福島記念(2018年)は1800mベストの◎トーセンビクトリーと◯マサハヤドリームに期待して!ーー予想

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エリザベス女王杯当日の福島競馬場メインレースは、ハンデ重賞の福島記念(GⅢ・福島芝2000m)が組まれています。

福島はローカルの小回りとあって、コーナーで加速できる器用さの活きるコースです。コーナーを俊敏に捲れるのはどの馬なのでしょうか?

 

時計の速い福島の芝

開催週の福島芝は日曜日のメイン・レースとして行われた「みちのくS(1600万下・芝1200m)」で1分7秒8の好タイムの出る高速馬場。近年のJRAはどこもかしこも馬場が高速化していて、「びっくり!」よりも「またか……」といくらか食傷気味ではありますね。

 

外差しもOKの馬場

福島の芝コースは傷みに強い「野芝」のエクイターフを多く使用しているため、開催が進むにつれて外差しになる(内の馬場が悪くなる)ことが少なくなりました。また、「高速馬場=イン有利」ではなく、ペースによって外差しもOKのイーブンな馬場となっているのも特徴です。

 

福島記念は1800mベストの人気薄が好走

福島記念は過去5年、以下の5頭が6人気以下で3着内に好走しています。

6人気以下の好走馬

・2017年

3着:ヒストリカル(10人気)

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・2016年

1着:マルターズアポジー(7人気)

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・2014年

1着:ミトラ(6人気)

2着:フラアンジェリコ (13人気)

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2013年

3着:ラブイズブーシェ(7人気)

ラブイズブーシェを除く4頭の共通点は1600〜1800mの重賞レースで3着内に好走していることです。マルターズアポジーとフラアンジェリコはマイルの重賞勝ち馬ですし、2014年の勝ち馬ミトラはこのレースを制するまで1200〜1600mをメインに走っていました。

福島記念は「小回り+高速馬場」が影響しているのか、スタミナよりも「1600〜1800m向きのスピード」が活きる舞台となっており、人気薄の好走馬はこのタイプばかりです。また、上記の好走馬はノーザンテーストやRoberto的なパワーピッチの馬というのも特徴と言えるでしょう。

 

今年の出走馬のなかで1800mベストなのは?

今年の出走馬のなかで、1600〜1800mのOP〜重賞好走している人気薄(6人気以下)は以下の7頭。

キンショーユキヒメ

ナイトオブナイツ

トーセンビクトリー

マイネルハニー

メドウラーク

マイネルフロスト

マサハヤドリーム

(内枠から降順)

2000mよりもマイル向きなのは、トーセンビクトリー、ナイトオブナイツ、マサハヤドリームの3頭。軸はここから考えます。

 

予想

今年の福島記念はマルターズアポジー、マイスタイル、トミケンスラーヴァ、マイネル3頭と逃げ・先行馬が揃いました。マルターズアポジーの戸崎騎手、マイスタイルの田中勝騎手ともにバンバン飛ばして逃げる騎手ではなく、どのようなペースになるのか……。

マイスタイルは今春の福島民報杯で前後半1000mが58.1 - 62.7のハイペースを2番手追走から2着に粘り込んでおり、前々で運ぶと渋とい馬です。ただ、田中勝騎手がマルターズアポジーを先に行かせて離れた2番手に付けるようだと、スローペースでも動かない可能性があります。マイスタイルが壁になって差し・追い込みが決まらないシーンも……。

 

1人気はエアアンセム

1人気に推されるのは今夏の函館記念を制し、秋の初戦となったオールカマーを4着と好走したエアアンセム。祖母エアデジャヴーから広がる牝系は俊敏なピッチ走法を伝えるため、小回りの1800〜2000mがベストの馬を多く出しています。

✳︎この牝系の活躍馬エアスピネルはピッチ走法なので、中山芝1800がベストです

コース適性も文句なく、ロスのない1枠は大きなプラス。田辺騎手はオールカマーから引き続いての騎乗とあって、大きな不安はありません。1分58秒台の高速決着になったときには取りこぼしもあるかもしれないものの、オッズに見合った1人気の馬と言えるでしょう。

 

◎トーセンビクトリー 6歳牝馬

父:キングカメハメハ

母:トゥザヴィクトリー(母父サンデーサイレンス)

厩舎:中竹和也(栗東)

生産:ノーザンファーム

3歳秋のローズS(GⅡ・阪神芝1800m)では2着ミッキークイーンと0.1差の3着に好走するなど、クラシック路線でも活躍が期待された1頭。昨春の中山牝馬Sで初重賞制覇を飾りました。

