フローラS(2017年)はイーブンな馬場でのレースにーー予想

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春の東京開催は4月22日から開幕。東京の開催週のメイン競走はオークス・トライアルのフローラSが行われます。今年も牝馬にとってはハードと言える東京の芝2000mに18頭がゲートイン。

2連勝中のホウオウパフューム、アドマイヤミヤビやリスグラシューと言った世代トップの牝馬相手に好走したフローレスマジックなどの有力馬や、中距離適性を見込んで参戦する伏兵馬など面白いメンバーが揃いました。どの馬がオークス行のチケットを手にするのか注目の1戦です。 

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東京の芝はエアレーション作業を実施

JRAは1年間を通して芝を良好な状態に保てるようにさまざまな馬場の管理を行っています。そのなかで取り入れられているのが「柔らかい馬場を造る」ために行われるエアレーション作業。

エアレーションは芝に穴を開けて路盤をほぐして柔らかくする作業を指します。これによって路盤に空気が入り「通気性」と「排水性」が向上し、芝がより育ち傷みにくくなるのが特徴です。

春の東京開催前にエアレーション作業が行われたことで、芝は脚質や直線で通った場所に関係なく各馬が力を発揮できるイーブンな馬場。よほどスローの流れにならないかぎり適度に上りがかかるので、瞬発力型に有利などということもありません。

 

2頭の有力馬の取捨が問題?

今年のフローラSはフローレスマジックとホウオウパフュームという素質馬2頭がオークスを目指して参戦します。この上位人気に支持される2頭の取捨がレースを予想する上では重要です。

フローレスマジック、ホウオウパフュームに死角はあるのでしょうか?

 

フローレスマジック

3歳世代の牝馬はハイレベルと言われています。それを象徴したのがソウルスターリング、アドマイヤミヤビ、リスグラシュー3頭が重賞レースで見せた高いパフォーマンス。

フローレスマジックは前走のクイーンCでアドマイヤミヤビから0.4秒差の3着、前々走のアルテミスSはリスグラシューと0.1秒差の2着と好走しているように、この世代のトップクラスの馬に引けを取らない戦績のもち主。

全姉のラキシスも3歳の秋以降に力をつけたように、この馬もまだ成長途上。厩舎サイドは馬の成長を促しながらのローテーションを組んでおり、フローラSでどのような走りを見せるのか期待は高まりますね。

 

不安点

父ディープインパクト×母父Storm Catはキズナ、リアルスティールなど3歳の春から活躍する馬を出せる好相性の配合です。

ただ、フローレスマジックは姉兄を見ても完成は遅めで、新馬戦からの馬体重が450kg→450kg→438kg→456kgと大きく増減していることからもまだ成長途上の印象を受けます。

しなやかなストライドで差す馬で東京コースはベストですが、体調が整っているのかが大きなポイント。

 

ホウオウパフューム

距離の適性から陣営は早くから桜花賞をスキップしてオークスへ狙いを定めていた素質馬。3歳世代はハーツクライ産駒が大活躍していて、リスグラシュー、アドマイヤミヤビ、スワーヴリチャードなど「黄金世代」と言えるほどの陣容です。

前走は牡馬混合戦の寒竹賞を後方から追い込んで2馬身差の快勝。その後は成長を促すためにレース間隔を空けました。

母系はキングマンボ×エルプラドとスタミナとパワーに優れた配合で、前走の捲り追い込みはこのパワーが十分に表現された走りだったと言えます。

 

不安点

母系は機動力とパワーに優れた構成で、東京コースよりも小回り向きの配合です。また、今回は前走から3ヶ月近くの休み明け、オークスを目標にした仕上げで臨む1戦とあって馬体も精神的にも余裕をもたせた造りなのは間違いありません。

フルゲート18頭が揃う重賞レースを素質だけで後方からぶっこ抜けるのかは不安な点です。

 

予想

フルゲート18頭が揃い、オークスに向けて3枚のチケットを争う1戦ですから、直線はかなりの激戦が予想されます。

 

展開

逃げるのはタガノアスワド。そこにマイルで先行したヤマカツグレース、アドマイヤローザが続き、その後の並びは各馬のスタート次第といったところ。

ここ2戦の内容からタガノアスワドの逃げはそこまでスローには落とさずに、1000mの通過が61秒を切るくらいの流れに持ち込むと思います。瞬発力勝負では馬が悪いので、4角過ぎで後続に対してどれほどのリードを保っているのかが鍵に。

距離に不安のあるヤマカツグレースやアドマイヤローザが積極的に前を捉えに行くような競馬にはならなそうなので、先行勢が壁になるとタガノアスワドの逃げ粘りにも注意が必要です。ただ、騎乗する国分恭介は栗東所属で東京競馬場での騎乗経験が少ないのがネック。どのようなペースになるのかは予想がつきません。

