7月の中京開催は「逃げ・先行天国」な高速馬場に?ーーCBC賞(2018年)の注目馬2頭をご紹介!

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春のグランプリ宝塚記念が終わるとJRAは函館・福島・中京の3場開催となり、いよいよ本格的に「夏競馬!」のシーズンが到来します。

GⅠ高松宮記念から3ヶ月ぶりの開催となる中京は、開幕週らしい絶好の馬場コンディションでのレースになるのかと思いきや、天気予報では水〜土曜日まで雨のマークが付きました。

ただ、中京競馬場は芝コースの排水性を高めるため、昨年の夏に「暗渠排水材」の設置をしており、雨がふり続かなければ極端な道悪にはなりません。降り続く雨がどれほど馬場に影響を与えるのかは、土曜日のレースをしっかりとチェックすることが大切です。

 

開幕週の中京芝は「逃げ・先行」が有利?

開幕週の中京競馬場の芝はコースリニューアル直後に較べて時計が速く、逃げ・先行馬が有利な馬場コンディションが目立ちます。

2016年7月の開幕週は、2歳戦と3歳未勝利戦を除くと芝のレースが6鞍行われ、逃げた馬が(3 - 0 - 2 - 1)という好成績。それに対して、雨の影響があった2017年は(0 - 0 - 2 - 4)となりました。

昨年の中京の開幕週に行われた、2歳戦と3歳未勝利戦を除く芝レースの6鞍を簡単に振り返ってみましょう。

2017年の3回中京開催

7月1日(土)

9R 御在所特別

3歳以上500万下

芝1600m

逃げ馬:ジャコマル→6着

勝ちタイム:1分33秒9(稍重)

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10R 知多特別

3歳以上1000万下

芝1400m

逃げ馬:オルレアンローズ→4着

勝ちタイム:1分20秒6(稍重)

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12R

3歳以上500万下

芝2000m

逃げ馬:メイショウタチマチ→3着

勝ちタイム:2分1秒2(稍重)

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7月2日(日)

8R

3歳以上500万下

芝1200m

逃げ馬:ハルマッタン→5着

勝ちタイム:1分9秒1(良)

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9R 木曽川特別

3歳以上1000万下

芝2200m

逃げ馬:デンコウインパルス→6着

勝ちタイム:2分13秒1(良)

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11R CBC賞

GⅢ

芝1200m

逃げ馬:アクティブミノル→3着

勝ちタイム:1分8秒0(良)

逃げ馬は3着2回とソコソコに健闘しました。2016年ほどの成績ではなかったものの、時計が速かったこともあったのか、全6頭が6着までに粘っています。「パンパンの良+高速馬場」であれば、さらに前々有利になったのでしょう。

 

CBC賞は人気薄の逃げ・先行馬が好走

7月中京開催の開幕週に行われる、サマースプリントシリーズの第2戦・CBC賞は過去2年、逃げ・先行馬が2・3着に粘り込むレースが続いています。その2つのレースを振り返ってみましょう。

2016年

1着:レッドファルクス(3人気)

2着:ラヴァーズポイント7人気

3着:ベルカント(2人気)

勝ちタイム:1分7秒2(良)

3連単の配当:136,160円

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2017年

1着:シャイニングレイ(2人気)

2着:セカンドテーブル13人気

3着:アクティブミノル(8人気)

勝ちタイム:1分8秒0(良)

3連単の配当:417,490円

逃げたベルカントアクティブミノルは3着、2番手を進んだラヴァーズポイントセカンドテーブルは2着に入線しており、前が残る傾向となっています。また、どちらも2着に人気薄が飛び込んだことで、3連単は高配当に。

CBC賞は逃げ馬だけではなく、スムーズに先行できる人気薄の馬をしっかりとチョイスできるかが高配当ゲットのポイント。う〜ん、こんなことを書くと、雨の影響で中京の馬場が外差しになりそうで怖いですね……。

 

CBC賞の注目馬は?

CBC賞は時計の速い馬場であれば、2桁人気の先行馬を探せばOK。こんな「ラクチン!」な方法でピックアップできる馬がいるのでしょうか?

