エルムS(GⅢ・札幌ダート1700m)は上がり馬と実績馬がぶつかり、秋のGⅠを占う意味でも大切な1戦です。今年は上がり馬のハイランドピーク、実績馬のミツバとロンドンタウンなどが出走し、白熱したレースが期待できます。
JBCとチャンピオンズCに向けて勝ち名乗りを上げるのはどの馬なのでしょうか?
エルムSのポイントは?
エルムSは「平坦+小回り」のダートコースとあって、逃げ・先行馬が粘り込ことの多いレースです。また、中団よりも後ろに付ける馬は3コーナーから捲らないと(インとアウトのどちらでも)届かないので、仕掛けのタイミングも問われます。
逃げ馬は?
まずは「逃げ馬」をチェックしてみましょう。
・逃げ
ドリームキラリ
リーゼントロック
ディアデルレイ
モンドクラッセ
(内枠から降順)
逃げないと苦しいドリームキラリは2枠に入りました。それほどポンとスタートを切るタイプでもないので、外から被されるおそれのあるこの枠はマイナスです。
リーゼントロックはドリームキラリと同厩舎とあって、無理にハナを主張することはありません。この馬が壁になれば、外枠各馬が逃げるのはなかなか難しくなります。
ディアデルレイは近走、馬群の中でもレースができるようになっているので、よほど好スタートを切らない限りは好位に控えるでしょう。加齢によるものなのか、先に行く脚が鈍りつつあるモンドクラッセは大外枠だと苦しいですね。
上位人気馬は?
1〜3人気に推されるのは、現時点(11日の17時)で以下の3頭。
ミツバ
ドリームキラリ
ハイランドピーク
それぞれ簡単に解説します。
ミツバ 6歳牡馬
地方交流重賞2勝、OP特別3勝、JBCクラシック3着など、このメンバーに入ると格上の実績をもつ1頭。カネヒキリの代表産駒で、小回りコースにも対応できるのが大きな強味です。
この馬の弱点は「揉まれ弱い」こと。母系に入るアフリートは外から被されるとダメな種牡馬のため、好走するには逃げか外からスムーズに走るかの2択です。
今走は3枠に入っり、後方へ下げてからの巻き返しになります。札幌コースで「捲り」が利くのかが最大のポイントでしょう。
ハイランドピーク 4歳牡馬
ハイランドピークがポンとスタートを切れるかどうかは、ゲートが開いてみないとわかりません。ただ、この馬よりも外の先行馬はディアデルレイとブラゾンドゥリス、モンドクラッセなので、スタート後手でも馬群に揉まれることはないでしょう。
マーチSで1人気に推され馬とあって、競走能力は確かなものがあります。問題はスタートとスムーズなレースができるのかな1点。この手のタイプはオッズと見比べて馬券の取捨を決めたいですね。
ドリームキラリ 6歳牡馬
1400〜1700mがもっとも力を発揮できる距離で、とにかくハナさえ取り切れれば好走の可能性をもちます。矢作厩舎は同馬とリーゼントロックの2頭出しですから、レース・プランを立てやすいのも魅力です。ハイペースでもOKの馬なので、とにかく先手が取れるかどうかがポイントとなります。
予想
エルムSは「逃げ・先行馬」がどれほど出走していても、基本となるのは4コーナーで4番手以内に付けられる馬です。揉まれ弱い馬は7・8枠がベストで、昨年のロンドンタウンのように馬群の中で競馬ができるタイプなら内枠がプラスとなります。
今回はリッカルド、ドリームキラリ、ミツバと揉まれ弱い3頭がガッツリと内枠に入ったので、逃げるドリームを除いた2頭は大きくマイナス。ハイランドピークは力は認めてもこの人気だと買い難く、馬券の軸としても相応しくありません。
◎ディアデルレイ 7歳牡馬
名繁殖牝馬ディアデラノビアの仔で、母譲りのピッチ走法からベストは小回りコース。ダートOP特別の2勝はともに揉まれずにスムーズなレースをしてのもの。前走のマリーンSは馬群の中での競馬となり、直線でも目立った脚を使えずの6着と敗退しました。
7枠に入り、ドリームキラリの2番手をスムーズに取り切れるメンバー構成ですから、スタートさえ気を付ければチャンスは十分です。あまりにもポンと好スタートを切れてしまったら、逃げてもOK。
芝でも好走できるスピード馬なので、渋ったダートも「どんと来い!」のタイプ。外のブラゾンドゥリスに被されなければ……1着もあります。
◯ブラゾンドゥリス 6歳牡馬
このメンバーに入ると、前半3Fがもっとも速いのはドリームキラリかブラゾンドゥリスでしょう。前走のプロキオンSはマテラスカイのハイペースな逃げをすんなり先行しており、スピード負けはしません。
すぐ内のディアデルレイのスタートが少しでも遅れるようなら、この馬が番手の可能性もあります。湿ったダートは得意ですし、1700mの距離も守備範囲。それにも関わらず2桁人気ですから、コレは美味しいですね。
理想はドリームキラリとディアデルレイの2頭が後ろを離し、その3番手にブラゾンドゥリスという展開。4コーナーでこの3頭がイメージ通りのポジション取りなら、「そのままー!」と大きな声で叫びます。
2着候補は?
3連単だと点数が増えてしまうので、◎と◯の1着付けの馬単をメインで買う予定です。◎◯を除いた2着候補は以下の通り。
ドリームキラリ
ノーブルサターン
リーゼントロック
アルタイル
モルトベーネ
休み明けが嫌われているアルタイルとモルトベーネはこの人気だとウハウハです。後者は母父アフリートなので、大外枠がベスト。力量的にも不安はなく、休み明けからイキナリ動けるのならチャンスもあります。
同厩舎のドリームキラリとリーゼントロックはレースの展開面を考えると有利。ハイランドピークがスタートで後手を踏むようなことがあれば、思わぬ波乱も十分です。
買い目
先にも述べたように、◎と◯を1着に固定した馬単がメイン。また、◎と◯を1・2着に固定した3連単も購入します。
馬単
1着:11. 12
2着:11. 12. 2. 5. 6. 7. 13
3連単
1着:11. 12
2着:11. 12
3着:2. 5. 6. 7. 13
合計22点。点数としては高配当を狙える組み合わせがあり、明日のレースが楽しみです。
まとめ
リッカルドとミツバが内枠に入ったことで、高配当の匂いもしてきた今年のエルムS。ハイランドピークがアッサリと好走してしまうことも考えられるものの、この人気だと買いにくいですね。
皆さまにとっても素晴らしいレースとなりますように。
以上、お読みいただきありがとうございました。