GⅢフラワーC(2018年)は大好きな配合が素質でぶっこ抜くと信じてノーブルカリナンに◎を

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3歳牝馬による重賞のフラワーC(GⅢ・中山芝1800m)は、本賞金を上積みできる2着までに入れば桜花賞出走の可能性が出てくるため、GⅠへ向けて最終便となるレースです。

関東圏でのレースとなること、小回りの中山芝1800mという舞台から、このレースで好走したとしても桜花賞へ直結するとは言えない(✳︎)ものの、その後のGⅠで活躍する馬も出ており、注目の1戦と言えます。

昨年はシーズララバイが2着に入線し、上手いこと少点数で3連単が当たりましたが、今年は果たして……。

✳︎直近では2011年にこのレースを制したトレンドハンターが桜花賞で3着の成績を上げています )

今年はどのようなレースとなるのでしょうか?

 

4頭のディープインパクト産駒が出走

今年のフラワーCは4頭のディープインパクト産駒が出走します。小回りの中山はコーナーを俊敏に加速するパワーと器用さをもつ馬に有利なコースのため、しなやかなフットワークで直線の長いコースを得意とするディープインパクト産駒にとっては不向きな舞台です。

ただ、3歳春のこの時期は「素質が適性を上回る」こともあるので、種牡馬だけで判断するのは軽率に過ぎるでしょう。

 

上位の人気に推されるのは?

ディープインパクト産駒のなかで上位の人気に推されるのは、阪神JFを4着と好走したトーセンブレス、M・デムーロ騎乗のカンタービレ、そしてエルフィンSを2着と好走したノーブルカリナンの3頭が考えられます。

このレースを好走できるかは別として、もっとも期待しているのは母系にコテコテのドイツ血脈をもつノーブルカリナンです。まずは、好みの配合と言えるこの馬について解説していきます。

 

ノーブルカリナン 3歳牝馬

父:ディープインパクト

母:ノーブルジュエリー(母父:Smarty Jones)

厩舎:友道康夫(栗東)

生産:社台ファーム

細身の馬体はマイラーというよりも中距離馬のもので、後肢のボリュームが薄く感じるのはディープインパクト産駒「らしさ」と言えるでしょう。

昨夏の新潟の新馬戦は極端に上りの速いレースとなり、しなやかなフットワークで加速に時間のかかるこの馬には不向きな流れでした。

母ノーブルジュエリーも3歳から高いスピード能力を発揮していたものの、ドイツ血脈らしく古馬になってからグングンと成長していたように、本馬も完成するのは来年以降でしょう。

 

血統

母ノーブルジュエリーは京都牝馬S3着、引退レースとなった中山牝馬S5着など重賞でも活躍した競走馬で、北米のスピード血脈で固められたSmarty Jonesとドイツのスタミナ血脈の母系とがマッチした競走馬でした。

Smarty Jonesの父Elusive QualityはGone West系としては底力のある種牡馬で、日本では阪神JFを制したショウナンアデラ(父ディープインパクト)の母父としても知られています。

 

ディープインパクト×母父スピード+パワータイプの種牡馬

ディープインパクトは柔らかさと細身の馬体を産駒に伝える傾向があり、母父に筋肉量を増やせるスピード+パワータイプの種牡馬との掛け合わせによって、一流馬を輩出しています。

ノーブルカリナンの母父Smarty Jonesはこの傾向に合致(スピード血脈で固められているため、ややパワーが足りない恐れも……)しており、好配合のディープインパクト産駒と言えるでしょう。

 

母系のドイツ血脈がアクセント

ノーブルカリナンの血統表の4分の1はドイツ血脈で固められているため、ここが豊かな活力を生むアクセントとなっています。自身も5代アウトブリードですから、古馬になってからもグングンと成長するはずです。

これまでの3戦において、ややエンジンのかかりが遅いところが見受けられるのは、スピード血脈が豊富なことと強いインブリードをもたないことによるもの。後肢に筋肉が付き、重厚なストライドで走れるようになったときが完成形です。

 

フラワーCに向けて

現状では後肢の非力さが目立つため、小回り+急坂の中山芝1800mはマイナス。3歳春の時点で後肢に筋肉がつききっていなかったショウナンパンドラ(父ディープインパクト×母父フレンチデピュティ)が1人気に推されたフラワーCを5着と破れているように、コースへの不安は大きいと言えます。

