豊明S、濃尾特別、茶臼山高原特別の中京3レースをドーンと予想('17年)

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7月1日(土)に福島と中京競馬場の開催がスタートし、夏競馬もこれからが本格的なシーズンとなります。

中京開幕週は、芝とダートのそれぞれではっきりと馬場の傾向が出ていました。週中に降った雨も金曜日には乾き、土曜日はどのような傾向になるのかに注目です。

今回の記事では7月8日(土)の中京競馬場・特別3レースを予想します。

 

7月1(土)、2日(日)の馬場傾向

6月30日の金曜日に59mmの降雨があった中京競馬場。土曜日は天気に恵まれたことから芝・ダートともに馬場が少しずつ乾いていくなかでのレースとなりました。開幕週の馬場傾向を振り返ってみましょう。

 

7月1日(土)

芝は重、ダートは不良の馬場コンディションでレースはスタートしました。

 

昨年の夏以降、芝コースに設置された「暗渠排水材」の効果が出たのか、「重」でスタートした馬場状態はお昼には稍重へと回復。

馬場の回復につれて時計も速くなったものの、芝は外差しの利くコンディションでした。

 

ダート

ダートは軽く、逃げ馬の成績が(3 - 1 - 0 - 1)と先行有利な馬場。午後に入るとこの傾向は顕著になり、道中の順位がそのまま着順になるほど前へ行かないとノーチャンスというレースに。

 

7月2日(日)

芝は良、ダートは稍重のスタート。

 

馬場は土曜日よりも乾いたものの、時計は少しかかるようになりました。2歳戦と3歳未勝利を除くと外差しの利く馬場という傾向は変わらず。

芝はワンテンポ仕掛けを待つ騎乗の多い福永騎手の差しがビシバシ決まることに。

 

ダート

逃げ・先行有利な馬場。ただ、土曜日ほど極端な傾向はなくなりました。

ダートは和田騎手が好成績。この週の馬場の傾向を読みきっていたかのような騎乗が光っていましたね。

 

9R 茶臼山高原特別 3歳以上500万下 芝2000m

先週の馬場傾向からすると、この頭数であれば福永騎手+ディープインパクト産駒+降級馬のパーシーズベスト(4歳牝馬)が人気上位のなかでは軸として最適な1頭。ただ、どうしても人気先行なタイプなので、その点は不安……。

 

レース展開

逃げるのは和田騎手のマルカブリスク。それを追って3歳馬の2頭、アウステルリッツとダイシンクイントが続き、外からレントラーも先行態勢を取ります。

人気のパーシーズベストは自然と後方へ下げて折り合いに専念する形に。

 

◎トレジャートローヴ 4歳牡馬

父:ハービンジャー

母:ローザブランカ(母父:クロフネ)

厩舎:矢作芳人(栗東)

曽祖母ロゼカラー、祖母ローズバドゆずりの末脚のキレをもつハービンジャー産駒。半姉バンゴール(父:キングカメハメハ)も現1600万下で活躍する中距離馬で、母ローザブランカはJRAで出走した3頭がすべて勝ち上がっています。

トレジャートローヴも1000万下からの降級馬、前走の500万下(城崎特別 芝1800m)は大外をぶん回すロスの多い競馬でしたが、鋭く差を詰めての3着。ここは骨っぽい降級馬がパーシーズベストくらいと組み合わせも恵まれ、後ろから追い込む馬としては少頭数も歓迎です。

先行馬も揃い、外差しの利く現在の中京競馬場であれば1着の期待ができる1頭。

 

◯ダイシンクイント 3歳牡馬

父:ルーラーシップ

母:ダイシンキャンディ(母父:アグネスタキオン)

厩舎:森秀行(栗東)

前々走の白百合Sは1頭だけ馬群から離れた大外を走っていたように気性的な幼さが残るものの、スムーズに折り合えれば500万下は勝てるだけの力がある馬です。前走の城崎特別はスタートで後手を踏み、インコースで揉まれる苦しい競馬。ただ、馬群のなかでも何とか我慢できたのは収穫で、川又騎手が思い切って逃げるか後方からのレースをするならチャンスはあります。

父ルーラーシップらしいストライドで走る馬で、中京のコースは合っていますからこれだけ人気がないのであればヒモで狙ってみたい1頭です。

 

