武蔵野S(2018年)は最内枠から逃げる良血馬の◎マイネルオフィールに期待して!ーー予想

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GⅠ・チャンピオンズCへのステップレースとなる武蔵野S(GⅢ・東京ダート1600m)は、今年のフェブラリーS3着のインカンテーションと同4着のサンライズノヴァが出走し、上位の人気となっています。

この他にも、今夏にダートに転向してから高いパフォーマンスを見せているウェスタールンド、C・ルメール騎手を確保し重賞初制覇を目指すナムラミラクルなど、楽しみなメンバーが揃いました。

武蔵野Sを制してチャンピオンズCへ向かうのはどの馬なのでしょうか?

 

東京ダートはストライド走法が有利

JRA全10競馬場のなかで、東京ダートコース(501.6m)の直線は最長を誇ります。そのため、四肢をしなやかに伸ばすストライド走法に有利な舞台です。ストライドの馬は加速するまでに時間がかかる反面、トップスピードを持続するのに向いており、直線の長いコースだと力を十分に発揮できます。

 

東京ダートコースと好相性の血は?

東京のダートコースと好相性の血統は以下のものが有名でしょう。

Seattle Slew→A.P.Indy

ゴールドアリュール

Seattle Slew→A.P.IndyのラインはTapitやシニスターミニスター、シンボリクリスエスを通じて、長手の馬体としなやかな体質を伝えます。また、湿った馬場も得意としており、高速ダート適性の高い系統です。

ゴールドアリュールはフェブラリーSを制したコパノリッキーやゴールドドリームなどのGⅠ馬が出ている種牡馬。重厚なストライドが最大の長所で、マイル前後の距離を得意としています。

この他にも、フォーティナイナーの柔らかさを伝えるプリサイスエンドやトワイニング、モーニンやアジアエクスプレスを出した種牡馬ヘニーヒューズが東京コース向きの血です。

✳︎長手の馬体を伝えやすいNijinskyの血が入っている馬も好相性。

 

武蔵野Sもストライドが優勢

昨年の武蔵野SはSeattle Slewの血を引くインカンテーションとサンライズソアのワンツー。一昨年は1着のタガノトネールがNureyevとトニービンをもつストライド走法の馬で、2着ゴールドドリームはゴールドアリュール産駒、3着のカフジテイクはプリサイスエンド産駒でした。

過去の好走馬たちは東京コースでパフォーマンスの上がるストライドが走法の馬ばかりです。ピッチ走法だと馬券内に入るのが難しく、予想する上でもここが最大のポイントとなります。

 

予想

1・2人気が想定されるサンライズノヴァとインカンテーションは前者がゴールドアリュール産駒、後者がA.P.Indy系のシニスターミニスター産駒とあって、ともに東京コースがベスト。ここでの走りに注目です。

 

上位人気の不安点は?

サンライズノヴァとインカンテーションはコース適性がバッチリとは言え、不安がまったくないわけではありません。それぞれのウィークポイントを確認しておきましょう。

 

サンライズノヴァの不安点は?

ゴールドアリュールは代表産駒のコパノリッキーとゴールドドリームを見てもわかるように、揉まれ弱さを伝えます。これはゴールドアリュールが気難しいVaguely Nobleに血を引くからでしょう。

コパノリッキーは逃げか2・3番手の外目をスムーズに走れないと力を発揮できませんでしたし、ゴールドドリームは直線で外へ出さないと伸びないタイプです。ストレッチランナーのサンライズノヴァはゴールドドリームに似ており、直線でいかに外へ出せるのかがポイントとなります。

馬群に揉まれてスムーズに外へ出さないようだと、1人気を裏切った昨年の武蔵野S(12着)と同じシーンも……。揉まれ弱さを考えると内枠に入ったのはマイナス。戸崎騎手が腹をくくった「後方+大外一気」をできるのかどうかに注目です。

 

インカンテーションの不安は?

インカンテーションの母オリジナルスピンは母系の奥に揉まれ弱いAureoleの血を引くので、こちらも外目をスムーズに走るのがベスト。今走は大外枠に入ったことから、この点はあまり気にしなくてもOKでしょう。

ビュンとキレる馬ではない(ストライドなので加速に時間がかかる)ので、ペースが緩むようだと直線先頭で押し切る形がベスト。スローにハマると、ピッチ走法の馬に出し抜かれてしまう危険性もあります。また、もともと間隔を空けても走るタイプではあるものの、8歳の高齢を考えると休み明けはマイナスです。

 

2頭の比較は?

サンライズノヴァとインカンテーションを較べると、枠の並びから前者の不安がより大きいと言えます。戸崎騎手は仕掛けを待つタイプなので、直線で馬群をさばく形になるとイヤですね。

とは言え、昨年の大敗は戸崎騎手の頭に入っているでしょうから、今年はさすがにペースがどうなろうと4コーナー手前から大外に出す進路を取るのでは、と。この辺りは誰にも予想できないことですから、後はオッズとの天秤にかけて考えましょう。

 

今年は逃げ・先行馬の薄い組み合わせ

今年は先行馬が少なく、ピュアな逃げ馬は「0」というメンバー構成。上位人気のナムラミラクルとインカンテーションが先行馬なものの、どの馬が逃げるのかがハッキリとしません。最内枠に入った松岡騎手のマイネルオフィールが逃げの候補でしょうか。

 

スローでもOKの追い込み馬

サンライズノヴァは4コーナー手前から大外に出せればスローでも差し込むだけの脚をもっていますし、使える脚の短いウェスタールンドは直線の長い東京だとスローがベターな追い込み馬。この人気2頭は1.0秒ほどの後傾ラップならそれほど苦にしません。

