲンキが人気の中心になっています。「層が薄い」と言われるスプリント路線を引っ張る存在になるのはどの馬でしょうか?
CBC賞のポイント
中京競馬場は2012年にリニューアル・オープン(コース改修)→16年に暗渠排水材(水はけを良くする)の設置工事をしたことで、近年は芝コースが高速化しています。ここ2年のCBC賞は「逃げ・先行馬」が2・3着に残る結果となっており、前々で粘り込める馬はチェックしておきましょう。
ポイントは2つ
高速馬場となっているCBC賞のポイントは以下の2つ。
1. 逃げ・先行馬のチェック
2. ペース
逃げ・先行馬のチェックについては週中の記事にも書いたので、詳しくはそちらをご覧下さい。ここでは簡単に触れておきます。
逃げ・先行馬のチェック
今年のCBC賞は逃げ候補のアクティブミノルとワンスインナムーンの2頭を含めて、先行馬が揃った1戦です。逃げ・先行が想定されるのは以下の7頭。
▼逃げ
アクティブミノル
ワンスインナムーン
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▼先行馬
トウショウピスト
コウエイタケル
セカンドテーブル
ナリタスターワン
ペイシャフェリシタ
トウショウピストが逃げ候補の2頭よりも内の枠に入ったことで、鞍上の幸騎手は積極的にハナを主張するかもしれません。1400mベストのワンスインナムーンは1200m戦ならスローがベストなだけに、前が速くなりそうならすぐに控えるはずです。
現在の馬場状態を考えると、トウショウピストとアクティブミノルのどちらがハナを切るとしても前半3Fは33秒台が濃厚。CBC賞は前傾・後傾ラップを問わずに前が残るので、この2頭は注目しなければなりません。
2番手候補はコウエイタケル、セカンドテーブル、ナリタスターワンの3頭。どれが番手を取りきるのかは難しい……。枠の並びとしてはインに入りそうなコウエイとスタートの安定しないナリタは番手を取れるのかが微妙です。すんなりならセカンドテーブルでしょう。
ペース
暗渠排水材の設置工事後のCBC賞は、前傾と後傾ラップを問わずに逃げ・先行馬が馬券に絡んでいます。ただ、1着馬ははすべて上位人気の差し・追込みタイプです。また、1着馬のタイプはペースによって異なるので、そのチェックも欠かせません。
「しなやかさ」か「パワー」か
ここ2年のCBC賞の前後半3Fのラップと勝馬を見ると、ペースによる好走馬のタイプがわかります。
▼2016年
1着:レッドファルクス
勝ちタイム:1分7秒2(良)
前後半3F:33.8 - 33.4(0.4秒の後傾)
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▼2017年
1着:シャイニングレイ
勝ちタイム:1分8秒0(良)
前後半3F:33.2 - 34.8(1.5秒の前傾)
後傾ラップとなった2016年はしなやかスプリンターのレッドファルクス、前傾ラップの2017年はパワースプリンターのシャイニングレイがそれぞれ制しました。後傾だと「しなやかなキレ」、1.0秒以上の前傾だと「ゴリゴリのパワー」が優位になると言えるでしょう。
✳︎0.5秒以内の前傾ラップはほぼイープンペースなので、しなやかさのあるタイプでも好走の可能性があります
今年はどちらのペースか?
