ダービー卿CTで1番人気の支持を集めるのでは? と想定されていたグレーターロンドンがレースを回避しました。
1年以上の休養を挟みながらの5連勝、「遅れてきた大物」と期待が高かった馬の回避で、ダービー卿CTは一転して混戦模様になりそうです。人気を集めそうな馬たちにも不安な要素があるハンデ戦ですから、「あっ!」と驚く結末が…待っているかもしれません。
どの馬にもチャンスがある?
「どの馬にもチャンスがある」ような状況でのレースは、陣営も騎手も色気をもって出走してくるので、「勝ちたい」意識が強くなるとペースが流れることがままあります。
今年のダービー卿CTは「何が何でもハナ!」と先手を主張する馬が不在ですが、出走メンバーに先行タイプが揃ったので、前へ前への意識が強くなり締まったペースの可能性も十分。
馬場は注意が必要
中山競馬場は金曜日の午後から土曜日の朝まで雨が降る予報が出ています。土曜日は気温も低くなることから、雨が止んでも馬場が乾くことはなさそうです。マイル戦を乗り切るスピードだけではなく、パワーやスタミナを要求されるレースになると力の要る馬場に適性を持った馬が台頭することも考えられます。
どれくらい時計がかかるのか?や内と外のどのコースが伸びるのか?など当日の馬場のチェックは欠かせません。
人気馬について
前日の想定オッズで1〜3番人気に支持されている馬についてチェックしましょう!
キャンベルジュニア
キャンベルジュニアは昨年のダービー卿CTでは1番人気に支持されましたが、期待に応えることができずに8着に敗れました。
詳しくは下記の記事をご参考にして下さい。
キャンベルジュニアの不安点は2つ
今年も1番人気の支持を受けそうなキャンベルジュニアですが…不安点もあります。
・本質的にマイラーではないので、ペースが速くなると脚がたまらない
・しなやかな脚さばきで走るので、湿った馬場が合わないかも…
今年のダービー卿CTは先行馬が揃いました。どの馬が逃げるかわからない時ほどペースが速くなることがあります。マイルの平均的な流れになると中距離馬は追走で脚を使ってしまい、直線で伸び切ることができません。また、パワー型なので重馬場も苦にしないとは思いますが、しなやかな脚さばきで走る馬なので、馬場が悪くなりすぎるとマイナスに。
グランシルク
父:ステイゴールド
母:ルシルク(母父:Dynaformer)
3歳時にはNZT2着→NHKマイルカップ5着とマイルの重賞で好走しました。古馬になるとクラス再編成によって1000万下からの再出発。条件戦では力が違うとばかりに1→2→1着で再度オープン入りを果たしましたが、重賞だとなかなか好走できないのが現状です。
母の父DynaformerはRoberto直仔でパワーを伝えます。グランシルクは父がステイゴールドなので、パワーとピッチで中山を捲る脚質なのは納得。道中は以前よりも前目のポジションが取れるようになっているので、内枠も苦にしないでしょう。馬場が渋るのはプラス、乗り馴れた戸崎騎手で斤量が55kgと好走の条件は整っています。
不安な点は、3歳の秋以降、重賞競走ではなかなか結果が出ていないこと。能力的に重賞で足りる馬なのかの見極めが重要です。
マイネルアウラート
父:ステイゴールド
中山や阪神に良績があるように上りのかかるコースではパフォーマンスがアップするタイプです。逃げなくても競馬ができる先行型で、平均ペースの流れでしぶとく脚を使って粘り込むのが得意。
前走の東京新聞杯はブラックスピネルが「超」のつくスローペースの逃げを打ち、極端に上りの速い競馬に持ち込んだため、2番手に控えたマイネルアウラートは持ち味を発揮できずに4着に敗れました。
前々走のニューイヤーSでは58kgの斤量を背負いながら、前述のグランシルクに完勝しているように、中山コースですんなりとした先行に持ち込めればしぶとい走りが期待できる1頭です。
パワーの要る重馬場もOKなので、後は他の先行勢との兼ね合いが好走へのキーポイントです。
予想
それでは、ダービー卿CTの予想を張り切って!