その他の有力馬

パーシーズベストの前走はインの苦しい位置からよく追い上げた3着とは言え、ゴール前の伸び脚は1、2着馬よりも劣っていたのが……ただ、今の中京の馬場は福永騎手の仕掛けのタイミングに合っているので3着にコソっと間に合いそうではあります。

レントラーはハーツクライ×ブライアンズタイムなので本来は内回り・小回りをガツンと捲るのがベストで、直線の長い中京はそれほど強気にはなれないコース。気性的な難しさを抱えるため、外枠に入ったのはプラスですが、前走の−22kgと謎の馬体減があったのは不安点ですね。

3歳馬のアウステルリッツは母マリアヴァレリアがNorthern Dancerのクロスをもたないので、父ハービンジャーとの配合は合うはずです。ただ、ハービンジャー産駒としてはバキューンと外回りをキレるようなタイプには見えないだけに……。

 

10R 濃尾特別 3歳以上1000万下 ダート1900m

中京のダート1900m、先週の先行有利な馬場が継続中なのかは注目ですね。

前日時点での人気は先行できる3歳馬に集まっています。内枠+先行馬+和田騎手+3歳馬のテンザワールドが昇級初戦にも関わらず人気の上位に支持されているのは、騎手の好調さもコミなのでしょう。

3歳馬が古馬混合の1000万下ダートで通用するかは、先週の香嵐渓特別(中京ダート1400m)2着アディラートのように、3歳限定OP戦での好戦歴が必要です。

 

レース展開

内枠のテンザワールド、ヒルノデンハーグがハナをめがけて飛び出したところに、外からローズストリートが絡む展開に。ヒルノとローズは前走の加古川特別で4コーナーまで2頭が競り合う形でそれぞれ大敗しているだけに、ここも……ハナ争いが激しくなる可能性があります。

内枠+太宰騎手なので、スタートが決まればヒルノデンハーグの先手が有力。中京ダート1900mは行ききってしまった馬の方が有利ですから、先手を取った馬が上手くペースで駆けてしまうと先行勢には苦しい流れになります。

ただ、「前に行かないとノーチャンス」という先週の中京ダートの馬場状態が騎手心理に働きかけると、思わぬハイペースもありそうなメンバーで後方から捲る馬にもチャンスが巡ってくるかもしれません。

 

◎ヒルノデンハーグ 5歳騸馬

父:ディープスカイ

母:ゴルフガール(母父:Kingmambo)

厩舎:昆貢(栗東)

中京ダート1900mのセオリー通りに逃げ馬に◎を。行ききれれば強い馬で、2年前に中京ダート1800mを勝った時は4コーナーまでは気持ち良さそうに逃げていましたが、急に気の悪さを出してしまい直線手前で外側へ大きく斜行するアクシデント。体勢を立て直してから追い出されるとスムーズに伸びて勝ったように、力を発揮できれば1000万下クラスは十分に卒業できる馬です。

前走で競り合ったローズストリートがヒルノよりも外の枠に入ったので、ここは太宰騎手がハナをゆずらないはずで、ハイペースでも行ききってしまえば好走する可能性は十分にあります。気温の上昇とともに調子を上げてくるタイプで左回りもOKですから期待は高まりますね。

 

◯メイショウサルーテ 6歳牝馬

父:タイキシャトル

母:ズリ(母父:Kris. S)

厩舎:本田優(栗東)

母父Kris. Sらしい長手の馬体で、いかにも中距離馬といったストライドで走る馬。ペースが緩んだところを外から一気に脚を使って捲る戦法を得意としています。外目をスムーズに追走できるかが好走の条件となるため、外枠に入ったのはプラス。

ヒルノデンハーグとローズストリートの逃げ争いになれば、3〜4コーナーでペースが緩むはずで、そこを外目から一気に捲れれば好走のチャンスがあるメンバーです。

外枠+少頭数+荻野極騎手ですから、「罠なのか……」と疑いたくなるほど好走の条件が揃いました。3ヶ月の休み明けで馬がリフレッシュできていればイキナリから。

 

▲ストロベリーキング 6歳騸馬

父:ハーツクライ

母:ドリームエンブレム(母父:ウォーエンブレム)

厩舎:崎山博樹(栗東)

父ハーツクライ×母父ウォーエンブレムですから、6歳となったストロベリーキングが本格化するのはソロソロでしょう。中京コースは今まで4着が2回と馬券圏内に入っていませんが、この父と母父であれば直線の長い左回りは合っています。

