根岸SはGⅠフェブラリーSに向けた大切なステップレース。東京ダート1400mの舞台に今年も多くの力量馬が参戦してきました。ここからGⅠへと羽ばたく馬が出てくるのか、注目の1戦です。
根岸Sの特徴
根岸SはダートのコースとしてJRA最長の直線を誇る東京競馬場で争われるとあって、ストライドをしなやかに伸ばす馬が好走するレースです。
東京ダート1300〜1600mを得意とする種牡馬と言えば、Mr. Prospector系(エンドスウィープ経由)のプリサイスエンド、Seattle Slew系のシニスターミニスターやA. P. Indy、Storm Cat系のヘニーヒューズやヨハネズブルグなどが挙げられます。
過去3年の勝ち馬の種牡馬はすべて上記の系統の馬で、ここ2年はワンツーを決めていることからも、しなやかなスピード血脈を伝える血をもつ馬をピックアップしたいレースです。
▼2015〜17年根岸Sの1〜3着馬
2015年
1着:エアハリファ
2016年
1着:モーニン
2着:タールタン
2017年
1着:カフジテイク
2着:ベストウォーリア
3着:エイシンバッケン
✳︎赤色はStorm Cat系、青色はSeattle Slew系、黒は父プリサイスエンド。
速い上りを使える馬が優勢
東京ダート1400mは下級条件になればなるほど先行有利なコースですが、重賞レースになるとポジション取り以上に芝並みの「速い上り」を使えるかどうかが大きなポイントになります。
34秒後半から35秒前半の脚をしっかりと使える馬が優勢なだけに、その点をチェックして予想を組み立てたいところです。
しなやかなストライド走法の馬は?
今年の根岸S出走馬の中で、しなやかにストライドを伸ばす馬をピックアップしてみましょう。
アキトクレッセント
ブラゾンドゥリス
マッチレスヒーロー
カフジテイク
キングズガード
サンライズノヴァ
ノンコノユメ
✳︎内枠から降順
上位人気の馬が多く残りましたが……◎はこの中から選びます。
予想
以前の根岸SはフェブラリーSでの好走馬が出ないステップレースでしたが、近年はダートが高速化していることもあり、GⅠとの結びつきが強くなっています。そのため、GⅠを展望したい馬がスンナリと好走することもままあるレースです。
1200からの距離延長組は割引?
根岸Sを予想する上でよく目と耳にするデータとして、「前走1200m戦からの距離延長組は割引」というものがあります。
ダート1400mは東京、阪神、京都、中京の4場所で行われ、中山にはこの距離のレースがありません。年末年始の短距離ダートOP戦は地方交流を除くと、中山ダート1200mのGⅢカペラSとジャニュアリーS、京都ダート1400mのすばるS、阪神ダート1400mのギャラクシーSの4レース。
中山ダート1200mはスタートしてから下り坂のコース・ロケーションということもあって、前半3Fが速い前傾ラップになるのがデフォルト。そのため、上りの速さが求められる根岸Sと適性が真逆のレースです。
距離延長組が割引なのではなく、中山ダート1200mがベストの適性をもっている馬は割引です。
◎キングズガード 7歳牡馬
A. P. Indy系の父シニスターミニスターはHail to Reason5×5の薄いクロスしかもたないため、母系の良さを引き立たせる種牡馬。キングズガードは父から直線の長いコース向きのストライド走法を、母から豊かなスピードとパワーを受け継ぎました。
シニスターミニスター産駒のインカンテーションが7歳でGⅢ武蔵野S(東京ダート1600m)を制していることからも、自身が濃いクロスをもたなければ高齢まで活躍できるのがこの父系の特徴です。
東京ダート1400mはこの馬にとってはベストの舞台。チャンピオンズCからの休み明けとなりますが、間隔が開いても大きく崩れることのない馬だけに、ここはチャンスが十分と言えます。主戦の藤岡佑介騎手に戻り、フェブラリーSへ向けて好発進を期待します。
相手は難しい……
1人気のサンライズノヴァは武蔵野Sを大敗した後、中山ダート1800mのOP特別を使ったローテーションが「?」が……。ただ、1400mの距離だとこの馬が快勝したグリーンチャンネルCのようにスローでも速い上りを使えば差し切れてしまうので、戸崎騎手がスムーズに馬群を捌ければチャンスも。
2人気のカフジテイクは昨秋からパフォーマンスの質が少しずつ落ちてきているのが気がかり……。福永騎手が前目のポジションを取るようになってから、上りの速さが影を潜めてしまいました。ふたたび最後方一気のレースはシフトチェンジできるのかが鍵です。
4人気のアキトクレッセントはストライド走法の馬なので、最内枠で窮屈な競馬にならないかが不安。近くにノボバカラやブラゾンドゥリス、外枠にラブバレットやブルドッグボスがいるため、揉まれずないポジションを取れるのかが……。
上位人気の馬はそれぞれに不安を抱えています。このなかで選ぶとすれば荻野極騎手のアキトクレッセント。スタートを恐れずに出して好位の外目を取れれば、有力馬が後方から進める脚質だけにチャンスは十分です。内枠さえクリアすれば好走できるので、相手ならコレ。
人気薄の2、3着候補は?
キングズガード→アキトクレッセントだと3連単でも配当が厳しくなるので、2、3着候補には人気薄の馬をピックアップします。上にも書いたように有力馬は後方からの馬なので、ピックするのは前々で運べる人気薄の馬を。
△ブラゾンドゥリス
△ラブバレット
偶然にもノボジャック産駒の2頭。どちらも1400mがベストで馬場は渋っているのがベター。速い上りにも対応できるので、この前目のポジションが取れる2頭を2、3着候補として。
ブルドッグボスは東京ダート1400mがベストとは思えないので割引。ノンコノユメは大きな力の衰えはないものの、この人気なら嫌いたいですね。
買い目
キングズガードから△2頭への馬単と、3連単を。
馬単
7 → 3. 11
3連単
1着:7
2着:2. 3. 11
3着:2. 3. 11
まとめ
フェブラリーSに向けて、ここで結果を出すのがどの馬なのか、今からレースが楽しみですね。
以上、お読みいただきありがとうございました。