今年の中山牝馬Sは、プリメラアスール、トーセンビクトリー、シャルールのどれが逃げるにしろスローが濃厚です。
名手の2人がペースを握る
トーセンビクトリーもシャルールも足の回転が速いピッチ走法の馬ですから、名手の2人はスローに落として一瞬の加速を引き出す騎乗を考えているはずです。
名手2人の思惑が一致するなら、先週の弥生賞のように「ペースを落とせるだけ落とす」こともあり得ます。
ピッチ走法の先行馬が揃って
今年の中山牝馬Sはピッチ走法の先行馬が揃って、小回り向きの機動力+一瞬の加速で誰がもっとも回転が速いのかを競うレースになりそうです。ちなみに、先行馬で回転の速さ順に並べるとーー
シャルール
サンソヴール
クイーンズミラーグロ
プリメラアスール
シャルールは足の短さからくるピッチで、トーセンビクトリー、プリメラアスールは頭の高さに、サンソヴールとクイーズミラーグロはその両方に由来するピッチと言えます。この5頭が直線でピッチを競うレース展開になったら面白そうです。
ピッチを負かすとしたらマジックタイム
道中はスロー、4角手前からペースがぐっと上がってからの再加速のレースだと、ピッチ優勢のレース。もし、マジックタイムがスローを見越して4角先頭のような捲りを打つならピッチ勢には苦しい展開になってしまいます。
予想
ウキヨノカゼの田辺騎手とビッシュの戸崎騎手が、あまりのスローペースに業を煮やして一気に捲るような展開にしなければ、道中は4角手前までペースが上がらないことも考えられます。
ピッチの争いになると考えてーー
◎シャルール
重賞2着は福島と札幌コースでのもので、父ゼンノロブロイのHalo的な機動力を活かした先行粘りこみの競馬。
中山芝1800mはシャルールのピッチ走法がもっとも輝く舞台で、坂のあるコースでも母系に入るMill Reefから十分にこなせる下地があります。
前走の愛知杯ではスローペースになったにもかかわらず内々で揉まれて位置取りが悪くなり、追い出しても反応がないという競馬でノーカウント。
待望の小回りで横山典騎手を鞍上に迎え、逃げるにしろ番手に控えるにしてもピッチを最大限に引き出すレースが期待できます。
◯クイーズミラーグロ
マンハッタンカフェ産駒で、母系の影響なのかレッドディザイアのような機動力に秀でたピッチ走法。
内回りの競馬に強くこちらもスローが希望で、トーセンビクトリーやサンソヴール、プリメラアスールよりも馬群に揉まれても大丈夫なタイプなので、この最内枠は願ったり叶ったり。
蛯名騎手ですから、中山の捲り所をきちんと分かっている騎乗をしてくるはずで、52kgの斤量であれば連軸として期待したい1頭。
▲トーセンビクトリー
シャルールやプリメラアスールよりも内に入ったので、武豊騎手が先手を主張する形になれば持ち前のピッチで加速し、後ろを抜かせない走りが期待できます。
サンソヴールと同じ父キングカメハメハの中距離馬で、逃げてペースを落とせれば牡馬に混じっても力を発揮できるタイプ。
逃げてしまえば、そこは武豊騎手の巧みなペースメイクが観られるでしょうから、簡単には人気馬に捲られないはずです。
△サンソヴール
トーセンビクトリーと同じく父キングカメハメハ×母父サンデーサイレンスの中距離馬で、愛知杯ではピッチを活かしての粘りこみ。
しぶとい脚を使うのが身上で、上記の先行勢を強引に捲るような競馬をしなければ(津村騎手が共存を図れば)、外目から抜け出せるのではないかと。
上りのかかる今の馬場もずんどばなので、有力各馬の捲り差しをこの馬も凌いで欲しいところです。
以下は3着の候補として
△マジックタイム
ルメール騎手は差し追い込み馬に乗った時は大外に出すよりも馬群を割る競馬を好むタイプです。
スローからの時計のかかる上り勝負で前が止まらない流れになった時に、馬群を割る競馬はリスクが高く、かと言って3〜4角にかけて大外をひと捲りのレースをするのかは微妙なところ。
脚を小出しに使いたくはないはずですから、おそらく中山記念のアンビシャスのような競馬になり、2着に届かずというケースは考えられます。
また、ここが引退レースですから「無事に走り終える」ことが最大のテーマだとは思います。
△ヒルノマテーラ
マーメイドS2着からも内回りが得意な馬で、血統の構成はクイーンズミラーグロに似ています。
後方一気の競馬ですから、馬群が固まったレースになれば3着も。
△ウキヨノカゼ
田辺騎手の捲りで。
他の有力馬
パールコードは立ち回りの上手さで好走する機動力タイプ。スローで大外を回るのはロスが大きく、ぴゅっと切れる脚に欠けるのでここだとレースの組み立てが難しいと思います。
スローペースを戸崎騎手が捲るかどうかで結果も変わりそうですが…
武豊騎手や横山典騎手の作るペースを無理に行くのかは?なので、外を回って届かずを想定。
フロンテアクイーン
ストライドを伸ばす持続力が武器の馬で、メジャーエンブレムの勝ったクイーンC2着など、ペースが流れた方が力を発揮しやすいタイプ。
前走はスローを33秒台の脚で差し切りましたが、中山のスローでは割引きたいですね。
買い目
シャルール、クイーンズミラーグロ、トーセンビクトリーの1、2、3の3連単と、シャルールからの馬単で。
3連単
1着:5. 1. 4
2着:5. 1. 4
3着:5. 1. 4. 11. 13. 12. 10
馬単
5→1. 4. 10. 11. 12. 13
まとめ
スローをピッチで駆け抜ける馬がズラッと揃った面白い1戦。
どの馬が抜け出すのか、今から楽しみです。
以上、お読み頂きありがとうございました。