忘れた頃に2、3着に突っ込んでくる追い込み馬で、ペースが速くなって追い込みの決まる流れになれば……最内枠というのがマイナスなので▲の印に。水口騎手がどこかのタイミングでスムーズに外へ誘導しての追い込みに期待したいですね。

 

その他の馬について

人気上位の3歳馬はもう少し1000万下で揉まれてからだと思うので、評価は下げで。後は騎手での選択になります。

△ウェーブキング+M・デムーロ騎手

△ヴィッセン+福永祐一騎手

 

11R 豊明S 3歳以上1600万下 芝1400m

12頭と少ない頭数ながら、ここは好メンバーが揃って激戦模様。中京の鬼スキッフルの仔エスティタートというのがもっとも順当な予想でしょう。

メンバーを見渡しても逃げ・先行馬が多く、エスティタートに向く流れになる可能性も高いですしね。

 

レース展開

ロードセレリティはスタートを出たなりの先行ですから、主張する馬がいれば好位に下げるでしょうし、最内に入ったビップライブリーもインのポケットを取りたいところで、そう考えるとオースミチャドのハナが最有力。その外からツインクルソードが2番手につけ、エスティタートも先行勢を見る形の追走に。

先行馬が揃った1戦とは言え、オースミチャドがハナを取り切ってしまえばペースはソコソコのスローに落ち着きそうです。

 

◎オースミチャド 6歳牡馬

父:ネオユニヴァース

母:レディオブチャド(母父:ラストタイクーン)

厩舎:松永昌博(栗東)

直線を向いてどの馬が伸びてくるのかが難解な1戦……エスティタートもビップライブリーもテルメディカラカラもロードセレリティも、どれもこれも1着を取れるメンバーが揃いました。で、出走表をよくよく見ていたらオースミチャドがブービー人気に。

ネオユニヴァース産駒としてはストライドが伸びる走りで、これは母父ラストタイクーンの柔らかさが表現されているからでしょう。この走りであれば中京の長い直線も合うはずです。

歳を重ねるにつれてゆったりと息を入れては走ることができるようになり、今なら小回りよりも中京1200〜1400mを先行して粘り込む形が合っています。小倉開催のひと叩きの1戦にも見えなくもないのですが……前走、気合いをつけてハナに立ったことが今走に活きるはずで、人気勢はどこれもスパっとキレる脚をもっているわけではなく、酒井学騎手が後傾ラップのレースにもち込めればアレヨアレヨが。

 

◯コウエイタケル 6歳牡馬

父:ステイゴールド

母:ケイアイエリザベス(母父:フレンチデピュティ)

厩舎:山内研二(栗東)

オースミチャドが逃げ粘れる展開になっているとすれば、一瞬のキレ味で2、3着にスルっと入れる馬を◯に。コウエイタケルは後傾ラップを先行して良い脚をちょろっと引き出す競馬がベスト。

人気の先行勢がオースミチャドを可愛がり、仕掛けが遅れればコウエイタケルにとってはシメシメな展開になりそうです。

 

その他の有力馬について

△エスティタートは母スキッフルの影響が強い体質で、ドリームジャーニー産駒としてはストライドも伸びるタイプ。中京の1400〜1600mはずんどばで時計がかかれば確勝級とも思いますが、時計が速くなると差し損ねのおそれもあります。

△ビップライブリーはジリ脚ですからペースは流れた方がベスト。後傾ラップの上り勝負だと詰めが甘く、和田騎手がその点をどのようにカバーするのかに注目したいですね。

△ロードセレリティは後傾ラップの合うタイプ。前半を急かすことなく入れればきっちりと脚を使えるはずですが、直線の入口で先頭に立つような幸騎手が積極策で臨むならチャンスも。

△アールブリュットは外差し馬場を利して、先行勢が伸びあぐねるところをドカンと外から……というのはありえるだけに。

 

2、3着にどの馬がくるのかも難しいので、これならオースミチャドの単勝とコウエイタケルへの馬単がいいかなぁ、などと思ったり思わなかったり。後はパドックで各馬の気配を観て考えます。

 

まとめ

福島と函館の特別戦はいずれも頭数が少ないため、中京のレースが馬券としては楽しめそうですね。

中京のダートは先週の傾向が続いているのかどうかはしっかりと見極めたいところです。

皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。

 

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