中京記念(2018年)は時計の速い馬場もOKな先行馬コウエイタケルに◎を!ーー予想

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サマーマイルシリーズの第1戦「中京記念(GⅢ・芝1600m)」はフルゲートとなる16頭が揃いました。安田記念4着の実績をもつグレーターロンドン、気温の上昇とともに調子が上がる「夏馬」ウインガニオンなどが上位の人気に推されているものの、その他にも多くの実力馬が出走していることから、混戦模様のオッズとなっています。

猛暑に負けず、素晴らしい走りを披露するのはどの馬なのでしょうか?

 

好天+猛暑の続く中京芝は?

日本列島は猛暑が続き、テレビのニュースでも盛んに「熱中症に注意!」するようアナウンスされています。高温と好天によって、芝はグングンと成長をするので、馬場造園課が週中に「芝丈」をどれほどカットするのかに注目です。

開催最終週とは言え、傷みの少ないエクイターフを導入している中京芝は先週(14日、15日)も速いタイムが出ており、あからさまな「外差し」馬場ではありません。ラチから2〜3頭ほどは芝が生え揃っていないものの、まだまだインも伸びるコンディションです。

少なくとも、先週よりも時計のかかる馬場にはならないので、やや「高速」+内外の伸びはイーブンくらいを念頭に置いておきましょう。

✳︎M・デムーロ騎手は内・外の伸びに敏感な騎手なので、土曜日にどのようコース取りをしているのかをチェックするのがベター

→M・デムーロ騎手は内ラチ沿いから3頭分ほど空けたインを走らせていました

 

中京記念のポイント

中京の芝は2012年に行われたコースリニューアル直後、「国内屈指のタフな馬場」と言われたように、「上りの時計がかかる→外差し天国!」でした。ただ、近年は馬場の高速化にともない、少しずつその傾向が薄れてきています。

開催最終週に行われる中京記念にもそれが当てはまり、以前はこのレースを連覇したフラガラッハのようなパワフル・ストライド(トニービン+Nureyev的な)の馬がズドーンと外から差してくるのがデフォルトでした。ただ、近年は内をスルスルと伸びてくる馬も好走しています。

 

トレンドは「トニービン→Nijinsky」

週中の展望記事でも書いたように、中京記念の血統的なトレンドは「トニービン→Nijinsky」へと変化しているのが現状です。この変化はNijinskyのもつ特質と中京競馬場のコース形態、そして高速馬場が大きな要因でしょう。

 

中京コースの下り坂

中京競馬場は向正面から4コーナー過ぎまで、高低差3メートルの下り坂が待ち構えています。600m以上もの距離を下ることから、ここをスムーズに走れるのかが大きなポイントです。中京芝コースの下り坂は逃げ・先行馬が自然とペースアップし、差し・追い込み馬がスムーズにスピードに乗れるゾーン。そのため、上りのかかるタフな馬場であれば「外差し天国」になります。

 

Nijinskyは下り坂が得意

Nijinskyのスタミナとキレを現代日本に伝えている種牡馬は、ダンスインザダークとCaerleonの2頭。前者は2000年代にザッツザプレンティ、デルタブルース、スリーロールスなどの菊花賞馬を出しており、京都外回りコースと好相性の種牡馬でした。

コレは下り坂でスムーズにスピードに乗ると、直線をスタミナで粘り込むことができるから。これこそがもっともNijinsky的な特質を表していると言えるでしょう。

 

中京芝が高速化したことによって

中京芝が高速化したことによって、中京記念は直線でパワフルなストライドを繰り出すよりも、いかにスムーズに下り坂を走れるのかにシフトしてきています。

昨年、天皇賞・春と好相性のステイゴールド産駒ウインガニオンとグランシルクがワンツーを決めているのも、向正面から4コーナーの下り坂をスムーズに走れるかどうかが問われているからです。

 

Nijinskyもちの馬は?

さて、それでは今年の出走馬のなかで、Nijinskyもちはどれでしょうか?

