2歳女王を決める阪神JFへのステップレースのファンタジーS(GⅢ・京都芝1400m)は、C・デムーロ騎手のアクションに応えたベルーガが直線大外を突き抜けて1着でゴール。
同馬を管理する中内田調教師は、この勝利で今年の2歳重賞を3勝。来年に向けて、楽しみとなる2歳馬が続々と好結果を出しています。
中内田厩舎
— 白三点 (@hakusanten) 2017年11月3日
ベルーガで2歳重賞3勝目!
2歳戦は(9 - 3 - 2 - 4)。
す、す、凄すぎる。
2着に逃げて粘ったコーディエライト、3着に中団から脚を伸ばした1番人気アマルフィコーストが入線しました。勝ちタイムは1分22秒9(良)。
中内田厩舎の2歳戦の成績は……ふわわわわー!
11月3日(金)終了時点で、中内田厩舎の2歳戦の成績は(9 - 3 - 2 - 4)で、勝率0.500、連対率0.667、3着内率0.778と恐ろしい数字になっています。もう、2歳のレースで「中内田」の名前を見つけたら、黙って買い目に入れないとダメなレベルです。
ここまで、JRAの2歳重賞はファンタジーSを含めて7レースが行われ、中内田厩舎はその内の3レースを異なる馬で勝利しています。勝ち馬とレースについては以下の通りです。
GⅢ新潟2歳S:フロンティア 牡馬
GⅢサウジアラビアRC:ダノンプレミアム 牡馬
GⅢファンタジーS:ベルーガ 牝馬
この3頭以外にも、フォックスクリークなどの期待馬がすでに新馬を勝ち上がっており、ますます目が離せません。来年はいよいよ厩舎初のGⅠ勝利が見られるかもしれませんね。
ベルーガ 2歳牝馬
父:キンシャサノキセキ
母:アドマイヤライト(母父:Kris. S)
厩舎:中内田充正(栗東)
生産:ノーザンファーム
ベルーガはヒシアマゾンやアドマイヤムーンなどのGⅠ馬が出ているKaties牝系の出身。母アドマイヤライトは高松宮記念を勝ったスリープレスナイトの半姉という名血です。
ベルーガは1200〜1400mを走る馬としては長手の馬体で、これは母父Kris. Sの影響によるものでしょう。追い出されてからしっかりとストライドが伸びたのは意外……。
この馬の血統構成はGⅢフェアリーS→OPアネモネSを連勝した現3歳牝馬のライジングリーズンと似ていて、サンデーサイレンス×Roberto×Nureyevが共通します。この配合だと中山をバキューンと捲るタイプが出るはずなのですが……。ベルーガは上り33.9でしなってましたね。
血統と今日の走りからは、来春のフィリーズレビュー(GⅡ・阪神芝1400m)が楽しみになる内容でした。
ファンタジーSについて
コーディエライトがスローにコントロールする流れで、レース全体のラップは以下の通りです。
ファンタジーSのレースラップ
12.7 - 11.6 - 12.0 - 11.7 - 11.4 - 11.7 - 11.8
レース上り3F:34.9
前半3Fが36.3の緩いペースですから、後半4Fすべてが11秒台のラップを刻んだのも順当。ベルーガ自身は最後の直線をパワーで差し切ったような勝ち方ですから、4コーナーのところでスムーズにスピードに乗れていればマイルでもOKでしょう。
今後に向けて
阪神JFはバキューンと差してくる馬が勝ちやすい舞台なので、これだけの脚を使えたのはプラス。1600mそのものはこなせるとは思いますが、長い直線をしなやかにキレるタイプなのかどうかはもう少し考えたいですね。イメージとしては今年の函館スプリントSを勝ったジューヌエコールに近いので……。
2、3着はダイワメジャー産駒
2着コーディエライトと3着アマルフィコーストはともにダイワメジャー産駒。3〜4コーナーから下り坂+直線平坦の京都コースだと、この2頭はキレ負けをしてしまいます。ただ、そのなかでもしっかりと好走を果たしているのは、能力が高いからだと言えますね。
アマルフィコーストについては週中に展望記事を書いていますので、よければそちらもご覧下さい。
アマルフィコーストは阪神JFに向けて上々の内容
3着に敗れたアマルフィコーストは、ダイワメジャー産駒としては品のある馬体をしており、その血統構成はGⅠ馬メジャーエンブレムと似ています。京都芝1400mはこの馬の適性に合っていない舞台で、ここでこれだけの好走ができたのはGⅠに向けて上々の内容でした。
基本的には末脚の持続力で勝負するタイプなので、前々の好位から積極的な競馬ができれば……後はこの馬自身というよりも、「勝てない」浜中騎手がどこまで復調してくるのかがポイント。
◎スズカフェラリーは4着、◯レグルドールは9着
スタートが切られてから◎◯の2頭がともに出遅れ……ウワーンと泣きそうになりました。逃げたコーディエライトがスローにペースをコントロールしていたので、もう2頭には苦しかったですね。
スズカフェラリーは出遅れ癖があるので、ここを改善したいところでしょう(スタートの巧い福永騎手でも出遅れているくらいなので……)。レグルドールは全兄のコスモドームを見てもまだまだ成長の余地はありますし、長い目で見たいですね。
まとめ
中内田厩舎の底力をまざまざと見せつけられたファンタジーS。フロンティア、ダノンプレミアム、ベルーガといずれも2戦2勝での重賞制覇ですから、来年が楽しみなラインナップです。厩舎にはフォックスクリークなどまだまだ楽しみな素質馬が控えていますから、今後も目を離すことができません。
以上、お読みいただきありがとうございました。