GⅢマーチS(2018年)はHaloとRoberto、Kingmamboの血に注目してーー展望

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フェブラリーS(GⅠ・東京ダート1600m)が終わると、次のJRAダートGⅠは12月のチャンピオンズCとなり、間が大きく空きます。もちろん、3月にドバイWC、5月にJpnⅠかしわ記念、6月にJpnⅠ帝王賞があるとは言え、この時期はダートを主戦場にする馬にとって大きな目標となるレースが少ないのが現状です。

マーチSはその間を埋める重要なダート重賞のため、ここで賞金を上積みして夏や秋の大目標に備えたい馬が集まります。また、昨年は57.5kgの斤量を背負ったインカンテーションがここで復活を果たしたように、実績のある馬にも好相性のレースですから、白熱したレースが期待できるでしょう。

 

HaloとRoberto、そしてKingmanbo

マーチSは5代血統表のなかにHaloとRoberto、そしてKingmanboの血を引く馬が多く好走しています。それでは過去5年間の1〜3着馬をチェックしてみましょう。

マーチS1〜3着馬

2017年

1着:インカンテーション(H)

2着:ディアデルレイ(H&K)

3着:アルタイル(H)

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2016年

1着:ショウナンアポロン(H)

2着:バスタータイプ(R&K)

3着:ドコフクカゼ(R)

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2015年

1着:マイネルクロップ(H)

2着:イッシンドウタイ(H&K)

3着:マスクトヒーロー(H)

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2014年

1着:ソロル(R&H)

2着:ジェベルムーサ(H)

3着:ドコフクカゼ(R)

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2013年

1着:グランドシチー(R&K)

2着:バーディバーディ(R)

3着:フレイムオブピース(H)

H:Halo

R:Roberto

K:Kingmanbo

過去5年からも、これらの血をまったく引かない馬は好走していません。また、KingmanboはHaloかRobertoを同時にもっている馬が好走しているのも大きな特徴と言えるでしょう。

 

HaloとRoberto

HaloとRobertoはHail to Reason直仔です。この2頭の種牡馬はサンデーサイレンスとブライアンズタイムの父として日本競馬のレベルを引き上げました。ただ、HaloとRobertoはそれぞれの子孫に伝えるものが異なります。

Halo:スピード、器用さ

Roberto:パワー、スタミナ

Haloクロスの活躍馬と言えば、名牝ハルーワソングの仔ヴィルシーナ、ヴィブロス、シュヴァルグラン、そして、サトノダイヤモンドなどのGⅠ馬が上げられます。いずれも小回り・内回りを器用に加速する走りができるのが特徴で、これが中山ダート1800mにも活きるのでしょう。

それに対してRobertoは中山コースを捲るのに適したパワーとスタミナを子孫に伝えます。今年の3歳牡馬はRobertoの血を引く活躍馬が目立っていますが、ダノンプレミアム、タイムフライヤー、ジャンダルムはいずれも中山の重賞で好走しました。

 

HaloとRobertoとKingmanboの血は……

マーチSの過去5年の1〜3着馬がすべてHaloやRoberto、Kingmanboの血を引くことは驚くことではありません。それぞれ、サンデーサイレンス 、ブライアンズタイム、キングカメハメハという日本の競馬にマッチした大種牡馬の父ですから、これらの血を5代血統表内にもっている馬は珍しくはないのです。

ただ、ここからわかることは、中山ダート1800はMr. ProspectorやSeattle Slewよりもサンデーサイレンスやブライアンズタイムやキングカメハメハの支配下にあると考えられます。

 

注目馬は?

今年のマーチSの出走予定馬の中でもっとも注目したいのは、HaloとRobertoをもつ重賞勝ち馬ロンドンタウンです。

 

ロンドンタウン 5歳牡馬

父:カネヒキリ

母:フェアリーバニヤン(母父:Honour and Glory)

厩舎:牧田和弥(栗東)

生産:松浦牧場

ロンドンタウンの父カネヒキリは、JRAと地方交流を合わせてGⅠ7勝の名競走馬。種牡馬としては2014年に産駒がデビューし、ミツバ(マーキューリーC)とロンドンタウン(佐賀記念・エルムS・コリアC)が重賞を制覇しています。

カネヒキリは父フジキセキ×母父Deputy Ministerというニックス配合。この組み合わせからは昨年のチャンピオンズCを制したサウンドトゥルー(父フレンチデピュティ×母父フジキセキ)、ホワイトフーガ(父クロフネ×フジキセキ)、ミラクルレジェンド(父フジキセキ×母父Awsome Again)などの活躍馬が出ています。

母系に入るRelaunchの影響が出た胴長の馬体から、本質的には1800mの距離だといくらか短いキライはあるものの、ハイペースの追走となった前走フェブラリーSの経験が活きれば、ここでも勝ち負けにもち込めるはずです。昨年は僅差の4着でしたから、コース適性そのものはOK。エルムS以来の重賞制覇がなるのかに期待します。

 

中山適性の低い馬は?

反対にHaloもRobertoもKingmanboも引かず、中山適性に疑問のある馬を1頭ピックアップしておきます。

 

ゴールデンバローズ 6歳牡馬

Tapit産駒としては好みの馬で、重賞級の能力があることは間違いないですが、これはあきらかに東京コースがベストです。これまで小回りコース(中山と札幌)ではいずれも掲示板外に凡走していますし、堀宣行厩舎の管理馬ということもあって人気になるようなら、バッサリと切りたい1頭。

 

エピカリスについて

今年のマーチSはエピカリスの復帰戦としても注目のレースです。2〜3歳時の実績からすればここも人気の中心となるでしょう。ただ、蹄の具合がどうなのかなど体調面がしっかりと整っているのかは不安です。

古馬になって重賞を制したメイショウナルトの半弟で、早熟馬ということはありませんから、体調さえ整えばアッサリの復活劇があっても驚けません。好走か凡走かは誰にも予想できないことなので、実力馬の走りに注目しましょう。

 

まとめ

今年のマーチSはロンドンタウンがHaloとRobertoの血で好走することができるのかが楽しみです。

それに加えて、C・ルメール騎手がエピカリスに乗るために中山に参戦するというのもワクワクします。

皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。以上、お読みいただきありがとうございました。