トウショウピストとアクティブミノルの枠の並びだと、前半3F33.5秒前後になる可能性が高く、前傾ラップになる可能性は「大」です。
33.5 - 34.5(1分8秒0)
→パワータイプ
33.5 - 34.0(1分7秒5)
→しなやか、パワーのどちらもOK
CBC賞当日の馬場がどこまで高速化するのかにもよりますが、0.5秒以内の前傾ラップであればしなやかさのあるタイプでも乗り切れます。ここは日曜日の馬場を見てから1着になるタイプを考えるのが妥当でしょう。まずは、上位人気の差し・追込み馬を確認しておきましょう。
▼上位人気の差し・追込み馬
アレスバローズ
ダイメイフジ
アサクサゲンキ
アサクサゲンキは前走で後方からの競馬をしているものの、もともとが先行馬です。武豊騎手がムリな先行争いに加わらないとすると、「差し」に回る可能性も高くなりました。そのため、ここでは差し・追込み馬として扱います。
これらの馬たちはしなやかさの勝ったタイプだけに、後傾ラップがベター。ダイメイフジとアサクサゲンキは血統からパワータイプをイメージできますが、どちらも柔らかいフットワークで走ります。となると、3頭ともに後傾ラップがベストと言えるでしょう。
予想
2つのポイントからCBC賞を予想するファクターは揃いました。後はそれをどのように馬券に落とし込んでいくのかです。
馬場とペース
現在の中京の芝は速い時計の出る馬場。CBC賞は1分7秒台の勝ちタイムが期待できます。前半3Fを33.5で入っても、上りを34.0前後でまとめられるでしょう。ペースはイーブン〜0.5秒以内の前傾ラップを想定します。
馬場:高速
ペース:イーブン〜0.5秒以内の前傾
勝ちタイム:1分7秒5(33.5 - 34.0)
1着馬は?
コースがリニューアルされた2012年以降、CBC賞の勝ち馬は1〜4人気の上位のみ。今年の該当馬は(31日14時現在)以下の4頭です。
ダイメイフジ
ペイシャフェリシタ
アサクサゲンキ
アクティブミノル
このなかで1.0秒以上の前傾ラップに向くのは、母系にGreen Desertを引くペイシャフェリシタ。母プレザントケイプは産駒にスピードとパワーを伝え、どのような種牡馬を配しても1400m前後を得意とするスプリンター(マイラー)を産んでいます。全姉のペイシャフェリスはOPまで出世した1400mベストのマイラー。姉妹ともに中山コースに良績があるように、パワーに優れたタイプです。
上りの速いイーブン〜後傾ラップになるようだとペイシャフェリシタは苦しく、今の馬場コンディションだとやや割引。また、大外枠に入ったので前目のポジションを取りきれるのかも不安が残ります。
ダイメイフジ 4歳牡馬
アクティブミノルは逃げ候補なので、1着馬としては相応しくありません。アサクサゲンキは不振の続く武豊騎手と大外枠がネック……。また、もともとは先行馬ですからバキューンとさせるのかどうか……。消極的ですが、残るのは1人気のダイメイフジとなります。
アレスバローズは当日に4人気まで上がれるのであれば、買い足したい1頭です。
2着馬は?
2着馬は2・3番手から抜け出せる先行馬。候補は以下の4頭です。
トウショウピスト
コウエイタケル
セカンドテーブル
ナリタスターワン
4頭ともに前傾ラップが得意な馬たち。その点に若干不安があるものの、どれかが残ってくれれば。期待しているのは人気薄のコウエイタケルとナリタスターワン。後者は高速馬場だと1発があるタイプなので、これだけ人気がないとワクワクしますね。
セカンドテーブルは単勝オッズが10倍を切る可能性もあり、当日の人気によっては買い目から外すことも……。高速馬場もベストとは言えないだけに、買うのが難しい1頭になります。
3着馬は?
3着にマークするのは逃げ馬。
トウショウピスト
アクティブミノル
ワンスインナムーン
1400mベストのワンスインナムーンはハナを切れるのかが微妙……。また、ダイメイフジを1着固定にしているので、この馬の単勝が10倍以下ならすっぱりと切ります。
買い目
3連単のみ購入。問題はアレスバローズの1着をマークするかどうか……。1着を2頭にしても点数は22点なので元は取れます。これは当日のオッズ次第ですね。
3連単
1着:12(8)
2着:2. 4. 9. 13
3着:2. 6. 15
このなかで、当日に10万円以下の配当になるものは買いません。ダイメイフジ→セカンドテーブル→アクティブミノルの組み合わせは人気になりそうですね……。
まとめ
今年のCBC賞は2016年と同じ高速馬場でのレースとなりそうです。土曜日は外差しがバンバンと決まっていたので、日曜日こそ逃げ・先行馬の活躍を期待します。
以上。お読みいただきありがとうございました。