 

◎モズカッチャン

1枠を得て和田騎手ですから、スタートから出していけば好位置が取れるメンバー構成。

ハービンジャー産駒らしく小倉→中山と小回りを連勝してここへ参戦してきました。ピッチ走法なので本来は内回り>外回りの適性。東京コースでは割引が必要ですが、どう考えてもタガノアスワド以下はスローになりそうで、キレるハービンジャー産駒らしく一瞬の加速でインを抜け出して来れるのでは、と期待します。

「キレる」とは言え、東京コースではなおさらディープインパクト産駒にはキレ負けしてしまうので、エアレーションが効いてパワーも要る開幕週の馬場で狙いたいタイプです。

ホウオウパフュームと同じように牡馬混合戦で勝ちきっているのは高評価で、前走で負かしたビービーガウディが土曜日の新緑賞(東京芝2300m)を快勝したことからも牝馬同士なら強気になれます。

 

◯フローレスマジック

フローレスマジックとホウオウパフュームの2択であれば、配合的には東京コースが合うこちらを上位に。

しなやかなストライドで走る馬で、東京コース+2000mの距離は適性としてはずんどば。

問題は姉のラキシス(角居厩舎)や兄のサトノアラジン(池江寿厩舎)と異なり、フローレスマジックは美浦の木村哲厩舎に所属していること。もちろん、アルビアーノなど素質馬をきちんと走らせている木村厩舎が悪いというわけではなく、上に挙げた厩舎と比較するとどうしても……。

体調面と多頭数のなかでスムーズな競馬ができるのかが注目で、強引に進路を取りに行かない戸崎騎手が馬群に包まれなければ力は発揮できると思います。

 

▲ビルズトレジャー

ホープフルS、共同通信杯と牡馬に混じって重賞レースを走り、7着、7着と結果は出せませんでしたが、メジロドーベルの孫という血統からもしなやかにストライドを伸ばす中距離馬で、フローラSの舞台は合っています。

2000mであればこの世代の牝馬のトップクラスともそれほど差のない競馬ができるはずで、問題はスタートでの出遅れ。ここ2戦は最後方からロスの多い競馬になっていますから、スタートをまともに出られたなら好走する可能性も十分にあります。

 

△ニシノアモーレ

ビルズトレジャーと同じように牡馬混合の重賞と500万下を走って凡走したここ2戦。前走トリコロールブルーの勝ったフリージア賞は出遅れた上にスローの流れになってしまい、上り最速の33.8で8着。そのフリージア賞ではフラワーCでファンディーナの2着と好走したシーズララバイとクビ差ですから、牝馬戦でスタートさえまともに出られれば……。外枠に入ったので無欲で追い込めれば3着内に入れるのでは…と期待します。

 

△ディーパワンサ

ローテーションがどうなのか?  はひとまず置いておき、左回りに替わるのはプラスでエアレーションが実施された開幕週の馬場も合うタイプです。

引き続き内田騎手を乗せたということは前走と同じようにある程度前での競馬になるはずで、フワリと先行すればかなりしぶとい脚を使えます。

阪神JF→フラワーC→フローラSというローテーションを見ると、フラワーCでは体調面が整ってなかったと考えられここが試金石になりますね。

 

△ホウオウパフューム

鞍上が田辺騎手でなければ買い目には入れないと思います。内枠に入り18頭の多頭数をどのように捌くのかに注目。

中山コースで後方から一気の脚を見せたように、一瞬の加速に優れたタイプですからスローが希望。

田辺騎手が馬群を上手に捌ければ馬券圏内はあると思います。ただ、大外に出すようだと厳しいかもしれません……。

 

△タガノアスワド

展開のところでも書きましたが、今回のレースでは先行勢が壁になってこの馬向きの逃げに持ち込めそうです。不安な点は国分恭介騎手が東京コースでのレース経験が少ないことくらいでしょうか。

ただ、東京コースの2000mの重賞での逃げきりというのは難易度が高いことも確かです。

 

買い目

モズカッチャンがこのままの人気をキープできそうなので、まずは馬単から。

ビルズトレジャーとニシノアモーレの人気が薄いので、モズカッチャンからの3連複はここから。

フローレスマジックからの馬単はモズカッチャン、ビルズトレジャー、ニシノアモーレの3頭へ。

 

馬単

1→14. 11. 15. 12. 5. 6

14→1. 11. 15

 

3連複

1軸目:1

2軸目:11. 15

3軸目:11. 15. 14. 12. 5. 6

 

皆様によっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。