2015年の阪神競馬場8レース、3歳500万下芝1400m。
馬主の欄に吉田和美氏の名前と、その馬が7人気という低評価に甘んじているのを見つけ、条件反射的に単勝のマークシートを塗りました。
メラグラーナと名前のついた牝馬は父Fastnet Rock×母父Secret Savings(母父父Seeking the Gold)という血統。500kgを超す馬体重にしては全体に筋肉がついていないひょろひょろとした足捌きでパドックを周回していました。
レースではスタートで出負けをして最後方からの競馬でしたが、阪神の内回りとは思えないほどの直線一気での勝利。
外からパワーに任せて追い込んできたときは、鞍上の松若でも、メラグラーナの名前でもなく「カズミ!! 差せ!」、「差せ! カズミ!!」と絶叫しました。
新馬→500万下とダートを使い、前走ダート1200mでは1番人気を裏切る16着の大敗したことから、目先を変えて芝のレースに登場したので、単勝7番人気なのも納得です。
それ以来、勝ったり負けたりを繰り返したメラグラーナも今週のオーシャンステークスGⅢに出馬予定で、パワー溢れる走りはいかにもスプリンター然としてきましたね。
◯メラグラーナ
父:FastnetRock
母:Ghaliah(母父Secret Savings)
吉田和美氏の所有馬
キンシャサノキセキ、ロックドゥカンブ、ジャガーメイル、テスタマッタ、モーリス、アルビアーノと吉田和美氏所有の活躍馬は挙げればキリがありません。全体としては芝でスパッと切れるというよりパワー優先の馬が多いのが特徴です。
それにしても…
キンシャサノキセキ、ロックドゥカンブ、モーリスといかにも阪神や中山の内回りを力任せに捲るイメージが…
キンシャサノキセキは父フジキセキの外国産馬で、新聞の馬柱に「父Fuji Kiseki」と書かれるところがもう格好よく、それだけでファンになったものです。前進する気持ちが強すぎて折り合いに難があるのですが、能力全開の時は溜息が出るほどに強い競馬をする馬でした。
そうそう、ロックドゥカンブのマイベストレースはセントライト記念で、4角で内に詰まりそうなところを強引に外に出して直線半ばで先頭に立ち、ゴールデンダリアが外から追いすがるとまた一伸びするという完勝劇。あのレースを観て「これなら有馬記念も!」と心が踊りましたが、キネーン騎乗の4着には大きく肩を落としました…
キンシャサノキセキ(オーストラリア産)、ロックドゥカンブ(ニュージーランド産)と同じようにメラグラーナも南半球オーストラリア産の生まれです。
吉田和美氏は、ノーザンファーム代表の吉田勝己氏の配偶者で、メラグラーナ、アルビアーノと言ったアメリカやオーストラリアの異国の血をもつ牝馬を多数所有しています。アルビアーノが5歳で引退したことからも競走馬としてだけではなく繁殖牝馬としての価値も見据えて購入しているのでしょうね。
現3歳世代の外国産牝馬でデビューしているのはーー
サリネロ(16' 11/20東京の新馬戦で1着)
ナイルストーリー(16' 11/27東京の新馬戦で1着)
リモンディー(16' 12/3中山の新馬戦で8着)
チリーシルバー(17' 1/17京都の新馬戦で1着)
パルトゥー(17' 1/21中山の新馬戦で4着)
スカイフ(17' 2/12京都の新馬戦でデビューし6着)
ファージンゲール(17' 2/18京都の新馬戦で3着)
特にスカイフは父がSiyouni(父父Pivotal)×母父Septieme Cielという血統で、父父のPivotalは今をときめくミッキーロケット(父キングカメハメハ)やファンディーナ(父ディープインパクト)の母父ですから、この馬の繁殖牝馬としての期待は大きいはずです。
余談ですが、このスカイフ、4角で捲った脚には見所があって、直線では外によれたために失速しましたが、阪神の内回りに出てきたら「アッサリ」1着もあると思います。
そんなこんなでメラグラーナ
メラグラーナは明け4歳の牝馬ですから、競走馬としてレースに出るのはおそらく後1年ほど…
そう考えると、スプリントGⅠの高松宮記念、スプリンターズSに出走するためにも、今週末のオーシャンステークスGⅢ(中山芝1200m)で是が非でも賞金を加算しないといけません。
牝馬としては馬格のあるパワースプリンターですから中山もずんどば。前走のラピスラズリステークスのように、前半の3ハロンが33.1という急流でも4角で捲り気味に上がって行くレースが合っています。
オッズとしては1番人気に支持されそうですが、お気に入りの馬なのでここでも素晴らしいレースを見せて欲しいものです。
オーシャンステークスでーー
「カズミ!!」
「カズミ!!」
とWINSで騒いでいる人がいたら、それは私です。