今年は小回りの重賞レースをメインに走り、ソコソコには走っています。前走のブラジルC15着は初ダートだけにノーカウントでOK。小回りコースがズンドバなだけに、インをロスなく立ち回れれば牡馬相手でも。

 

血統

母トゥザヴィクトリーはエリザベス女王杯を勝った名牝で、自身も有馬記念を3着と好走しています。全兄のトゥザグローリー=トゥザワールドが、俊敏にコーナーを回るピッチ走法を武器に有馬記念を2・3着と好走していることからも、この血統は中山コースがずんどばです。

トーセンビクトリーは全兄たちと同じピッチ走法を母から受け継いでおり、中山牝馬S1着、札幌のクイーンS2着と小回りの重賞で好走。福島記念は願ってもない舞台と言えます。

 

福島記念に向けて

今年のAJCC杯を5着と好走しており、直線の短いコースであれば牡馬相手でも大きく引けを取りません。昨年からするとやや力の衰えを感じるものの、このメンバーであれば馬券圏内があっても……。この人気ならここから入りたいですね。

 

◯マサハヤドリーム 6歳牡馬

父:メイショウサムソン

母:ランペイア(母父アグネスタキオン)

厩舎:今野貞一(栗東)

生産:社台ファーム

今夏の福島テレビOP(芝1800m)を快勝した追い込み馬。トモが非力なために後方からのレースとなりますが、小回り向きの捲り脚をもっているタイプ。小倉大賞典5着ほど走れればチャンスもあるでしょう。

 

血統

祖母スマラがSir Gaylord×Swansea3×5のニアリークロスをもち、父系にPrincely Giftを引くことからトモが非力なタイプ。Northern Dancerのクロスがうるさいため、しなやかなストライドというよりも、小回りをギュンと捲れる馬に出ました。

父と母父が似た血統構成ということもあり、両親の競争能力を素直に受け継いでいます。母系に揉まれ弱いVaguely Nobleが入るので、馬群に入るのはダメなタイプ。大外枠というのは気性的にプラスでしょう。

 

福島記念に向けて

大外枠に入ったので、馬群に揉まれないレースができるのはプラス。ここはマルターズアポジーとマイスタイルが緩めずにレースを進めるなら、この馬の差し込みがあっても……。外差しの効く馬場だけに展開が向けばチャンスもあります。

 

△ナイトオブナイツ 5歳牡馬

父:ハービンジャー

母:シャイニングアレキ(母父サンデーサイレンス)

厩舎:池添兼雄(栗東)

生産:社台ファーム

1人気のエアアンセムとは今年の函館記念で対戦し、0.6差の8着と敗れています。そのレースは好位のインで立ち回った馬がワンツーを決めたレースだっただけに、中団の外を回されたナイトオブナイツには苦しい展開でした。

 

血統

母シャイニングアレキはフジキセキと4分の3同血なので、ナイトオブナイツはトーセンバジル(ハービンジャー×フジキセキ)と似た配合。外回りコース向きのストライドなので、小回りだとやや割引が必要です。Wild Riskの影響からか馬群があまり良くないタイプだけに、多頭数なら馬群がバラける展開が理想。

 

福島記念に向けて

松山騎手の継続騎乗は魅力。ただ、本質的には直線の長いコース向きの馬なので、小回りなら持続戦になる展開がベストです。戦績としてはここを好走する可能性もありますが、コース適性の部分で△の印に。

 

その他の馬について

人気のエアアンセムは大きなマイナスもなく、体調面などに狂いがなければ好勝負。メドウラークは上りのかかるレースがベストなので、緩まないペースの消耗戦になれば。

スティッフェリオとマイスタイルは消耗戦もOKな先行馬だけに取捨が難しいですね……。

 

買い目

トーセンビクトリーから◯と△の2頭への馬連を。その他は◎と◯2頭軸の3連複と、エアアンセム1着→トーセンビクトリー2・3着の3連単を買います。

 

馬連

9 - 7. 16

 

3連複2頭軸

9. 16 → 2. 5. 6. 7. 11. 12. 14. 15

 

3連単

1着:1

2着:9

3着:7. 16

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1着:1

2着:16

3着:9

合計13点。エアアンセム絡みの馬券は配当をしっかりチェックしないとですね。3連複はこの前のレースで当たっているなら総流しでもOK。

 

まとめ

今年の福島記念は逃げ・先行争いがどうなるのかがポイント。田中勝春騎手の気持ちひとつで前残りにもズブズブの差しにもなるメンバー。

さてさて、どんなレースになるのか今から楽しみです。

以上、お読みいただきありがとうございました。