大物牝馬ファンディーナが登場ーーフラワーC(2017年)予想

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ソウルスターリング、アドマイヤミヤビなどのハイレベルな牝馬が出走を予定している今年のGⅠ桜花賞。

フラワーCはクラシック戦線に新しく名乗りを挙げる馬が現れるのかに注目が集まるレースです。

今年のフラワーCは「最後の大物」とメディアでも広く取り上げられる牝馬ファンディーナが出走するとあって、例年以上の盛り上がりを見せています。

 

ファンディーナ

新馬戦→つばき賞(500万下)とスケールの大きな走りで連勝を飾り、一躍注目を集めました。

フラワーCでも1番人気に支持されることが濃厚で、まずはこの馬の解説から。

 

血統

父:ディープインパクト

母:ドリームオブジェニー(母父Pivotal)

厩舎:高野友和(栗東)

母ドリームオブジェニーは初年度から皐月賞7着のナムラシングン(父ヴィクトワールピサ)を輩出し、2年目がファンディーナと名繁殖牝馬の道を歩み始めています。

ドリームオブジェニーは父Pivotal×母父A.P. Indy×母母父Mr. Prospectorですから全体としては柔らかい血が豊富な馬です。

Pivotalは母系にCozzeneーCaroと柔らかい血が入り、そこにNureyev直仔のPolar Falconが掛け合わされてパワーとスピードが補給されたスプリンターで、このパワーの部分がディープインパクトのしなやかさとが出会って産まれたのがファンディーナと言えます。

半兄のナムラシングンはMachiavellian=Coup de Genieの全兄妹クロス(*)にHaloのクロスと、皐月賞でもサトノダイヤモンドと遜色ないほどの速さで捲れる機動力に優れた配合でしたが、ファンディーナは兄よりも血統のアウトラインがオーソドックスです。

*同じ父母から産まれた兄妹のクロス

 

過去2戦のレース内容

新馬戦はゆったりとしたペースでの逃げ、つばき賞は意識的に控えてからの末脚勝負と、異なるレース振りで連勝をしたファンディーナ。

ここではその2戦を振り返ります。

 

新馬戦 京都芝1800m

好スタートを切ると、岩田騎手がいくらか促してハナへ。競りかけて来る馬もいないまま3角手前で隊列が決まり、道中はスローペースで流れます。1000mを63.4秒で通過すると、京都の下り坂で自然とファンディーナのスピードが上がり直線へ入ります。岩田騎手が手綱を動かすと後続を突き放し、残り300mからはもったままで2着に9馬身差の圧勝劇。

京都コースでスローの競馬ですから上りの34.3は特別に速いわけではありませんが、ラスト2Fの11.0 - 11.4は追うところなくほぼ失速しないラップを刻んだのは上々の内容と言えます。

この時点で、スローの流れであれば高いパフォーマンスを発揮できることは分かりました。

 

つばき賞 500万下 京都芝1800m

タガノアスワドが先手を取り、ファンディーナは4番手の外に控えます。1000m通過が64秒のスローになりますが、逃げるタガノアスワドは2番手以下に5馬身ほどのリードを保った状態で3〜4角の下り坂へ。ファンディーナはじわっと川田騎手が4角でスピードに乗せると、直線で追い出して前を捕らえにかかります。「これは逃げ切りかも」と思わせた逃げ馬との差を、残り200mを切ってから鋭い脚で差し切り最後は流す余裕を見せました。

上り34.3のタガノアスワドを33.0の上りで差し切ったファンディーナの強さが際立つレース。新馬戦からさらに差し脚の鋭さを増していて、スローのレースであれば重賞級のポテンシャルをもっていることが十分に示された1戦。

 

フラワーCに向けての不安点

フラワーCに向けて、ファンディーナの不安点は3つあります。

 

1. コーナー4つのコースへの適性

フラワーCが施行される中山1800mはコーナーが4つの舞台です。ファンディーナはコーナー2つの京都芝1800mしか経験がないため、小回りの中山のカーブをスピードに乗って進出できるかどうか…

 

2. スローの競馬しか経験していない

道中ペースが流れると、追走に脚を使ってしまい、終いの脚に影響が出ることがあります。スローでは弾ける脚が使えることは分かっていますが、ペースが流れた時に過去2戦のような脚を見せられるのかは…

 

3. 初の長距離輸送

レースの間隔が詰まっているなかで、今回が初の長距離輸送。長い時間の輸送でテンションや体調の管理を上手にクリアできるのか…当日の気配には注目しましょう。

 

中山1800m芝のポイント

中山芝1800mは小回りのためにコーナーをスピードに乗せながら曲がる機動力が問われる舞台です。中山牝馬Sの予想でも書きましたが、基本的にはピッチ>ストライド走法というのが好走馬を見分ける上での重要なポイントになります。

ストライドで走るドゥラメンテが皐月賞(中山芝2000m)を大外に膨れながらも鋭く差し切ったように、完歩が大きな馬はコースロスを覚悟して外へ出さなければなりません。

また、走法の有利不利はペースによっても異なります。

スローペース→ピッチ優勢

ミドル〜ハイペース→ストライドでも届く

ペースによってどちらの走法に有利なるのかも予想をする上でのポイントです。

 

フラワーCの展開は?

