3歳馬のルヴァンスレーヴとオメガパヒュームはチャンピオンズC(2018年)を好走できるのか?

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ダートの国際GⅠ競争「チャンピオンズC」は12月2日(日)、中京競馬場1800mを舞台に行われます。ゴールドドリームやケイティブレイブ、ノンコノユメなどのGⅠ実績のある古馬に加え、ルヴァンスレーヴとオメガパフューム2頭の勢いのある3歳馬が出走し、豪華なメンバーが顔を揃えました。

2013年にジャパンカップダートから名称が変更されたチャンピオンズCは、これまでに山菜馬の優勝がありません。今年はルヴァンスレーヴとオメガパフュームの2頭の3歳馬が上位の人気に推されることから、この取捨がポイントとなるでしょう。

今回の記事では、この3歳馬2頭について解説します。

 

ハイレベルな現3歳ダート路線

現3歳馬のダート路線はハイレベル。南部杯でゴールドドリームに快勝したルヴァンスレーヴ、ダートの力量馬が多く出走したJBCクラシックを2着と好走したオメガパフューム、白山大賞典を楽勝したグリムなど、現3歳馬は古馬相手のOP〜重賞において十分に通用しています。

チャンピオンズCに出走予定のルヴァンスレーヴとオメガパフュームの2頭は、ゴールドドリームやケイティブレイブといった歴戦の古馬に引けを取らない走りをしており、ここでも上位の人気に推されるでしょう。

 

ルヴァンスレーヴとオメガパフューム

ルヴァンスレーヴとオメガパフュームは今夏のジャパンダートダービー(JpnⅠ・大井2000m)でワンツーを決めた2頭です。ともにひと夏を順調に越し、古馬相手の重賞レースを制しています。

チャンピオンズCはこれまでに3歳馬の優勝がなく、昨年の「最優秀ダート馬」となったゴールドドリームが3歳時に2人気で12着、今年のフェブラリーSを制したノンコノユメも3歳時に3人気で2着と敗れているように、力量馬であっても勝ち切れないレースです。

 

ルヴァンスレーヴ 3歳牡馬

父:シンボリクリスエス

母:マエストラーレ(母父ネオユニヴァース)

厩舎:萩原清(美浦)

生産:社台コーポレーション白老F

昨年の3歳ダート路線を牽引したエピカリスと同じ萩原清厩舎の管理馬。こちらは3歳時に海外遠征はせず、国内に専念するローテーションが組まれました。

ユニコーンSとジャパンダートダービーを連勝し、ダート路線におけるこの世代のトップレベルに位置する1頭。前走の南部杯ではゴールドドリーム相手に快勝しており、古馬相手のGⅠでも引けを取りません。

右回りに較べて左回りはスムーズな加速をしており、チャンピオンズCにおいても大きな不安はありません。関西圏への輸送は初めてとなるので、その点をクリアできれば好勝負でしょう。

 

血統

母マエストラーレは1600万下まで出世した活躍馬。母系はネオユニヴァース×ティンバーカントリー×リアルシャダイと代々にわたって中距離馬がかけられており、スタミナとパワーに優れた配合です。

ルヴァンスレーヴは父シンボリクリスエスらしい「胴長+脚長」の体型をした中距離馬。ただ、新馬戦の豪快な捲りや小回り川崎で行われた全日本2歳優駿の走りからも、Roberto3×5のパワーが前面に出ています。

直線の長いコースをしなやかに差すというよりも、小回りコースをパワーで捲るのに適しており、本質的には中山や阪神コースがベスト。馬体が完成したら、チャンピオンズC>フェブラリーSという馬になるでしょう。

 

チャンピオンズCに向けて

中京ダート1800mは先行有利なコース。今走はピュアな逃げ馬が不在のレースとあって、ルヴァンスレーヴがどのタイミングで捲るのかがレースのポイントとなります。この馬は右回りに較べて左回りだとスムーズに捲れるので、中京コースに不安はありません。

