「クラシック」と「スプリント」と「レディスクラシック」、3つのカテゴリーのダート・チャンピオンを1日で決めるJBC(ジャパンブリーダーズカップ)は11月4日(日)、京都競馬場を舞台に行われます。
JBCレディスクラシックはダートの牝馬チャンピオンを決める1戦。この路線はサンビスタ、ホワイトフーガがターフを去ってから、「砂の女王」と呼ばれる存在が不在です。それだけに、今年も白熱したレースが期待できます。
ダート牝馬路線は混戦模様
昨年のJBCレディスクラシックから今年のレディスプレリュードまで、牝馬限定のダート交流重賞は8Rが行われました。
▼牝馬限定の交流重賞
・2017年
JBCレディスクラシック
1着:ララベル
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クイーン賞
1着:プリンシアコメータ
・2018年
TCK女王盃
1着:ミッシングリンク
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エンプレス杯
1着:アンジュデジール
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マリーンC
1着:クイーンマンボ
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スパーキングレディーC
1着:リエノテソーロ
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ブリーダーズGC
1着:ラビットラン
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レディスプレリュード
1着:プリンシアコメータ
プリンシアコメータが2勝しているものの、この路線はコースや距離やメンバーによって勝ち馬がコロコロと変わる混戦です。
今年のJBCレディスクラシックは京都で行われるため、JRA所属馬は例年よりも多い12頭が出走します。より紛れのあるメンバーですから、JBC3競争のなかでもっとも高配当が期待できるレースと言えるでしょう。
1人気ラビットランについて
1人気に推されるのは、名牝Ameliaの娘ラビットラン。昨年はローズS1着→秋華賞4着と芝路線で結果を出しましたが、今秋はダートに矛先を向けてきました。前走のブリーダーズGCからもダート適性は折り紙つき。父Tapitは北米の名種牡馬ですし、ダートそのものに不安はありません。
この馬の血統については以下に詳しく解説しているので、よければそちらをご覧下さい。
京都ダート1900mへの適性
Tapit←Pulpit←A. P. Indyの父系は北米のクラシック3冠レースのなかで、もっとも距離の長いベルモントS(12F=2400m)を得意としています。
✳︎2016〜18年と3年続けてこの血をもつ馬がベルモントSを勝利
これはA. P. Indyの伝えるしなやかなストライドによるもの。ストライド走法はトップスピードに乗ってからの持続力に優れるため、距離が長くなればなるほど力を発揮します。北米のダートコースは小回りのため、先行力と器用さが求められるものの、距離の長いベルモントSだけは持続的な末脚が活きる舞台なのです。
ラビットランも父Tapit譲りのストライドで走るため、直線の長いコースがベストの馬。前走のブリーダーズGCは門別競馬場の外回りコースとあって、この馬でもこなすことができました。京都ダート1800mはスタミナよりも器用さが求められるコースとあって、ストライド走法のラビットランにはマイナスです。
予想
今年のJBCレディスクラシックはアイアンテーラー、カワキタエンカ、サルサディオーネとピュアな逃げ馬が揃いました。また、ラビットランを除く上位人気馬も中団より前で競馬をする馬が多く、牝馬限定戦としては締まったペースになると考えられます。
レース展開
アイアンテーラー、カワキタエンカ、サルサディオーネのどれが逃げるにしても、この3頭とそれに続く先行馬との間に大きなスペースができます。そのため、先行するプリンシアコメータがどの位置からスパートをするのかがポイント。
プリンシアコメータの鞍上は武豊騎手だけに、タイミングよくスパートをするなら、差しのズブズブがあるのかどうかは微妙です。プリンシアコメータはビュンとキレるわけではないので、これが先に抜け出したところを他馬がどこまで差してこれるのか……。
人気薄の3着付けを
この路線は混戦だけあって、時折3着に人気薄の馬が入線することがあります。
・2017年
JBCレディスクラシック
3着:ラインハート(8人気)
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・2018年
TCK女王盃
3着:ラインハート(6人気)
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エンプレス杯
3着:サルサディオーネ(6人気)
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レディスプレリュード
3着:アルティマウェポン(13人気)
レディスプレリュードは大波乱の決着となりましたが、コースや展開、メンバーによって着順がガラッと変わることがここからもわかります。
今年のJBCレディスクラシックはJRA所属馬が多数出走していることから、コソッと人気薄の馬が3着に入る可能性も高く、高配当を狙うならそこでしょう。
単勝オッズ30倍以上のJRA所属馬
3着に入ることを考えると、単勝オッズ30倍以上のJRA所属馬が魅力的です。これに該当するのは現時点(前日の17時現在)で以下の4頭。
ビスカリア
サルサディオーネ
リエノテソーロ
アンデスクイーン
この内、サルサディオーネは逃げ馬なので展開的に苦しいと考えると、3着候補は3頭になります。
3着はアンデスクイーンを
もっとも魅力的なのはアンデスレディー=Dyhim Diamond3×2のニアリークロスをもつアンデスクイーン。祖母のナスカはエリザベス女王杯と秋華賞3着のアロマティコを出した繁殖牝馬で、母系の活力は十分です。全体としてパワーと器用さに優れた配合で、京都ダート1800mはほぼベストの舞台。
馬群に入ってもOKで、中団のインをロスなく運べれば、直線でビュンとした脚を使えます。3〜4コーナーで各馬が押し上げて行くところを離れずに付いていき、スルッと3着に潜り込むシーンも十分です。
リエノテソーロは1400mベストのマイラーなので、1800mの距離でスタミナを問われる流れになると不安が残ります。
1・2着は?
1着は上位人気のラビットラン、プリンシアコメータ、クイーンマンボの3頭。かなりのハイペースになるなら、ストライド走法のラビットランの末脚が届きます。
2着候補は1〜7人気の馬たちへ。ここまでに馬券が当たっているなら2着候補は広めに取っておきたいですね。買い目を20点以下に抑えるなら、7人気の馬まででしょうか。
買い目
アンデスクイーン3着付けの3連単のみを。
3連単
1着:4. 3. 10
2着:4. 3. 10+7人気までの馬
3着:13
合計18点。最低オッズでも800倍ほどありますから、この点数でもOKです。
まとめ
JRA所属馬がこれだけ出走するとなると、これまでの地方交流重賞よりも高配当の可能性は高まります。東京ダート2100mなら◎は黙ってラビットランですが、京都ダート1800mの内枠だと……。この路線は思った以上に荒れやすいので、今からレースが楽しみですね。
以上、お読みいただきありがとうございました。
✳︎追記
JBCクラシックはメンバーを見渡しても高配当になりそうな馬がいないので、Twitterで予想をつぶやく予定です