Nijinskyもちの馬

ブラックムーン

コウエイタケル

ダイメイフジ

ウインガニオン

(内枠から降順)

〈ガリバルディ〉

✳︎ガリバルディはNijinskyと4分の3同血(母系が同じ)のThe Minstrelを引くため、〈〉扱いとしています

5頭がNijinskyをもっており、◎はここから。う〜ん、ついつい夏馬ウインガニオンに着地してしまいそうですが、ここをスロー〜平均ペースに上手くコントロールできるのかが不安です。二の脚が遅いタイプなだけに外枠はプラスも、ペースを落とせるのかどうか……。

高速馬場になれば、1400mベストのダイメイフジとズドンと脚を使えるブラックムーンも悪くはないものの、ともに「外差し」を選択しそうなのが不安。ガリバルディは和田騎手でインを突きそうなのは魅力でオッズもソコソコ。後は展開がはまるかどうかですね。

コウエイタケルはそもそも重賞で力が足りるのかが「?」。前走のCBC賞は2着候補として買いましたが、その不安点だけが拭えません。でも、ステイゴールド産駒ですし、もっとも「穴」っぽいのは確かなだけに捨て切れません。

 

予想

皆さんは「帯に短し襷に長し」な馬たちから軸を選ぶとき、どのような方法を採るのでしょうか?

私は「どれも決め手に欠けるな〜」と迷ったら、単純にオッズで選びます。というわけで、中京記念はもっとも人気の薄いコウエイタケルに◎を。ただ、勝ち切るシーンは想像できないので、馬券の買い方は難しいですね。

 

1着候補は?

夏のローカル重賞に単勝1倍台が出走するケース(素質馬か実績馬)はレアで、どの上位人気馬もどこかに不安を抱えています。

上位人気馬のなかでもっとも死角が少ないのは、ペースの対応幅が広いロジクライでしょう。前走はレコード決着のマイル戦ですから、ハーツクライ産駒のこの馬には苦しい流れでした。勝ちタイムが1分32秒台までならチャンスも十分です。不安は1年近く重賞勝ちから遠ざかっている浜中騎手だけ……。

その他の1着候補は以下のポイントから選びます。

Nijinskyもち

1400mベストのタイプ

上がり馬

この3つのポイントから候補馬をピックしてみましょう。

 

Nijinskyもち

ウインガニオン

先行馬ですし、前々で粘り込むシーンを警戒。今年のメンバーは先行馬が揃っているので、ペースをコントロールできるのかが鍵も、ハマったときは1着があり得る馬です。

 

1400mベストのタイプ

2015年1着スマートオリオンのイメージで、このタイプを拾います。ここではワントゥワンダイメイフジの2頭。前者は馬群の苦手なバルドウィナ牝系の出身で、スムーズなレースができるかどうか……。後者はマイル重賞で勝ち切れるのかが……。どちらも不安を抱えています。

 

上がり馬

ここではロワアブソリューリライアブルエースの2頭。どちらも良血馬+重賞出走経験もあり、ここで重賞制覇となっても驚けません。

 

上がり馬2頭をピックアップ

ウインガニオン、ワントゥワン、ダイメイフジにも魅力を感じるものの、1着まで突き抜けるシーンを想像できるのは上がり馬の2頭です。ロワアブソリューとリライアブルエースは厩舎+騎手、そして血統的にも重賞を勝てるだけのものがあり、未知の魅力に惹かれます。ソコソコの人気というのも嬉しい限りです。

1着候補が3頭なので、ここからどのように買い目を作るのかが大きなポイントとなりますね。

 

買い目

メインの馬券は1着にロジクライとロワアブソリューとリライアブルエース、2着にコウエイタケルをマークする馬単です。この組み合わせなら馬単でも3〜5万円となるでしょうから、配当としても申し分ナシ!

次はコウエイタケルが3着となったとき用の3連単の買い目をどうするのか。1着候補の3頭をそのまま1・2着にマークすれば6点でおさまります。馬単と合わせても計9点ですから、これはいいですね。

2着にダイメイフジやワントゥワンやガリバルディが入って悶絶している自分の姿も容易に想像できますが、ここはギャンブルで3連単も絞ります。

 

馬単

1着:12. 2. 4

2着:6

 

3連単

1着:12. 2. 4

2着:12. 2. 4

3着:6

 

まとめ

今年の中京記念は上位人気に逃げ・先行馬が多く、前後半800mが46.5 - 46.5(1分33秒0)のイーブンペースを想定しています。前半800mが46秒台であれば、1400mベスト馬のスピードが活きる展開になるので、コウエイタケルにもチャンスが!

もともと高速馬場を苦にしないタイプですし、中京コースもOKなので、ステイゴールドとNijinskyの「下り坂」適性を存分に発揮してくれれば重賞でも好走できるはず……です。

七夕賞→函館記念と3連単は高配当が出ているだけに、中京記念も大波乱を期待します。皆さまにとっても素晴らしいレースになりますように。

以上、お読みいただきありがとうございました。