多頭数のレースで大外をひと捲りするのは骨が折れるため、M・デムーロ騎手がどのようなレース運びをするのか……。長手の馬体と大きなフットワークから、インを立ち回る競馬だと取りこぼす可能性も……。

 

オメガパフューム 3歳牡馬

父:スウェプトオーヴァーボード

母:オメガフレグランス(母父ゴールドアリュール)

厩舎:安田翔伍(栗東)

生産:社台ファーム

ジャパンダートダービーでルヴァンスレーヴの2着と好走し、競争能力の高さを見せました。夏に休養に充て、復帰初戦となった古馬混合のシリウスS(GⅢ・阪神ダート2000m)を快勝。続くJBCクラシックはケイティブレイブなどの歴戦の力量馬を相手に2着と好走し、勢いそのままにチャンピオンズCへ向かいます。

 

血統

母オメガフレグランスはJRAで3勝を上げたダート馬。母の父ゴールドアリュールはRobertoを引く馬と相性が良く、コパノリッキーやエスポワールシチーなどのGⅠ馬を出しています。

オメガパフュームは父がMr. Prospector系のスウェプトオーヴァーボードとあって、コパノリッキーと配合の構成がほぼ同じです。父と母父からしなやかなフットワークを受け継ぎ、直線の長いコースがベストの馬でしょう。

スウェプトオーヴァーボード産駒としては長手の馬体をしており、これはゴールドアリュールの影響が強く出ているからだと考えられます。母系にVaguely Nobleを引くので、馬群に揉まれるのはマイナスです。

 

チャンピオンズCに向けて

捲り差しの戦法をとっているのは、ゴールドアリュールが引くVaguely Nobleの揉まれ弱さからでしょう。ルヴァンスレーヴと同じ捲りタイプとあって、どのタイミングで動くのかがポイントとなります。

長手の馬体からも中距離馬なので、チャンピオンズCの1800mは守備範囲です。ルヴァンスレーヴが先行馬たちをひと捲りする展開なら、この馬にもチャンスが出てきます。早目に馬群の外へ出したい馬なので、内枠に入るようだとマイナスです。

 

ダート路線は非ノーザンファームでもOK

今秋のGⅠはスプリンターズSのファインニードルを除くと、すべてノーザンファーム生産馬が制しています。ただ、ダート路線はノーザンファーム生産馬でなくともOKなので、ルヴァンスレーヴとオメガパフュームにとってはマイナス材料とは言えません。

ダート路線はフレッシュさよりもレースに使い込んで体調を整えるタイプの馬が多く、外厩調整の影響が芝よりも少なくなります。また、厩舎力もそれほど問われないのが特徴です。ただ、オメガパフュームを管理する安田翔伍厩舎は開業1年目とあって、経験値の少なさはマイナスでしょう。

 

今年のチャンピオンズCは先行馬が少ない組み合わせ

ルヴァンスレーヴとオメガパフュームの2頭は脚質が似ています。ともに捲りを得意としており、先行有利なペースとなったときに末脚を伸ばせるのかがキーポイント。

もともと中京ダート1800mは先行有利なコースだけに、2頭がどのタイミングで捲るのかは馬券を予想する上でも重要です。

✳︎ルヴァンスレーヴ鞍上のM・デムーロ騎手は向正面あたりから外目を捲ることもあり、途中からレースが動くことがあれば、好位〜中団のインで器用に立ち回れる馬にもチャンスが!

 

まとめ

今年のチャンピオンズCは素質のある3歳馬が2頭出走。ルヴァンスレーヴは1人気に推される可能性もあり、ダート路線の勢力図がガラリと一変するのかに注目が集まります。

ルヴァンスレーヴとオメガパフュームは捲りタイプの馬なので、ペースが緩んだときにどのような走りをするのかがポイントです。アーモンドアイに続き、ダート路線でも世代交代があるのでしょうか。

以上、お読みいただきありがとうございました。