シュウジ(牡4歳 須貝厩舎)が圧倒的な人気を集めそうな今年の阪急杯(GⅢ 阪神芝1400m)。
GⅠ馬2頭が顔を揃えた昨年末の阪神C(阪神芝1400m)で、ミッキーアイルの逃げを目標に2番手から抜け出したイスラボニータを、パワーでねじ伏せたシュウジの走りは高いポテンシャルを印象づけるものでした。
◯シュウジ
母:カストリア(母父:Kingmambo)
その阪神Cからすると、骨っぽいメンバーが少ないことからも、GⅠ高松宮記念を目指すシュウジにとって内容だけではなく結果が問われる一戦になります。
阪急杯のポイント
ポイントは3つあります。
1. 開幕週の馬場(インベタ*)
2. 逃げ・先行勢が手薄
3. インコースが大渋滞?
*インコースが伸びる馬場のこと
開幕週の馬場
阪神は京都ほど露骨にインコースが有利な馬場ではないとしても、やはり開幕週の芝は外を回ると不利。内枠で前に付けられる馬は注意が必要です。
逃げ・先行勢が手薄
今年の出走メンバーを見渡すと、純粋な逃げ馬や先行するタイプがそれほど多くはいません。いかにもスローペースになりそうで、開幕週の馬場と併せてインを上手に捌ける馬にチャンスがありそう。
インコースが大渋滞?
2014年の函館SSで、単勝1.6倍という圧倒的人気を集めたストレイトガールが11着と大敗しました。開幕週のレースで騎手もインコース有利の意識が強く、多数の馬がインに殺到。結果としてストレイトガールは進路が全く開かず敗れました。
騎手の意識がインコースに向きすぎると、インが渋滞し、馬群の外目をスムーズに回ってきた馬が勝ってしまうことも。
人気のシュウジに死角はある?
1. スタートが不安定
2. 前向き過ぎる気性
3. スパッと切れる脚がない
スタートが不安定
前走の阪神Cでもそうでしたが、スプリンターにしてはスタートをもっさりと出るタイプなので、二の脚でリカバーしたとしても枠順によっては馬群に包まれてしまうことも。
前向き過ぎる気性
シュウジはその前向き過ぎる気性から、なかなかスムーズに折り合うことが難しいところをレースでは見せます。
前走のように馬場が重くなると、脚を取られる分だけなだめるのも楽なのですが、良馬場でスピードが出るようだと折り合いに不安が残ります。
スパッと切れる脚がない
母父Kingmamboの影響もあって、パワーに優れているので、スパッとしなやかに切れる脚はありません。
あまりスローペースになり過ぎると、ストライドでしなやかに切れる馬に刺されてしまう危険もあります。
阪急杯の注目馬
◯ミッキーラブソング
父:キングカメハメハ
厩舎:橋口慎(栗東)
パワーのある走りで阪神の内回りはベスト。1200〜1600mまで走れますが、パワーで押し切れる1400mがもっとも適性が高いと思います。
掛かる馬ではないので、積極性が持ち味の松若騎手がスタートしてすぐに前目のポジションを取るのなら今回はチャンスも。
好位のインを取れる組み合わせですし、位置取りが悪くなるようであれば、むしろ逃げてもOK。
昨春の安土城Sの1着から掲示板からも遠ざかっていますが、まだまだ先行できる脚は十分にあるので、気持よく逃げれると変わり身があっても驚けません。
枠順確定で内枠が引ければチャンス。
◯ヒルノデイバロー
母:デック(母父Go For Gin)
インコースが大渋滞した時の外をスムーズに回って差してくるタイプとして考えておきたい1頭。道中のペースが速くなって、縦長の展開で脚を伸ばすよりはスローからすっと抜け出したい馬です。
まとめ
枠順が確定すれば、道中の並びもある程度想定できるので、楽しみに待ちましょう。
また、週中の雨がどれほど土日の競馬に影響が出るかも注目です。
もし、シュウジが敗れるとしたら…
インコースが大渋滞のパターンくらいしかないかもしれませんね。