東京のダート1600mで争われるフェブラリーステークスはGⅠということもあって、さまざまな距離やコース(中央にはだけではなく地方交流も含めて)を走ってきた馬たちが集まります。
1200〜1600mに距離の適正があるスプリンターから、1600〜2000mに適正のある中距離馬までが出走するので、レースのペース次第でさまざまなタイプの馬にチャンスが生まれるのがフェブラリーSの面白いところです。
前半の1000mの通過タイムがキーポイント
芝・ダートを問わず、一般的にマイル(1600m)戦は道中のペースによってスプリンターと中距離馬のどちらも走ることが可能な距離です。
ペースがスロー→中距離馬
ペースがハイ →スプリンター
ペースがスローだと
ペースがスローの場合、道中で足を溜める(追走で脚を使わない)ことができる中距離馬にもチャンスが生まれます。
追走のペースが楽であれば、なし崩し的に脚を使うことなく、直線で持ち前のスタミナを発揮して好走することも。
例を出せば、昨年の安田記念で皐月賞馬のロゴタイプがスローペースから好走したのが記憶に新しいところ。
ペースがハイだと
近年、マイル戦でもハイペースになることは稀ですが、道中が締まった流れになるとスプリント戦での経験が活き、スプリンターがスピードで圧倒することもあります。
例を出せば、2015年のヴィクトリアマイル。逃げたミナレットの作ったハイペースのために、人気になっていたシャウナンパンドラ(秋華賞、JC勝ち馬)やヌーヴォレコルト(オークス勝ち馬)などの中距離馬は軒並み掲示板を外す凡走を喫し、勝ったのはスプリントGⅠを勝っているストレイトガールという結果に。
フェブラリーステークスでもこの傾向が当てはまる
さて、フェブラリーステークスにおいてもこの傾向は当てはまり、馬場が軽く道中のペースが流れると1400〜1600mベストといったタイプの馬が勝ち切ります。
馬場が軽く時計が速いレース
2016年 モーニン 1:34.0(レースレコード) 重
2009年 サクセスブロッケン 1:34.6 稍重
2007年 サンライズバッカス 1:34.8 不良
2005年 メイショウボーラー 1:34.7 不良
モーニン、サンライズバッカス、メイショウボーラーの3頭は1400〜1600mに適性のある馬で、スピード色の濃いレースに適性があります。
特に馬場が軽くなった年は、モーニン、サンライズバッカス、メイショウボーラーの血統を見れば分かるように、Storm Catを通じる短距離のスピード血統(1400mをスピードで圧倒するような)が大活躍しています。
今年の天気予報は日曜日が曇り(2/16時点)なので、一雨あって馬場が締まればモーニンやベストウォーリア、アスカノロマン、エイシンバッケン、ニシケンモノノフなどのStorm Cat持ちが台頭する場面も…
ペースが速く、前半1000mが60秒を切るレース
2013年 グレープブランデー 1:35.1(1000m通過58.6)
2012年 テスタマッタ 1:35.4(1000m通過58.7)
前半の1000mが60秒を切るようなレースになると、スピード色の強い馬が勝ち切ります。
上記の2つのパターンを見ても、「馬場が軽くなる(水分を含む)」か「前半1000mが60秒を切るペース」であれば、スピードが豊かな1400〜1600mに適性のある馬に注目するのがベスト。
馬場が乾いてペースの遅いレース
2015年 コパノリッキー 1:36.3(1000m通過60.0)
2014年 コパノリッキー 1:36.0(1000m通過60.6)
前半60秒を切らないペースだと1600〜2000mに適性のある中距離馬が勝ち切ります。
今年のフェブラリーSは例年に比べて逃げ先行馬が少ないので、コパノリッキーに乗る武豊騎手の先導で前半が遅くなり中距離馬の台頭もあり得るのではないかとも…
そもそもコパノリッキーは、4角で逃げまたは2番手で外から被されていなければほぼ連対を外さないので。
そんなこんなで、今年のフェブラリーSもまずはペースに注目して予想を組み立てるのが、的中への近道になります。