ジャパンカップ(2017年)は高速馬場でもサトノクラウンに◎を!ーー予想

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1年間に7つのGⅠレースが組まれている東京競馬場は日本が誇る「チャンピオン・コース」です。2017年、このコースで行われる最後のGⅠは、キタサンブラックとサトノクラウンが出走するジャパンカップ(芝2400m)。

不良馬場の天皇賞・秋で「歴史的な名勝負」を繰り広げた2頭が、ふたたび府中の長い直線で叩き合いを演じることになるのでしょうか?

 

東京の芝は高速化

東京の芝コースは先週からCコースに替わり、速い時計の出るレースが目立っています。芝が軽くなるにつれ、しなやかな体質のディープインパクト産駒の好走率も上昇。速い上りの脚を求められるレースが多く現れました。

25日(土)に東京競馬場で行われた芝レースの時計をおさらいしておきましょう。ここでは2歳戦を除く3レースを取り上げます。

11月25日(土) 東京芝

7R 3歳以上500万下

芝2400m

勝ちタイム:2分25秒0

レース上り:36.0

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11R キャピタルS OP

芝1600m

勝ちタイム:1分32秒6

レース上り:34.2

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12R 3歳以上1000万下 

芝1400m

勝ちタイム:1分22秒3

レース上り:34.1

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7Rは12秒前半のラップが続く持続戦になったために上りは36.0とかかったものの、500万下としては好タイムが出ました。少しでもペースが緩むと、上り33秒台を使わないと好走できないようなコンディション。外国勢にとっては苦しい戦いになりそうです。

 

キタサンブラックとサトノクラウン、レイデオロ

今年のジャパンカップで単勝オッズが10倍を切っているのは、キタサンブラック、サトノクラウン、レイデオロの3頭。これらの馬については週中に記事を書いていますので、よければご覧下さい。

 

予想

2016〜17年のJRAを引っ張ったキタサンブラックと宝塚記念を制したサトノクラウンは、不良馬場の天皇賞・秋で歴史に残る叩き合いを演じました。

未曾有の道悪馬場でマッチレースを繰り広げた2頭が、チャンピオンコースと言われる東京芝2400mを舞台にふたたび激突します。

 

天皇賞・秋の疲れは?

不良馬場の天皇賞・秋を走った疲れが取れているのかどうかはわかりません。2頭が叩き合った、あのゴール前のシーンを思い起こしても、体力を消耗したことだけは間違いないでしょう。

 

展開はスローが濃厚

現在の東京の馬場コンディションを考えると、「逃げ宣言」をしているドイツ調教馬のギニョールがハナに立てるのかどうかは不安があります。「ドイツ調教馬+ミナリク騎手+逃げ馬」のイトウがハナに立てなかった2015年のことがあるだけに……。

スタートさえまともに切れたのなら、枠順と二の脚の速さでキタサンブラックが逃げることも十分に考えられるメンバー。シュヴァルグランは宝塚記念で逃げて失速しているので、ここは前に壁を作りたいでしょうし、レイデオロやソウルスターリングも「逃げ」までは……。

大外枠のラストインパクトが無理をしてハナへ行かないかぎり、どの馬が逃げるとしても前半ゆったりと入ることは間違いなく、昨年のジャパンカップ のように残り4Fからのスパート戦になる可能性が高い出走メンバーと言えますね。

 

展開のポイントはサトノクラウンが握る

今年のジャパンカップで展開の鍵を握るのは、キタサンブラックではなくサトノクラウンです。この馬は宝塚記念のようにロングスパート戦+上りのかかるレースになると力を発揮するタイプなので、33秒台の脚を求められると勝ち切れません。

キタサンブラック、レイデオロ、ソウルスターリングの上位人気馬は4Fのスパート戦が理想ですから、上り3F35秒ソコソコのロングスパート戦にもち込みたいのはサトノクラウンのみ。そのため、M・デムーロ騎手が動かなければ、高確率でスロー+上り3F34.5のレースになるでしょう。

その代わり、ミルコ騎手がレースを動かすことができるのなら、ロングスパート戦に強い馬たちが台頭するシーンも描けます。土曜日の7Rのような上りのかかる展開になれば、ひょっとするとイキートスの差し込みも……。

 

◎サトノクラウン 5歳牡馬

父:Marju

母:ジョコンダⅡ(母父:Rossini)

厩舎:堀宣行(美浦)

生産:ノーザンファーム

R・ムーア騎手を背に、東京スポーツ杯2歳Sを上り33.8でしなやかに差し切ったときには、「この馬が来年のダービー馬になるのだろうな」と想像してワクワクしたものです。

2〜3歳春までの「しなやかさ」は古馬になってから少しずつ薄れ、それとともにこの馬がもっているスタミナが発現し、昨年の香港ヴァーズと今年の宝塚記念、2つの中距離GⅠを制するまでに成長しました。

しなやかなストライドで走るので、直線の長い東京芝2400mは掛け値なしにベストコース。このコースであれば、サトノクラウンは好調のキタサンブラックでも負かすことのできる力をもっています。

 

東京芝2400mのチャンピオンにふさわしい

オルフェーヴルやディープインパクトなど、コースや馬場や展開が不問の「スーパーホース」というのは一握りしかいません。どのような一流馬であっても、コースや馬場の得手不得手はあるのです。

しなやかなストライドで走るサトノクラウンは東京芝2400mのロングスパート戦ならキタサンブラックを負かせるだけのポテンシャルをもっています。だからこそ、ジャパンカップのチャンピオンにふさわしい馬だと言えるのです。

 

体調や展開は走ってみないとわからない

ジャパンカップに向けたサトノクラウンの調教は、お世辞にも見栄えの良い走りではありませんでした。体調が整っていないのかもしれません。とは言え、状態に不安があったとしても、馬場や展開が向かなかったとしても、このレースの◎はサトノクラウンにこそふさわしいのです。

 

2017年11月26日(日)の15時40分に、私とサトノクラウンのジャパンカップがスタートします。

 

ロングスパート戦に適性のある馬をピックアップ

サトノクラウンが勝ち切っているレースであれば、持続力とスタミナに優れた馬が2着に入るはずなので、◯はシュヴァルグランに期待。昨年のジャパンカップは大外枠からのスタートとあって、最後に脚を伸ばしての3着。今走は絶好の最内枠を引き、東京コースでスタミナの活きる展開になれば、キタサンブラックを差せる可能性も十分です。

以下は3着候補として。△イキートスは昨年に続いての内枠に入り、上りが35秒台の流れになれば持続力とスタミナを発揮するシーンも。スタミナに優れたアイダホは日本の馬場には合わないGalileo産駒に加え、少し枠が外過ぎるので……。

 

その他の有力馬について

レイデオロ、ソウルスターリング、マカヒキは5F以上のロングスパート戦に不安があります。キタサンブラックはスタミナを問われても対応可能なものの、サトノクラウンにマークされる分だけ割引。

 

買い目

サトノクラウンからシュヴァルグランへの馬単と、3着にイキートスをマークする3連単を。

 

馬単

12 - 1 

3連単

 12 - 1 - 6

 

まとめ

現在の東京芝は軽過ぎるので、はっきり言えばサトノクラウンにとっては不安。高速馬場+スローからの4F戦になり、キタサンブラックとレイデオロとソウルスターリングで決まったら、それはそれで納得です。

サトノクラウンが1着でゴールするシーンを想像して、ジャパンカップのスタートを待ちます。