GⅢ小倉2歳S('17年)はSpeightstown産駒の好配合馬モズスーパーフレアに◎をーー予想

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夏の小倉開催を締めくくるのは2歳の「ご当地」重賞、GⅢ小倉2歳ステークス(小倉芝1200m)。小倉芝1200mのスプリント戦らしく、2歳馬たちがもてるスピードを競います。

 

小倉芝1200mは前傾ラップがデフォルト

小倉芝1200mは2コーナーの引き込み線からスタートし、4コーナーまで緩やかな下り坂が続くコース・レイアウト。そのため、自然と前半3Fのペースが速くなるのがデフォルトです。ダッシュ力に優れた逃げ・先行馬が揃うような上級条件(OPや1600万下)のレースだとこの傾向がより強くなり、ハイペースからの差し決着になることもままあります。

 

小倉2歳ステークスは逃げ・先行馬が多い組み合わせ

この時期の2歳馬はスピードを武器に逃げ・先行で新馬や未勝利戦を勝ち上がってくることが多く、小倉2歳Sも毎年1.0秒以上の前傾ラップになりやすいレースです。今年の出走馬も逃げ・先行馬が多数いて、前半3Fがかなり速い時計になりそう……。以下の表は小倉2歳Sの過去5年の成績をまとめたものです。

 

小倉2歳S 過去5年の成績

勝時計 着順 人気 馬 名 通過順位
2016 1:08.8 1 1 レーヌミノル 2 - 1
2 10 ダイイチターミナル 8 - 6
33.3 - 34.7 3 4 カシノマスト 4 - 2
2015 1:08.9 1 1 シュウジ 4 - 2
2 7 サイモンゼーレ 6 - 3
33.5 - 34.7 3 6 レッドラウダ 3 - 3
2014 1:08.4 1 15 オーミアリス 13 - 12
2 1 レオパルディナ 3 - 3
33.0 - 35.4 3 2 スノーエンジェル 9 - 10
2013 1:08.8 1 2 ホウライアキコ 2 - 2
2 1 ベルカント 1 - 1
33.1 - 35.7 3 3 ラブリープラネット 8 - 5
2012 1:07.9 1 2 マイネルエテルネル 6 - 7
2 6 クラウンレガーロ 8 - 3
32.7 - 35.2 3 7 ラヴァーズポイント 8 - 7

前半3Fは33.5以内のラップを踏み、上り3Fが34秒後半〜35秒台に入るレースがほとんど。今年も逃げ・先行馬がズラリと顔を揃えたので、ここ5年と似たような流れになるのでしょう。

 

9月2日(土)はやや時計がかかる馬場へ……

今夏の小倉芝1200m戦は開催5週目が終了(8月27日)しても全体を通して速い時計の出る馬場コンディションが保たれていました。500万下クラスでは1分8秒台、1000万下よりも上のクラスであれば1分7秒台の決着になるのがデフォルト。

ただ、9月2日(土)に行われた芝1200mのレースでは、先週よりもやや時計のかかる状態になっていることがわかります。以下の表は2歳戦と3歳未勝利戦を除いた小倉芝1200mのここまでのレースについてまとめたものです。

 

小倉芝1200m 7月29日〜9月2日 計15鞍

日付 R 勝時計 ラップ クラス
7/29 7 1:08.1 33.6 - 34.5 500万下
7/29 10 1:07.7 33.9 - 33.8 1000万下
7/30 8 1:08.1 33.4 - 34.7 500万下
7/30 11 1:07.7 33.5 - 34.2 1600万下
8/5 11 1:07.3 33.2 - 34.1 1000万下
8/6 12 1:08.2 33.5 - 34.7 500万下
8/12 12 1:08.4 33.7 - 34.7 500万下
8/19 9 1:08.3 33.5 - 34.8 500万下
8/19 12 1:08.5 34.0 - 34.5 500万下
8/20 9 1:07.5 32.9 - 34.6 1000万下
8/20 11 1:07.5 32.8 - 34.7 GⅢ
8/26 12 1:08.4 33.4 - 35.0 500万下
8/27 10 1:07.8 33.0 - 34.8 1000万下
9/2 9 1:09.1 34.3 - 34.8 500万下
9/2 11 1:08.3 34.0 - 34.3 1600万下

9月2日は500万下クラスで1分9秒台、1600万下クラスで1分8秒台の決着となり、これまでよりも0.5秒ほど時計がかかっている結果になりました。この2レースともに前半のペースが遅かったとはいえ、3日(日)もこの傾向は続くと考えられ、小倉2歳Sは1分09.0前後の時計が想定できます。

 