また、細身の馬体の馬で関東への輸送をこなさなければならないことも不安点のひとつで、ここを素質で突破するようであれば、今後のGⅠ参戦に向けて大きく展望が拓けることになるでしょう。

✳︎ショウナンパンドラもエルフィンS2着からフラワーCに参戦

馬体の作りは中距離馬に見えること、気性的にもかかるところがないことから、マイル→1800mへ距離が延長されるのはプラスです。

 

今後に向けて

前走から間隔を空けたことで、馬体がどれほど成長しているのかが大きなポイントとなります。長距離輸送によって、馬体が減ることだけは避けたいですね。

将来的には阪神芝1800mや東京芝2000mがベストコースだと考えられるので、桜花賞よりもオークス向きですし、母と同じような成長曲線を描くのであれば、来年のエリザベス女王杯が面白いかもしれませんね。

友道康夫厩舎の管理馬とあって、フラワーCのレース次第では秋に向けて休養に入ることも考えられ、この馬にとって今走は今後に向けての大切な1戦になることは間違いありません。

 

予想

ノーブルカリナンは社台ファーム生産馬ながら、ミルコやルメールではなく勝浦騎手が騎乗するということ(✳︎)で、レースに対する準備という面ではマイナスです。

✳︎勝浦騎手の上手い下手ではなく、社台ファーム生産馬で外人ジョッキーを確保できなかったことは準備不足と言わざるを得ません。

小回り中山芝1800mのレースですから、無理なくグルッと一周してくるレースを友道調教師も指示するはずで、ショウナンパンドラと同じように3〜4コーナーで加速できずに4、5着というシーンが思い浮かびます。

それでは、ロックディスタウンやトーセンブレスなどの上位人気馬がアッサリとワンツーを決めるようなレースかと言えば、う〜んと首をひねりたくなりますし、人気薄の馬に魅力的な馬がいるかとなるとそれもやや疑問が……。

穴っぽいところだとファストライフとウスベニノキミの2頭。前者は父スーパーホーネットらしく平坦京都がベストで、前走の東京コースでも伸び始めていたのは直線の坂を駆け上がってからでした。後者は母が49kgの軽量でGⅢマーメイドSを差し切ったソリッドプラチナムで、半姉のスティルウォーターを見ても、中山芝1800mがベストとは思えず……ただ、ファストライフよりはこちらの方が好走する可能性は高いと言えます。

 

◎ノーブルカリナン 3歳牝馬

ロックディスタウンは母ストレイキャットが早熟な仔を出していることから、阪神JF敗戦の立て直しがしっかりとできているのかは不安が……。ここを好走できるかどうかは「走ってみないと分からない」ことなので、◎にはできません。

トーセンブレスはディープインパクト産駒ながら小回り向きの馬で、柴田善臣大先生ののんびりとした捲りがハマれば頭まで突き抜けても驚かないものの、イマイチ信用ができず……。

となると、適性的には「?」が付くものの、このメンバーであれば素質でぶっこ抜いても不思議のないノーブルカリナンに◎を。勝浦騎手が無理をせずにぐるっと一周してくるだけでも差し切れるのではないか、と期待します。

 

相手は人気2頭と人気薄3頭に

人気のロックディスタウントーセンブレスはここで好走しても驚けないので相手で拾います。

人気薄からはウスベニノキミインヴィジブルワンファストライフの3頭を。

インヴィジブルワンは先週6勝を上げ、今年の3着内率が6割超えの藤原英昭厩舎ですから、この人気なら喜んで拾います。

 

買い目

ロックディスタウンとトーセンブレスの2頭は人気があるので、この絡みはすべて3連単で。人気薄の3頭へは馬連を買います。

 

3連単

1着:5. 4. 9

2着:5. 4. 9

3着:6. 7. 12

 

馬連

5 → 6. 7. 12

 

まとめ

ノーブルカリナンが重賞に挑戦するとあって、今からレースが楽しみですね。まずはパドックで前走からの成長を確認したいところです。フラワーCは適性に合っていないだけに、素質でどこまで走れるのかに注目しています。

以上、お読みいただきありがとうございました。