阪神芝1400mで行われる、桜花賞トライアルのGⅡフィリーズレビューは馬の能力もさることながら、コースの適性も重要なレースです。
フィリーズレビューは阪神芝1400m適性で決まる?
フィリーズレビューが阪神芝1400mの適性で決まりやすい理由は2つあります。
1. 春のクラシックとあまりリンクしない
フィリーズレビューで好走する力と春の牝馬クラシックの桜花賞→オークスで好走するために求められる適性は異なります。
そのため、フィリーズレビューは春のクラシックとあまりリンクしないのです。
厩舎側もそうしたことは分かっていますから、GⅠを目指す馬たちのローテーションとして積極的にフィリーズレビューを狙うことは少なくなります。
2. 賞金の高さ
桜花賞馬を数多く輩出している王道のトライアルはチューリップ賞ですが、格付けとしてはGⅢで、フィリーズレビューはGⅡと賞金が高く設定されています。
これはマイル以下、特に1200〜1400mに適性のある牝馬にとって、桜花賞の後に目標となるレースが少なく、ここで少しでも多く賞金を稼ぎたいという考えがあるのだと思います。
上記2つの理由から1400mに適性のあるパワースプリンター(マイラー)が集まるのがフィリーズレビューなので、適性の有無は予想する上で大きなアドバンテージになるのです。
人気を集めるのは重賞勝ちのある2頭。
レーヌミノルはGⅢ小倉2歳Sを、ジューヌエコールはGⅡデイリー杯2歳Sを勝ち、2頭ともGⅠ阪神JFに出走しましたが、それぞれ3着と11着に敗れました。
もともと、レーヌミノルもジューヌエコールも1400mがベストなタイプで、桜花賞を目指すとしても、チューリップ賞ではなくフィリーズレビューに照準を合わせてきたのは当然の選択と言えます。
2頭のどちらが阪神芝1400mへの適性が高いのかは下記の記事を参照にして頂いて、ここでは簡単にーー
ダート短距離のオープンクラスで走っていたルミナスポイントを母に持つジューヌエコールにとって、パワー溢れるピッチ走法で坂を駆け上がれる阪神芝1400mは適性としてはずんどば。
レーヌミノルはスピード>パワーのタイプですから、適性で言えばジューヌエコール>レーヌミノルになります。
フィリーズレビューのペースは?
今年のフィリーズレビューはピュアな逃げ馬がアズールムーンとベルカプリくらいで、びゅんびゅん飛ばすタイプの逃げ・先行馬が薄い組み合わせ。
行く気になれば外枠のレーヌミノルもハナを取れるメンバーなので、道中はミドルからスローよりに落ち着きそうです。
阪急杯のように、残り800mから失速のラップで先行馬が総崩れになり、パワーのある(ダートも走れる)差し馬が台頭というシーンまではどうかな?というペースに。
予想
レーヌミノルが道中どのポジションの先行になるのかも注目ですが、アズールムーン、ベルカプリ、レーヌミノルで隊列は落ち着きそう。
◎ベルカプリ
父:ダイワメジャー
母:ボランス(母父モンジュー)
控えても競馬ができるタイプで、前脚で搔き込むパワーのある走りが持ち味のベルカプリ。
上りの脚に限界があるので、デイリー杯2歳Sのように33秒台を要求されると厳しいですが、父ダイワメジャーらしく平均ペースでばてずに走り切ることができます。
前走の3歳500万下のレースでは、直線で内を突いたエンゲルヘンに半馬身ほど前へ出られますが、ゴール前で差し返しての1着。勝負強いとも、バテずに実直に伸び続けたとも言えるしぶとい勝利でした。
直線に坂があるため上りのかかる阪神、さらに内回りの1400mは搔き込んで走るこの馬にとってパワーを存分に活かせる舞台設定です。
切れる脚がないので、内で包まれるような競馬になるのはつらいですが、枠の並びから好位2、3番手の外を走れる組み合わせで、前走は追い出しを我慢した分だけエンゲルヘンに前へ出られましたが、切れる脚がないことは鞍上の池添騎手も分かっているはずで、今回は強気な競馬を期待したいところ。
◯カラクレナイ
父:ローエングリン
母:バーニングレッド(母父アグネスタキオン)
厩舎:松下武士(栗東)
鞍上のMデムーロ騎手は、馬の走るスピードを瞬時にトップに上げることができるため、ドゥラメンテが中山の皐月賞でストライドを伸ばして勝ったように、内回りでもストライドで差し切る競馬が得意です。
カラクレナイの前走万両賞(阪神芝1400m)は上りのかかる流れを外からパワーのあるストライドで差し切る強い内容。このレースは阪急杯に似た失速ラップで、阪神の芝1400mは前が速くなるとこのようなラップになりやすいですから、前走の経験は今回に繋がりますね。
父ローエングリン×母父アグネスタキオンでHalo4×4が、この馬のコーナリングの上手さを補っているのだと思います。母父アグネスタキオンなので、揉まれない外枠はOKで、多少前が速くなれば外目をグイグイと伸びてくるはず。
▲レーヌミノル
阪神芝1400mがすんどばとは言えませんが、能力>適性となりそうな1頭。何より、阪神JF3着、クイーンC4着とこの世代のハイレベルなレースで崩れずに走っているのは無視することができません…
それと、クイーンC→フィリーズレビューというローテーションが、このレースを狙いに来ている印象を強く受けます。もともとがスピードタイプで1400mがベスト。スムーズに外目を走れますから、内で包まれることもなさそうです。
不安な点は失速ラップになった時にパワーが足りないおそれがあること。今回のメンバーではそれほど前が速くなるとは思えませんが、そのパターンになることも念頭に入れてこの印に。
△ラーナアズーラ
父:パイロ
母:グロッタアズーラ(母父フジキセキ)
1勝馬ですが、走りはパワフルでパイロ産駒にしては珍しく「タメ」の利く走りができます。
ここ3戦は強敵相手に接戦をしていて、着順ほど負けてはいません。失速ラップになれば突っ込んで来れるはずで、ダートも走れるパワーを持った馬が穴になるパターンとして押さえておきたい1頭。
△アズールムーン
二の脚が速く、おそらく先手はこの馬。体型的に1400以下の距離がベストになりそうですが、こちらもパワーを感じさせるスプリンター。
すんなりと隊列が決まれば、あれよあれよがあるはずです。
△ヤマカツグレース
金鯱賞を勝ったヤマカツエースの半妹で、母父グラスワンダーのパワーが表現されているので、阪神1400は向いている条件。
注ビーカーリー
ジューヌエコールは
阪神1400mは適性としてはずんどばですが、ひとつ気になるのは乗り替わり。
北村騎手がどうというよりは、乗り難しい馬なので…
また、ペースが流れた時にデイリー杯2歳Sのような脚は使えないはずなので、北村騎手がパワーを理解した早目の競馬ができるかどうか…
また、当日のテンションにも注目です。
買い目
3連単
1着:9. 16
2着:9. 16. 15. 10
3着:9. 16. 15. 10. 2. 11. 14
まとめ
おそらく、ゴール前は横一線の白熱したレースになるはずなので、今から楽しみですね。
以上、お読み頂いてありがとうございました。