先行馬は4コーナーのところでガクンとペースを緩めるようだと、差し・追い込み馬が前へ取り付きやすくなるので、できれば前半3Fが遅くなっても、道中のペースは引き上げるのがベストです。

 

◎マイネルオフィール 6歳牡馬

父:ゴールドアリュール

母:アガルタ(母父キングカメハメハ)

厩舎:飯田雄三(栗東)

生産:ノーザンファーム

これまでは1800〜2100mの距離をメインに使われており、東京ダート1600mは3歳時のユニコーンS(7着)以来となります。前走から2F以上の距離短縮となる点がポイント。

母アガルタは今年のダービー馬ワグネリアンの母ミスアンコールの全妹。祖母のブロードアピールは芝・ダートのスプリント路線で活躍した追い込み馬です。母系はスピード血脈が豊富なため、ストライドで走る馬を多く出しています。

マイネルオフィールは逃げた時は(3 - 1 - 0 - 0)の好成績を上げていることから、ここでもポンとハナを切れればチャンスは十分にあるでしょう。ゴールドアリュール産駒はコパノリッキー、ゴールドドリームなどマイル適性の高い馬を多く出しており、距離短縮に大きな不安はありません。

 

逃げられるのかどうか……

前走のブラジルC6着はかかり気味に先行し、直線入口で逃げるラインルーフを交わして先頭に立つ競馬。陣営としてはそのレース振りから距離短縮のここへ目標を定めたと考えられます。

不安は他馬の後ろで折り合う競馬を選択すること。揉まれ弱いゴールドアリュール産駒ですから、馬群のなかで折り合いをつけて抜け出すのは難しく、ここはハナを切らないとノーチャンスです。単勝100倍を超えるオッズなら、この馬の逃げに賭けたくなりますね。

 

1着も?

先行馬のナムラミラクルは直線の早々に先頭に立って押し切るレースで強さを発揮するタイプなので、松岡騎手は2番手以下を3馬身以上離した逃げにもち込みたいところです。イメージとしては、クライスマイルが逃げ切った今年の白嶺S。直線に入ってリードを保っているなら、ナムラミラクルを抑えて1着も……。

 

◯▲候補は難しい

先にも述べたように、インカンテーションとサンライズノヴァには不安があり、この2頭についてはオッズとの兼ね合いとなります。ともにコース適性と競争能力の高さは折り紙つきなので、リスクとオッズを天秤にかけて買えるかどうかですね。

ナムラミラクルに乗るルメール騎手は、もともとダートの上級条件だと好走率が低くなるタイプ。非社台系の馬ということあり、イマイチ信用ができません。

ウェスタールンドは機動力に優れ、使える脚が短いタイプなので東京は割引。スローの瞬発力勝負になるようなら好走があっても驚けませんが……。このオッズだと手を出しにくく……。

 

コース適性のある馬たちは?

サンライズノヴァ、インカンテーション、ナムラミラクル、ウェスタールンドの4頭を除いて、コース適性(ストライド走法)の高い馬をピックアップしてみましょう。

クインズサターン

イーグルフェザー

ラインシュナイダー

ユラノト

ルグランフリソン

ストロングバローズ

メイショウウタゲ

う〜ん、あまり絞れないので困りましたね。昨年の武蔵野Sで◎にしたメイショウウタゲは臨戦過程も良く、スタートで後手を踏みさえしなければチャンスもあるでしょう。金曜日に降った雨が残るようならプラスです。

血統的には「Mineshaft × Street Cry」という配合のストロングバローズはこの条件がベスト。近走のデキがイマイチなのと、堀宣行厩舎+田辺騎手という組み合わせも「?」が付きます。

ラインシュナイダーは母系に柔らかな血が多く入り、直線の長いコースをストライドで走るタイプ。休み明けで大幅な馬体減だった前走を大敗しましたが、本来のデキに戻っているならチャンスもあるでしょう。

ユラノトは東京コースで1戦1勝を上げているように、ヴィクトリアマイルを制した母コイウタらしいスピード系のマイラー。コース適性は十分ですし、このメンバーで好走があっても驚けません。

イーグルフェザーとクイーンズサターンは似たようなタイプの追い込み馬。展開が向けばチャンスもありますが、この2頭が来るならサンライズノヴァが差し切っている気もするので……。

 

▲と△候補は?

▲候補は以下の2頭。

メイショウウタゲ

ユラノト

ソコソコの人気で買いたい馬はこの2頭。東京コースもほぼベストですから、この人気なら手を出したいですね。

△候補は以下の3頭

ストロングバローズ

ラインシュナイダー

クインズサターン

ストロングバローズとラインシュナイダーは配当跳ね上げ要員として拾います。クインズサターンは近走が冴えないものの、本質的には東京がベストなタイプなので。

 

買い目

マイネルオフィールの馬単1着付けが本線。どの馬が2着に来ても驚けないので総流しでもOKくらいですが……。とりあえずはウェスタールンドを除いた上位人気3頭と▲△5頭へ流します。

馬単以外は◎と▲を軸にした3連複のフォーメーションを。これよりも前のレースで当たっていたら、◎と▲の3連単を買うかもしれません。

 

馬単

1着:1

2着:3. 4. 6. 7. 9. 10. 13. 16

 

3連複

1軸目:1

2軸目:7. 13

3軸目:7. 13. 3. 4. 6. 9. 10. 16

合計21点。配当次第で3連複の3軸目にウェスタールンドを入れても……。メインの馬単が当たったらウハウハですね。

 

まとめ

今年の武蔵野Sは上位人気の馬が上位を独占してもおかしくありません。それだけに、◎は東京のダートマイルが合いそうな良血馬のマイネルオフィールから入ります。人気がないほど、外れたときのダメージは少ないですから……。

以上、お読みいただきありがとうございました。