1番人気はSpeightstown産駒のモズスーパーフレア

今年の小倉2歳Sで主役となるのは、小倉芝1200mの新馬戦を1分08秒5の好タイム(今夏の小倉2歳戦の最速タイム)で快勝したモズスーパーフレア(2歳牝馬 音無厩舎)。その前走は好スタートからすっと好位につけると、3コーナーからスピードの違いでハナに立ち、4コーナーで2番人気のジャスパープリンスを突き放しての快勝。ここは1番人気の支持を受けることになりました。週中にモズスーパーフレアの展望記事を書いているので、詳しい解説はそちらをご覧下さい。

GⅢ小倉2歳S('17年)は北米の良質な血統をもつモズスーパーフレアに注目ーー展望 - ずんどば競馬

 

予想

モズスーパーフレアは6枠に入り、それよりも外の逃げ・先行馬は8枠に入ったスーサンドン、アサクサゲンキ、ジュンドリームの3頭。この内、アサクサゲンキはモズスーパーフレアと同じ音無厩舎ですから、「外からガンガンと競り合って……」というレースはしないはずで、スタートさえ決まればモズスーパーフレアが揉まれずにハナか好位を追走できるメンバー構成。

前半3Fは33.5〜34.0のペースで入り、4コーナーから直線にかけてモズスーパーフレアが先頭に立ったところを後続がどこまで詰め寄れるのか……。Speightstown産駒は外れの少ない好種牡馬で、1200mの距離で極端に揉まれることがなければ好勝負必至でしょう。

 

◎モズスーパーフレア 2歳牝馬

モズスーパーフレアはSpeightstown産駒としてなかなか味のある配合で、今春のNHKマイルCを2着したリエノテソーロと8分の5同血という血統構成。父は北米で好成績を上げるダートの短距離血統ですが、日本の芝に十分対応できる豊かなスピードを産駒に伝えます。

前走から間隔が詰まったなかで再度の長距離輸送、スタートで後手を踏んだときに巻き返せるのか、馬群に揉まれたときに凡走してしまうのではないかなど、不安点を挙げたらキリがないのはこの時期の2歳戦ですから致し方ありません。モズスーパーフレアには大物感がないものの、2歳のGⅢであれば完成度とスピードで圧倒できる相手関係ですし、単勝オッズが3倍台であれば「手堅い好配合」と前走のレースぶりを評価して◎の印を。

 

◯アサクサゲンキ 2歳牡馬

父:Stormy Atlantic

母:Amelia(母父:DixielandBand)

厩舎:音無秀孝(栗東)

牝馬であれば、「アサクサ」ではなく吉田和子氏名義の馬として走っていたのでしょう。アサクサゲンキが牝馬で、そこにディープインパクトを種付けしたらポンポンと重賞を勝ってしまうのでは、と思わせる良血馬。

3代母Courtly Deeからはトワイニング、Green Desert、Archなどの種牡馬が出ており、現代競馬で枝葉が広がっている名門牝系。そこに、Alyder、DixielandBandと代々名種牡馬がかけられたのが母Amelia。この母はすでに2勝を上げた現3歳のラビットラン(父Tapit)を出しており、名繁殖牝馬への道を着々歩んでいます。

アサクサゲンキの父Stormy Atlanticは日本では馴染みのない種牡馬で、Storm Cat×Seattle Slewという配合からイメージとしてはスタチューオブリバティと近く、芝・ダート兼用でしなやかさのある産駒を多く出すタイプの種牡馬でしょう。

Stormy Atlanticの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

スタチューオブリバティの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

母系は一流で、2歳の早い時期からそのスピードを見せているのであれば、大きな不安点のない馬。武豊騎手はモズスーパーフレアを見る形でレースを進めるでしょうし、ワンツーが濃厚なメンバー。

 

その他の馬について

◎と◯が2頭ともに人気ですし、3着にどの馬が来てもおかしくはないメンバーと考えると、モズスーパーフレア→アサクサゲンキの馬単1点がもっとも無難かなという印象。母父アフリートのイイコトズクシが最内枠に入らなければ……と悔やまれますね。

上位人気のヴァイザーは好配合のノヴェリスト産駒で新馬戦の内容からもここでのレースぶりが楽しみですが、下り坂をロスなく走る馬というイメージではないので、そこだけが心配。少し時計のかかるようになってきた今の小倉の芝は合うでしょう。

 

買い目

◎モズスーパーフレア→◯アサクサゲンキの馬単1点で。

 

馬単

11 → 17

 

まとめ

スピードあふれる2歳馬たちがどのような走りを見せるのか、今からレースが楽しみですね。皆さまにとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。