春の東京開催のおける5週連続のGⅠが終わると、「あ〜、これから夏競馬が始まるな〜」と寂しさとワクワクさが同居した不思議な気持ちになります。この時期は函館競馬がスタートするまで、東京・阪神の2場所開催、そして、降級馬が下のクラスで「無双」することもあり、人気薄の馬が好走シーンがいつもより減少(*)するのがツライところです……。
*2桁人気の馬が好走しても、グリグリ1人気の降級馬が勝ち切っていることも多く、配当は厳しくなります。
そんな「う〜ん……」な気分を吹き飛ばすのは「降級制度」の関係ない重賞競走。今週は東京でエプソムC、阪神でマーメイドSの名物重賞が2つ組まれており、少しでもここで高配当を狙いたいですね。今回の記事では牝馬限定GⅢのマーメイドSを「ズバッ!」と予想していきます。
阪神芝は高速馬場
先週の鳴尾記念(GⅢ・阪神芝2000m)で1分57秒2のレコードタイムがマークされたように、現在の阪神芝は速い時計の出るコンディション。芝コースの内外の「伸び」はイーブンなだけに、コース・ロスの少ないインがベターで、なかなか外からの差し・追い込みは決まりにくくなっています。
逃げ・先行馬が踏ん張れる馬場ですから、「内枠+前々のポジション」を取れる馬に注意をしたいですね。また、時計が速いため、スタミナよりもスピードのある馬に有利な馬場となっています。ペースがかなり速くならないと、差し・追い込みで勝つのが難しい……。
日曜日に雨の予報
金曜日に降った雨の影響も土曜日には回復。500万下の芝1400mで1分20秒5のタイムが出たことからも、芝コースはほぼ先週の水準です。ただ、問題は日曜日のお昼頃から雨が降るとの予報が出ていること……。
ベースとなる馬場が「高速」なので、雨が降り続くことがなければ、マーメイドSは「良〜稍重」でのレースとなりそう……。極端に時計が遅くなることは考えにくく、勝ちタイムは2分を切るかどうかだと想定します。
予想
マーメイドSのポイントは以下の3点です。
1. スローがデフォルト
2. 内回りコース向きの器用さ
3. 外枠の逃げ・先行馬
マーメイドSは「何度も顔を合わせたメンバー同士」になることの多い牝馬限定の重賞とあって、スローペースがデフォルトのレースです。ただ、直線の短い阪神内回りコースですから、3コーナー過ぎからペースが上がり、キレ(瞬発力)よりも長く11秒台のラップを出せる馬に有利。コーナーをスムーズに回れる器用な馬を狙いたいですね。
このレースは外枠の逃げ・先行馬が好走するシーンがままあることから、現在の阪神芝コースがインベタだからと内枠に人気が集まるなら、思わぬ高配当も……。今回は外枠の逃げ・先行馬+インを器用に立ち回れる馬をピックします。
◎エマノン 5歳牝馬
父:ハーツクライ
母:ピラミマ(母父Unbridled's Song)
厩舎:平田修(栗東)
生産:ノーザンファーム
内枠の差し・追込み馬を制して楽に先手が取れるメンバー構成。トビが大きく、スタートしてからの1歩目が遅い馬だけに、包まれる可能性が「0」になった外枠はラッキーでした。とにかく粘り強い末脚が信条の馬で、本質的には内回りコース向きの脚質ではないものの、このメンバーならチャンスも十分です。
この馬の血統や走法については週中に詳しい記事を書いたので、よければそちらをご覧下さい。
◯トーセンビクトリー 6歳牝馬
トゥザグローリー=トゥザワールド全兄弟の妹で、器用さのある馬。本質的には内回り・小回りコースの内枠がベスト。ただ、今走はエマノンが内を制して逃げ・先行態勢に入るため、そのすぐ外のトーセンビクトリーはインに潜り込めるチャンスも十分です。
日本人の騎手の中では先行意欲の強い浜中騎手ですし、スッと好位のポジションが取れれば……。この馬はピッチ走法なので、小回り・内回りがベストコース。おそらく、今年もマーメイドS→クイーンSのローテーションになるはずで、どちらも好走する可能性があります。外枠が嫌われたのか、ソコソコの人気に収まりそうで、これなら◯の印に。
△ミリッサは2・3着候補として
△ミリッサは内枠のなかではもっとも楽しみな1頭。この馬の母シンハリーズはオークス馬シンハライトを出している名牝。ただ、その産駒は小回り・内回り向きのピッチ走法を受け継ぐことが多く、ミリッサもそのタイプです。
これまでは差す競馬ばかりを試されているので出世が遅れています。父ダイワメジャー譲りのパワーと母譲りのピッチ走法ですから、阪神芝2000mはほぼベストのコース。乗り替わりの岩田騎手が好位のインを取るなら、アッサリと勝ち切ってしまう事も……。差す競馬が微妙なのと人気になりすぎているのでこの印に。
以下は3着候補
6枠の人気薄△アルジャンテは3着候補として拾います。1400〜1600mを中心に使われている馬で、ここは初の2000m戦。馬場が渋ってスタミナを求められる質のレースだと苦しくなるものの、現在は高速馬場ですからチャンスも!
初めての距離とあって、後方で脚をためる競馬になるはずで、3コーナーからペースが上がり、差しタイプが苦しくなるところをインからするっと3着に……。上位人気のキンショーユキヒメとエテルナミノル、レイホーロマンスはいずれも外差しタイプなので、インがガラッと開く可能性が高く、そこを突ければ!
買い目
ここは3連単を買います。1着候補はエマノンとトーセンビクトリーの2頭。
3連単
1着:13. 14
2着:13. 14. 4
3着:13. 14. 4. 11
このなかで、トーセンビクトリー→ミリッサ→エマノンがもっとも配当的に苦しくなるので、そこだけは厚目にですかね。買い目は8点なので、払い戻しが20万円を超えるように調整します。
まとめ
マーメイドSは3連単だとソコソコの配当になることの多い重賞だけに、今年は上記の買い目で勝負!
スワーヴリチャードの全姉エマノンが重賞馬になることができるのかな注目しましょう。
以上、お読みいただきありがとうございました。