コウエイタケル

トウショウピスト

CBC賞の出走予定馬を眺めていると、条件にマッチしそうな馬が「い、い、いたー!」。トウショウピストは穴人気になる匂いもするものの、コウエイタケルはまず2桁人気になるはずです。後は2頭のどちらかが2番手のポジションを取り切れるのかどうかにかかっています。

 

コウエイタケル 7歳牡馬

父:ステイゴールド

母:ケイアイエリザベス(母父フレンチデピュティ)

厩舎:山内研二(栗東)

人気薄の好走が大好きな競馬ファンにとって、コウエイタケルはかけがえのない「穴馬」です。3着内に入線したの全17回の平均人気は「6.59(小数点第3位を四捨五入)」。この数字からもいかに人気薄で好走しているのかがわかります。

7歳にして重賞初出走とあって、2桁の人気になるのは間違いありません。ただ、5走前にOPクラスへ上がってからの着順は7着→2着→6着→9着→5着と善戦しており、重賞実績のない高齢馬だからと侮れない1頭です。

 

血統

父ステイゴールド×母父フレンチデピュティはG今年の天皇賞・春を制したレインボーラインと同配合。ステイゴールド産駒は非力なタイプが多く、ノーザンテーストのもつパワーをONにすることで上級馬が出ます。

フレンチデピュティはNorthern Dancer系のなかでもっともパワータイプのVice Regentを祖父にもつため、しなやかなで非力なディープインパクトやステイゴールドと好相性の種牡馬です。

コウエイタケルはVice RegentのパワーをONにしたことで、1200〜1400mに向いたスプリンターとなりました。また、父系にPrincely Gift、母系にCaerleonを引くため、下り坂のある京都・阪神・小倉・中京コースを得意としています。

ダートを主戦場とした全兄セイカプリコーンは7歳時にCBC賞へ出走すると、17番人気ながら5着と好走。より芝向きなコウエイタケルであれば、兄以上の着順も期待できます。

 

トウショウピスト 6歳牡馬

父:ヨハネスブルグ

母:シーイズトウショウ(母父サクラバクシンオー)

厩舎:角田晃一(栗東)

1400mベストのスプリンター。「逃げ」か「2・3番手」でレースを進めないとアッサリと大敗してしまうタイプです。2桁着順が多く、あまり人気になることがないため、スンナリとハナを切れればアレヨアレヨもあります。

 

血統

母シーイズトウショウはスプリント重賞を5勝した活躍馬。祖母がダンディルート3×2と異系血脈の強いクロスをもつので、Northern Dancerの血で固められた父ヨハネスブルグとは好配合。

トウショウピスト自身はStorm Bird=ノーザンテースト4×4のニアリークロスとなり、母をよりパワータイプにしたスプリンターになりました。ビュンとキレるタイプではないだけに、ベストのコースは時計のかかる中京と阪神の1400mでしょう。

 

2頭がCBC賞を好走するには?

逃げ・先行馬はアクティブミノル、ワンスインナムーン、トウショウピスト、セカンドテーブル、コウエイタケル、ペイシャフェリシタと揃い、前半600mは速いペースとなる公算の高いメンバー。

コウエイタケルは1200mのレースだとポジションが後ろになってしまう傾向があるので、好位を取りきれるかがポイント。スムーズな先行策を取るために、枠は極端な内外でなければOKです。

トウショウピストは逃げてもOKのタイプ。中京は1600万下のレースで圧勝の経験があり、得意としているコースです。内で包まれるようだともち味が半減するので、こちらは中〜外枠がベター。

2頭ともに1400m寄りのスプリンターですから、1200m戦だと「イーブン〜後傾ラップ」が向いています。前傾ラップになったとしても1.0秒以内なら耐えられるはず……。ビュンビュン飛ばしたいのはアクティブミノルだけで、スタートの速いワンスインナムーンを上手くさばければチャンスです。

 

まとめ

2012年のコース改修後は「国内屈指のタフな芝」と呼ばれた中京競馬場。長い直線と時計のかかるタフな芝によって、馬場が荒れてくる(雨などによって)と外差しがバンバン決まるコースでした。

ただ、近年は中京の馬場も高速化し、以前よりも「内+前」有利な芝やコンディションになることもちらほら……。CBC賞はここ2年、速い馬場の後押しによって先行馬が健闘するレースになっており、今年の馬券も逃げ・先行馬を軸に考えたいですね。

サマースプリントシリーズの第2戦はどんな結末になるのでしょうか?

以上、お読みいただきありがとうございました。