函館2歳S(2018年)は2桁人気の関東馬に注目!ーーイチゴミルフィーユとトーセンオパールについて

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函館2歳S(GⅢ・芝1200m)はJRAにおける最初の2歳重賞。デビューして間もない若駒たちがスピードと完成度、そして素質を武器に世代初のステークスウィナーを目指します。開催最終週の重賞レースを勝ち上がるのはどの馬なのでしょうか?

 

函館2歳Sは前傾ラップがデフォルト

この時期の2歳馬は「素質」だけでなく、スピードと仕上がりの早さ(完成度の高さ)でレースを勝ち上がります。そのため、函館2歳Sはスピードに優れた「逃げ・先行馬」がズラリと揃い、1.0秒以上の前傾ラップになることがほとんどです。過去5年の勝ちタイムと前後半3Fからも、厳しいペースになることがわかります。

函館2歳Sの過去5年

2017年

勝ちタイム:1分10秒0(良)

前後半3F:34.5 - 35.5(1.0秒の前傾)

1着馬の通過順位:5 - 5

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2016年

勝ちタイム:1分09秒2(良)

前後半3F:33.5 - 35.7(2.2秒の前傾

1着馬の通過順位:3 - 3

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2015年

勝ちタイム:1分10秒6(稍重)

前後半3F:34.1 - 36.5(2.4秒の前傾

1着馬の通過順位:9 - 5

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2014年

勝ちタイム:1分10秒2(良)

前後半3F:34.1 - 36.1(2.0秒の前傾

1着馬の通過順位:1 - 1

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2013年

勝ちタイム:1分09秒6(良)

前後半3F:33.7 - 35.9(2.2秒の前傾

1着馬の通過順位:2 - 2

2秒以上の前傾ラップというのは、芝のスプリント重賞としてもかなりのハイペースです。ただ、ペースの緩かった2017年と稍重馬場だった2015年を除けば、3番手以内に付けた馬が勝ちきっていることから、函館2歳Sは前傾ラップを粘り込めるスピードとパワーが求められるレースと言えるでしょう。

馬場が渋ってタフにならなければ、逃げ・先行馬が勝ち切れるのが函館2歳S。前が速くなりそうなメンバーであっても、4コーナー3番手以内に付けられる馬を狙いたいレースです。

 

2桁人気の好走馬は?

函館2歳Sは4年連続で2桁人気馬が3着内に好走しており、高配当も狙えるレースです。また、2013年は2・3着に9人気と8人気の馬が入線して波乱となっているように、下位人気馬のチェックが欠かせません。それでは、2桁人気馬に共通する点を探してみましょう。

好走した2桁人気馬

2017年

2着:ウインジェルベーラ(12人気)

通過順位:2 - 2

枠番:4枠8番

所属:美浦

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2016年

3着:タイムトリップ(13人気)

通過順位:3 - 4

枠番:3枠5番

所属:美浦

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2015年

3着:ヒルダ(10人気)

通過順位:4 - 5

枠番:3枠6番

所属:美浦

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2014年

2着:タケデンタイガー(11人気)

通過順位:7 - 6

枠番:3枠6番

所属:美浦

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2013年(参考)

2着:プラチナティアラ(9人気)

3着:トーセンシルエット(8人気)

ともに内枠の関東馬

過去5年を振り返ってみれば、共通点があきらかになりますね。

 

共通点は?

好走した2桁人気馬の共通点は以下の3点。

関東馬

内枠

インを器用に立ち回れる

好走馬のmustは「関東馬」と「内枠(4枠より内)」の2点。インを器用に立ち回れるかは枠順によるところも大きいので、「できれば」という扱いです。

 

関東馬は?

枠順は金曜日になるまで待つとして、ここでは人気薄になりそうな関東馬をピックアップしておきましょう。出馬登録をしている関東馬は以下の8頭です。

イチゴミルフィーユ

カルリーノ

ガイセン

トーセンオパール

ニヴィアン

ヒストリコ

ホールドユアハンド

ラブミーリッキー

(50音順)

このなかで注目しているのはイチゴミルフィーユとトーセンオパールの牝馬2頭。この2頭が内枠に入ったら、迷わず本命にする予定です。

 

イチゴミルフィーユ 2歳牝馬

父:ヨハネスブルグ

母:ホシノメガミ(母父サンデーサイレンス)

厩舎:林徹(美浦)

新馬戦は好位のインから直線ですっと抜け出しての完勝。レースぶりからはいかにも函館2歳Sで好走するタイプです。福島から函館へ転戦となるため、長距離輸送をこなせるかがポイントとなります。馬体の維持と当日のテンションには気をつけたいところです。

 

血統

ヨハネスブルグはスピードとパワーを産駒に伝え、OP級の馬はダートよりも芝に向きます。代表産駒のネロとホウライアキコは芝のスプリント重賞の勝ち馬。また、エイシンバッケンのようにダートのOP級は古馬になってから成長を見せるのもひとつの特徴と言えるでしょう。

父ヨハネスブルグ×母父サンデーサイレンスはネロやホウライアキコが出ていることから、好相性の配合。イチゴミルフィーユはNijinsky6×4のクロスをもち、バリバリのスプリンターというよりも1400mあたりがベストのタイプに見えます。

前傾ラップになったとしても、Nijinskyのスタミナとパワーで粘り込めるはずで、内枠から前々の好位に付けられるのならチャンスもありそうです。

 

トーセンオパール 2歳牝馬

父:スウェプトオーヴァーボード

母:トーセンルクリア(母父ダンスインザダーク)

厩舎:小笠倫弘(美浦)

函館芝1200mの新馬戦は、小気味良いピッチ走法で4コーナーから加速すると、直線で逃げ粘る2着馬を楽々と突き放しての完勝。勝ちタイムの1分10秒2は標準のものながら、コーナーでビュンと加速する走りはいかにも小回り向きです。410kgと小柄な牝馬だけに体調面での大きな上積みは「?」が付きますが、完成度の高さはこのメンバーに入ってもヒケを取りません。

 

血統

Myrtlewood Lassに遡る牝系はBCターフ勝ち馬のチーフベアハート、菊花賞馬オウケンブルースリなどが出ています。母系はNorthern DancerやGold Diggerなどのクロスがうるさいだけに、アウトブリードの種牡馬が適しているでしょう。

スウェプトオーヴァーボード産駒の活躍馬が牡馬に偏っているのは、牝馬だと小柄で非力なタイプが多く出るためです。代表産駒のレッドファルクスとパドトロワはスプリント重賞を勝っているものの、前者は「しなやかさ」に優れ、後者はパワーに優れているように、母系によっては異なるタイプが出ます。

トーセンオパールは小柄な牝馬なので、パワーよりも素軽さに優れたタイプ。回転の早いピッチ走法なので、洋芝や小回り向きのパワーを秘めていますが、2.0秒以上の前傾ラップになるようだと不安が残ります。ただ、コーナーを上手く立ち回れるだけの器用さをもっており、内枠に入ればチャンスも十分でしょう。

 

まとめ

上記の関東馬はカルリーノとホールドユアハンズの2頭を除けば、人気薄になる可能性が高い6頭です。イチゴミルフィーユとトーセンオパールの2頭は内枠をゲットできれば押さえておきたい馬で、波乱の立役者になるのではと期待しています。

今年の函館2歳Sも2桁人気馬の激走があるのか、今からレースが楽しみですね。

以上、お読みいただきありがとうございました。