ピュアな逃げ馬がいないため、デアレガーロかドロウアカード、サンティールが押し出される形でハナへ。どれが逃げるにしてもペースが上がることはなく、スローでも折り合いに不安のないファンディーナが前を突つくこともないでしょう。

スタートが決まればドロウアカードがハナに立ち、デアレガーロとファンディーナは2、3番手に控えます。ただ、ファンディーナの末脚は誰もが分かっていることですから、残り800mからペースアップして直線へという展開に。

 

予想

それでは張り切ってフラワーCの予想をしていきましょう!

◎ファンディーナ

内枠に入った場合、インで詰まって…というシーンも考えられましたが、外目追走であれば自慢の末脚を発揮できるはずです。

問題は相手関係と言うよりも、ローテーションが詰まっている中での初めての長距離輸送など、レースに走れる状態での出走になるのかというところです。馬格のある牝馬ですから、多少体重を減らしても…とは思いますが、当日の気配には十分に注意しなければいけません。

ファンディーナの走法はピッチ

ファンディーナのレース映像を観ると分かりますが、回転の速いピッチ走法です。ただし、身体がしなやかなので脚をきれいに伸ばせるのがこの馬の長所でもあります。

ピッチ走法ですから、スローも中山コースも適性としてはOK。

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◯サンティール

父:ハービンジャー

母:サンヴィクトワール(母父サンデーサイレンス)

厩舎:鹿戸雄一(美浦)

サンティールについて、詳細は下記を参照してもらえれば幸いです。 ここでは簡単に。

hakusanten.hatenablog.jp

半姉のサンソヴール(キングカメハメハ)はGⅢ愛知杯で2着とオープンでも活躍しました。サンティールは父がハービンジャーに替わり、小回り向きのピッチ走法はそのままに、上りのかかる競馬で力を発揮するパワータイプに出たのは納得です。

未勝利戦は好位のインをロスなく追走し、直線を向くと前を走る2頭の間をピッチ走法で鋭く割る脚(上り35.8)を見せての快勝。鞍上のV・シュミノー騎手の見事な手綱捌きもありましたが、大人びた走りに好感がもてる内容でした。

今回は内目の枠に入り、サンティールより内には先行馬が見当たらないですから、すんなりとインのポケットを取れる組み合わせです。鞍上の津村騎手はスタートが上手ですし、内でごちゃつきそうになるならハナを主張してもOK。

日曜日の10R、11Rと芝は標準よりも速いタイムが出ていました。内の先行馬が残っていたことからもインベタ馬場へ移行している可能性もあり、インをロスなく立ち回れそうなこの馬にもチャンスがありそうです。

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▲シーズララバイ

父:ファルヴラブ

母:シースプレイ(母父ハーツクライ)

厩舎:竹内正洋(美浦)

ファルヴラブ産駒らしい脚捌きの硬いピッチ走法。前2走は牡馬混合の特別戦で、それぞれの勝ち馬はスプリングSでも上位に入線したウインブライトとトリコロールブルーですから、負けたのは致し方のないところです。2戦ともに異なる脚質で上位に走ってきており、特に、ウインブライトの勝った若竹賞は1000m通過が60.8の速い流れを好位のインから抜け出しての4着と上々の内容。

中山>東京という脚質ですから、小回りですっと捲れれば上位進出も十分に考えられる組み合わせです。

柴田善騎手の捲りであれば、ファンディーナが仕掛けた後をついていくような形になるはずで、展開的にもばっちりはまると思います。

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以下は3着候補で

△モリトシラユリ

△ドロウアカード

△サクレエクスプレス

△ディーパワンサ

 

ディーパワンサとデアレガーロについて

上記2頭は期待よりも不安が大きく、ディーパワンサは3着で抑えますが、デアレガーロは馬券の対象外にします。

 

ディーパワンサ

中京2歳Sを勝っていることから、桜花賞に出走するための獲得賞金は足りています。大きな不安は、馬格のない馬がわざわざ長距離輸送で中山を走ること、そして、ここ数戦の内容から差しに構えそうなことです。

2走前のデイリー杯2歳Sを観ても分かるように、この馬は上りの脚に限界がありますし、将来的には先行して粘り込むような脚質に完成するはずです。最内枠に入ってしまったことで差しに構えると内を捌くのに…

ただ、阪神JFの内容からも能力は疑いようがないですから、3着には押さえます。

 

デアレガーロ

この馬の2連勝はスローペースのもので、その点はファンディーナと同じなのですが、異なるのはラストが大きく失速してしまうところです。特に、前走は失速ラップにも関わらず、デアレガーロが前を行く馬をゴール前でギリギリ捕らえるというレース。この内容だとペースが流れた時に厳しいですし、前走の映像を見ても、4角で少し前を行く馬から離されるのはコーナーでスピードに乗り切れていない証拠です。

現状では中山1800mの重賞で期待できるものを示していないので…

 

買い目

ファンディーナの1着固定の3連単とサンティール、シーズララバイからの馬単を。

 

3連単

1:12

2:4. 6

3:4. 6. 3. 8. 9. 1

 

馬単

4. サンティール→12. 6. 3. 8. 9

6. シーズララバイ→12. 4. 3. 8. 9

 

まとめ

ファンディーナがソウルスターリング、アドマイヤミヤビが待つクラシック戦線へ名乗りを挙げることができるのか?

また、フラワーCがどのような結末になるのかも楽しみです。

 

皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。