ペース
先行馬が5枠より外に入ったので、シュタルケ騎手が馬群に包まれるのを嫌がるのであればキャンベルジュニアがハナに立つ可能性もあります。ただし、昨年は最内枠から逃げて失速してしまったので、ここはさすがに好位確保の競馬になりそうですが…
前走で逃げたダイワリベラルもそれほどテンにダッシュが速くないので、誰が逃げるのかは難しい…
と、こんな時にスっと逃げる騎手が一人いますよね。ええ、そうです、お察しの通り横山典騎手です。ロイカバードがハナ、番手にマイネルアウラートとサンライズメジャー、インの好位でキャンベルジュニアというのが枠の並びから考えられる想定です。
ロイカバードの逃げであればおそらくスローで、マイネルアウラートが積極的に突ついたり、3角から捲りを打つような馬がいなければ4角手前までペースが上がらない公算は大。
雨量が多くなれば、上りもかかりますから、スローペースで上りもかかってだと後方から脚を伸ばす馬には厳しい展開になりそうです。
(注意:ただし、馬場があまりにも悪くなってしまった場合、ダービー卿CTが行われるメインレースの頃には外差しになっているかもしれないので、馬場のチェックは欠かさないようにして下さい)
とは言え、ロイカバードが逃げないとなると、先行馬が突つき合って意外にペースが流れることも考えられます。今回のレースがどのようなペースになるのかは難しいですね…
◎サンライズメジャー 8歳牡馬
ダイワメジャー産駒ながらストライドが伸びるタイプで、東京や外回りコースに良績のある馬。パワーを感じさせる走りからも坂のあるコースはプラスになります。
鞍上の柴田善センセイであれば、外枠からマイルドに捲る競馬になりそうで、外差しが決まる馬場ならチャンスは十分です。ハイペースよりもスローの上り勝負の方が力を発揮できるタイプなので、直線でスムーズに加速することができればこのメンバーでも。重賞でもサトノアラジンやミッキーアイルといったGⅠクラスの馬の2着があるので、格負けはしません。
前々走、オープン特別で1着と好走しているように8歳馬ながら大きな力の衰えはないと思います。ハンデは56.5kgと微妙な斤量になりましたが、これだけ人気がないのであれば手を出してみたくなります。
◯ロジチャリス 5歳牡馬
父ダイワメジャー×母父ロックオブジブラルタルという血統通りのパワー型で、巨漢馬にも関わらずコーナーでの加速に優れたタイプです。今回は内枠に入りましたから、内田騎手がきっちりとスタートを合わせてインの好位が取れれば。しゅっと斬れる脚がないので、前走のように上りの速さを要求されるようだと厳しくなります。
血統的には道悪はドンと来いのタイプだと思うのですが、実績的には重馬場で走れていないことが気になってひとつ印を落としました。
かかる馬ではないので、もし他馬が積極的に行かないようであれば逃げてもいいくらいなのですが、まぁ、控えるでしょうね…
中山のマイルは適性としてはずんどばなので、もう少し人気がなければ面白かったのですが。
この2頭以外は積極的に買いたい馬がいないので、2、3着の候補として△の印に
△コスモソーンパーク
中山のマイルで上りのかかる競馬になれば56kgの斤量で粘り込みを
△マイネルアウラート
外枠過ぎる気もしますが、柴田大騎手が気合いをつけてハナを主張するなら
△ロイカバード
横山典騎手が逃げるなら
△シベリアンスパーブ
上りのかかる競馬がベストで今回のメンバーの中でもっとも捲り脚をもっている馬
△ダンツプリウス
距離を短縮して積極策なら
買い目
キャンベルジュニアやグランシルクが3着に入る可能性も十分なので、ここは馬単で。
◎サンライズメジャー1着→◯と△の各馬へ
◯ロジチャリス1着→◎と△の各馬へ
皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。
以上、お読みいただきありがとうございました。