朝日杯FSへのステップレースとされるデイリー杯2歳Sは11頭の牡馬が顔を揃え、年末のGⅠを展望する1戦となりました。人気の中心は2戦2勝で新潟2歳Sを制したフロンティア、名牝ビリーヴの仔という良血馬ジャンダルム、M・デムーロ騎手の乗るメガリージョンなど。
ここで好走を果たすのはどの馬なのでしょうか? GⅠへとつながる2歳重賞から目が離せません。
また……2歳重賞に中内田厩舎の管理馬が出走
開業4年目の中内田充正調教師は、2歳馬の成績が「うわーーーん」と声を上げたくなるほどに絶好調です。このブログではもう何度も紹介していますが、現在(2017年11月5日終了時点)の成績がコレ!
▼中内田充正厩舎の2歳戦の成績
(9 - 3 - 2 - 4)
勝率:0.500
連対率:0.677
3着内率:0.778
4着以下になった4回も、掲示板を外したのはノーブルジュエリーの未勝利戦10着のみ。つまり、18回出走して17回が掲示板内という安定感を発揮しています。
9勝の内3勝は新潟2歳Sのフロンティア、サウジアラビアRCのダノンプレミアム、ファンタジーSのベルーガと重賞で上げたものですから、中身も濃く非の打ち所がありません。
中内田厩舎からフロンティアが出走
中内田厩舎がデイリー杯2歳Sに出走させるのが、1人気に推されるフロンティア。コレ、逆らっていいのかどうか……。不安点をあげつらうなら、直線が平坦な京都コースで上りの脚に限界があるダイワメジャー産駒というくらいのもの。
京都芝1400mで行われた先週のファンタジーも、ダイワメジャー産駒はキレ負けして2、3着に敗れました。それでも、馬券圏内にはきっちりと好走しています。フロンティアが掲示板外の大凡走というのは、イメージしにくいシチュエーションです。
1〜5人気の馬について
今年のデイリー杯2歳Sは、1〜5人気に推される5頭がなかなか素質のある馬たちが揃い、混戦模様。
有力馬の5頭については、週中の展望記事で詳しい解説を書いているので、よければそちらをご覧下さい。
う〜ん、不良馬場だった天皇賞・秋の日に東京競馬場でデビューしたヒシコスマーが、良馬場で新たな面を見せるなどのサプライズがないかぎり、上位人気の5頭から勝ち馬は出そうですね。
予想
レースぶりと血統から、京都芝1600m外回り向きの馬に◎を付けるのがもっともシンプルな予想です。
2010年レーヴディソールのようにGⅠ級の馬が出走するなら、素質だけで◎というのもあり得るものの、今年は「この馬はGⅠ級」という確信をもてるほどの馬が出走していないので、適性を重視して予想します。
レース展開
スタートで後手さえ踏まなければ、最内枠のロードイヒラニがハナを主張し、フロンティアはそれを見る形で2番手の外へ。
フロンティアの岩田騎手がどこまでロードを追いかけるのかにもよりますが、ここまでスローペースで好走している馬ですから、締まったペースを作る可能性は低く……。2歳戦らしいスローペースが濃厚です。
◎メガリージョン 2歳牡馬
父:キングカメハメハ
母:サンクスノート(母父:サクラバクシンオー)
厩舎:野中賢二(栗東)
生産:下河辺牧場
新馬戦2着→未勝利戦1着ともに、しなやかなフットワークで走る姿が好印象の素質馬。ここ2戦は福永騎手が折り合い重視のレース運びをしており、これがペースが落ち着きそうな今走に活きるでしょう。
M・デムーロ騎手は、ドゥラメンテやサトノクラウンなどのストライドで走る馬に乗る場合は、コース・ロス(✳︎)に構わずフットワークを大きく伸ばす騎乗をするため、この手のタイプはピッタリ。
✳︎ストライドで走る馬がスピードを殺さずに4コーナーを回るためには、フットワークを小さくしないようにコーナーでイン→アウトの進路をとる必要があります。皐月賞を勝ったときのドゥラメンテの走りがまさにソレですね。
メガリージョンについても血統は週中の展望記事に書いたので、先に上げた「参照記事」を参考にして頂ければ。
デイリー杯2歳Sに向けて
内にフロンティアとジャンダルムを見る形でレースを進められる4枠はベスト。スタートの安定しないミルコも、この枠ならリカバリーをすぐにできるでしょう。
逃げか2番手でレースを進める可能性の高いフロンティアは前走で上り32秒台で勝っているため、今走は4Fからのスパートではなく、3Fの上り勝負にもち込む展開が有力。
ミルコなら4コーナー手前からスピードに乗せる競馬をするはずで、直線が平坦な京都ならストライドを伸ばすメガリージョンの差し切りも十分です。
◯ケイアイノーテック 2歳牡馬
父:ディープインパクト
母:ケイアイガーベラ(母父:Smarty Jones)
厩舎:平田修(栗東)
生産:隆栄牧場
母ケイアイガーベラは短距離のダート重賞2勝の活躍馬。ディープインパクトは母スプリンターとの配合は成功しやすく、この馬もOP級の期待がもてます。
新馬戦は、好位のインから鋭く抜け出しての快勝で、母よりも柔らかいストライドで走る印象。将来的にはしなやかなマイラーに完成するでしょうから、京都芝1600m外回りはドンと来いの舞台です。
前走から十分に間隔を取っての出走となり、新馬戦からどれほどパワーアップしているのかがキーポイント。好素材なので、先々が楽しみな1頭です。こちらもメガリージョンと同じく、直線が平坦な京都ならフロンティアを差せるのではないかと期待します。
その他の馬について
フロンティアは馬群に詰まるとか、折り合いを欠いてしまうなどのことがなければ、凡走は考えられない馬ですし、買い目に入れるのが普通でしょう。ただ、どうしてもダイワメジャー産駒を京都の外回りでは高く評価できないので、ここはスパッと切ります。
フロンティアを切るということは、少なくともこの馬を差し切る可能性のある馬でないと印を回せないので、△はナシに。
ジャンダルムはストライドの伸びないフットワークで、いかにも父父El Pradoの機動力が前面に出たタイプ。外回りの京都コースだとドスローにならないと苦しいですね。また、武豊騎手からアッゼニ騎手への乗り替わりは大きくマイナスです。
カツジは母メリッサらしいピッチ走法で走る馬。全兄のミッキーグローリーはそこそこストライドも伸びるので、この馬も良馬場ならキレる脚を使えるのかもしれませんが、それは走ってみないとわからないので……。
買い目
メガリージョンの単勝はオッズが厳しくなりそうなので、◎→◯の馬単だけを。
馬単
4 → 5
まとめ
メガリージョンの伸びのある美しいフットワークを観ていると、重賞でアッサリがあっても驚けません。安定した取り口のフロンティアを負かすのはなかなか大変ですが、直線が平坦の京都であれば、◎の差し切りに期待したいですね。
フロンティアは祖母ゴールデンサッシュがステイゴールドの母ですから、おそらく京都の下り坂を苦にしません。岩田騎手が下りで惰性つけて粘り込みを図るなら、他馬は手も足も出ない可能性も……。
皆さまにとっても素晴らしいレースになりますように。
以上、お読みいただきありがとうございました。