秋の中山開幕週は土日に1つずつ重賞が組まれ、日曜日のメインレースはサマーマイルシリーズ最終戦となるGⅢ京成杯AHが行われます。
土曜日に行われた秋華賞トライアル「紫苑S(GⅢ・中山芝2000m)」は、ルメール騎手の手綱に導かれたノームコアが1分58秒0の好タイムで1着となりました。
ハービンジャー産駒のノームコアがマークした上り3Fは33.6ですから、今開催の中山芝コースはかなりの「高速馬場」になっていることがわかります。このままのコンディションであれば、京成杯AHは1分31秒台の勝ち時計となるでしょう。
高速馬場+エアレーション馬場に強いのは?
ここ数年の秋の中山開催は開幕週だからといって逃げ・先行馬がバンバン残るわけではなく、差し・追い込み馬も好走できる馬場。とくに2015と2016年は全体的に芝コースは時計がかかり、キレよりもパワータイプが好走する柔らかい(ソフトな)コンディションでした。
ただ、昨年と今年は時計が速く、高速馬場適性の高い馬が好走してます。もちろん、エアレーション作業によって、例年と同じく内外の伸びはイーブンですから、ペースによっては外からの差しも届く馬場コンディションです。ここでは、「高速馬場+エアレーション馬場」に強い馬をピックアップしてみましょう。
高速馬場に向く馬は?
京成杯AHに出走する15頭のなかで、高速馬場に向くのは以下の6頭です。
トーセンデューク
ヒーズインラブ
ヤングマンパワー
ミッキーグローリー
ワントゥワン
ベステンダンク
(内枠から降順)
ディープインパクト産駒のトーセンデューク、ミッキーグローリー、ワントゥワンは高速馬場がOK。とくに、ワントゥワンは1400mベストのマイラーですから、前走の関屋記念のように1分31秒台の決着となるなら好走のチャンスも十分にあります。
人気のヒーズインラブは母シーズインクルーデッドがスピード血脈を豊富にもつため、高速馬場に向くハービンジャー産駒です。1分31秒台の時計を出せるだけの血統的な背景をもつ1頭。
ベステンダンクは前走の米子S(OP・阪神芝1600m)を逃げて1分31秒9で走破しましたから、高速馬場もOK。ただ、「父タイキシャトル×母父スペシャルウィーク」という字面からも、本質的にはパワータイプと言えます。
エアレーション馬場に向くのは?
エアレーション馬場をもっとも得意とするのは、紫苑Sを制したノームコアの父ハービンジャーです。
ヒーズインラブ
京成杯AHに出走するハービンジャー産駒はヒーズインラブ1頭のみ。というわけで、人気ですが軸はすんなりと決まりました。
予想
高速馬場とエアレーション馬場に向くのはヒーズインラブ1頭のみ。ただ、この馬は人気の1頭なので、◯以下をひねります。
◎ヒーズインラブ 5歳牡馬
父:ハービンジャー
母:シーズインクルーデッド(母父:Include)
厩舎:藤岡健一(栗東)
今春のダービー卿CT(GⅢ・中山芝1600m)を制した力量馬。「超」高速馬場だった昨年の春興ステークスではインコースをスルスルと抜け出したオートクレールを上り33.2の鋭脚で差し切り、キレるハービンジャー産駒「らしい」ところを見せました。
母シーズインクルデッドは昨年のGⅢ新潟大賞典を勝ったサンデーウィザードを出す好繁殖牝馬。Northern Dancerのクロスをもたないアメリカ血統で固められた配合から、Northern Dancerのクロスのうるさいハービンジャーとの相性は良さそうです。
京成杯AHに向けて
小回り向きの器用さをもつのがこの馬の最大の長所です。中山芝1600mは(3 - 1 - 1 - 1)の好成績。馬券外となったのも4着1回ですから、このコースであれば崩れることなく走れます。
13着と大敗した前走の安田記念は初のGⅠレースだったのと、直線の長い東京だったのが敗因。今走は休み明けに加えて斤量が56.5kgと重くなりますが、リーディング上位の藤岡厩舎+500kgを超える馬格を考えれば大きなマイナスとはなりません。
枠の並びも文句なしですし、ここは1着を取れるメンバーとなりました。
◯トーセンデューク 7歳牡馬
昨年の京成杯AHは5着。高速馬場は合いますし、ロジクライとミュゼエイリアンを先に行かせて中団のインを取れる組み合わせ。昨年のガリバルディのように突っ込んでこれれば……。
◎が人気なので、◯は人気薄の馬を狙います。
▲ゴールドサーベラス 6歳牡馬
後方からレースを進める馬なので、外枠に入ったのは気になりません。高速馬場への適性は未知ですが、ダービー卿CTで1分32秒台の時計を出しているのは魅力です。エアレーション馬場も合いますし、ペースが流れて外差しになれば好走も。
△候補は?
高速馬場の合うヤングマンパワー、ワントゥワン、ベステンダンクの3頭は△として押さえます。人気のミッキーグローリーはこの人気だと買いにくいので外す方向で。これよりも前のレースで高配当をゲットし、資金に余裕があるなら3着にマークするかもしれません。
ヤングマンパワー、ワントゥワン、ベステンダンクの3頭はともに揉まれ弱い気質ですから、外枠に入ったのはプラス。ベステンダンクは騎手人気もあるのか思ったほど人気になっていませんね。
上位人気馬について
ロジクライは父ハーツクライ×母父Machiavellianですから、本質的に高速馬場はOK。ただし、マイル戦で1分31秒台の決着+上りの速い競馬に対応できるかに不安が残ります。また、最内枠に入って競馬が難しくなりそうなのもマイナスです。
買い目
ここは3連単をメイン、3連複を抑えに買います。
3連単
1着:7
2着:3. 13
3着:3. 13. 9. 14. 15
3連複
1頭流し
7 → 3. 13. 9. 14. 15
計20点。最低配当は3連複7 - 9 - 14の120倍。これなら人気のヒーズインラブから買っても十分な配当で、3連単ならウハウハです。
まとめ
昨年の京成杯AHと同じような結果になるなら、◎→◯の決着も十分にありえます。ペースが流れれば差し届く馬場だけに、人気薄の▲にも期待。
以上、お読みいただきありがとうございました。