サマー2000シリーズの最終戦「GⅢ新潟記念」は9月2日(日)、JRA全10場のなかで最長を誇る新潟競馬場の外回りコースを舞台にレースが行われます。長い直線でのレースとは言え、人気薄の馬が好走するのは先行して粘り込む形でのもの。今年もこのパターンが当てはまるのかに注目しましょう。
新潟記念は小回り・内回り向きの器用さが求められる
直線の長いコースに適性をもつのは、身体をしなやかに伸縮させてスピードを上げる「ストライド」走法の馬。トップスピードをゴールまで維持させるにはストライドを伸ばす馬に向いており、一瞬の加速で抜け出すピッチ走法の馬にとっては直線の長いコースは不向きです。
ところが、新潟記念の過去5年の1〜3着は、ストライド走法でしなやかに末脚を伸ばす馬が「意外に」少なく、小回り・内回り向きの器用さをもつ馬がチラホラと登場します。さて、どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?
スローペースになればピッチ走法の馬が有利
競走馬のフットワークは「ストライド」と「ピッチ」の2つに分けられます。この内、後者はトップスピードを長く持続するのが苦手です。そのため、新潟の外回りのような直線の長いコースに向きません。
ただし、スロー(後傾ラップ)の瞬発力勝負になると、瞬時に加速のできるピッチ走法が有利。新潟記念はスローペースになる傾向が顕著で、ピッチ走法の馬がビュンと抜け出して好走することもままあるのです。
小回り・内回り向きの先行馬は?
さて、今年の出走馬の中で、小回り・内回り向きの先行馬を探してみましょう。イメージとしては昨年の新潟記念を2番手から押し切ったタツゴウゲキのようなタイプがベストです。
▼内回り・小回り向きの馬
マイネルハニー
マイネルミラノ
レアリスタ
スズカディープ
セダブリランテス
(内枠から降順)
上記5頭の中で先行馬はレアリスタを除く4頭。
✳︎レアリスタは名牝トキオリアリティーの仔で、小回り向きの器用さとパワーをもつ馬。気象的な問題から差す競馬をしているものの、本質的には先行して粘り込む形がベストです。
上位人気に推されているセダブリランテス、近走は先行する脚が衰えているマイネルミラノを除くと、人気薄の先行馬はマイネルハニーとスズカディープに絞られます。
予想
単勝オッズ1倍台の推されているのは3歳馬のブラストワンピース。今年のダービーを5着と好走した素質馬とあって、骨っぽいメンバーのいないここはグリグリの人気となっています。
ブラストワンピースはダービーの時点でもまだ馬体が緩く、俊敏な動き(ビュンと加速するような)をやや苦手としています。そのため、スタートをポコッと出ることもあり、不安点を上げるとすれば、「スタート後手+スローペース+瞬発力勝負で届かない」の流れになった時でしょう。
アッサリと勝ってしまうかもしれませんが、それにしてもこのオッズは買いにくく、ここはスコーンと3着内を外す目に賭けたいですね。
◎レアリスタ 6歳牡馬
父:ステイゴールド
母:トキオリアリティー(母父Meadowlake)
厩舎:堀宣行(美浦)
小回り向きの馬だけに、直線の長いコースであればスローがベター。堀厩舎所属の良血馬で、勝つか大敗かの極端なタイプ。メンバー的に中団よりも前に付けられますし、名繁殖トキオリアリティーの仔ですから重賞でも引けはとりません。
6歳ながら走ったレース数も少なく、また高齢になっても活躍できる血統。気性的に難しいところがあるだけに、休み明けは大きなプラス。重賞を勝てるだけの配合ですから、この人気なら手を出さざるを得ません。石橋脩騎手がポジションを下げすぎなければ……。
◯スズカディープ 6歳騸馬
父:ディープインパクト
母:ローマンスズカⅡ(母父Seattle Slew)
厩舎:橋田満(栗東)
ディープインパクト×Seattle Slewの配合からはいかにも長い直線に向いていますが、JRAで上げた3勝はすべて小回りの小倉コース。器用さとしぶとさをもち、時計の速い決着を得意としています。
OPへの昇級初戦、新潟への輸送、テン乗りの内田博騎手と厳しい条件が揃っているものの、外枠からスムーズに先行できる人気薄の馬はこれくらい……。マイネル2頭のどちらがハナを主張するとしてもここはスローが濃厚なだけに、ゴールまで粘り込めれば……。
▲マイネルハニー 5歳牡馬
逃げたくはない先行馬なだけに、2枠に入ったのはマイナス。同クラブのマイネルミラノは近走で行き脚が鈍くなっており、ハニーが先手を主張する可能性が高く、渋った馬場で各騎手の意識が後ろになればチャンスも。
マイネルハニー、スズカディープが「スローだけれど馬群が縦長」というレースにもち込むことができればアレヨアレヨも考えられます。もともと重賞を勝つだけの力のある馬で、これだけ人気がないのなら。
その他の候補は?
◎◯▲はそれぞれ10人気→12人気→8人気とあって、ブラストワンピース、グリュイエール、セダブリランテスの上位人気3頭を相手にピックアップします。
買い目
◎◯▲の3連複フォーメーションがメイン。ブラストワンピースはグリグリ人気なので、ここだけ3連単を。
3連複
1軸目:9. 12
2軸目:9. 12. 2
3軸目:9. 12. 2. 10. 13
3連単
1着:1
2着:9. 12. 2
3着:9. 12. 2
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1着:9
2着:1
3着:12. 2
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1着:9
2着:12. 2
3着:1
合計19点。最低配当が3連複「2 - 9 - 10」の組み合わせで500倍超ですから、19点でも十分なプラスが見込めます。
ブラストワンピースが差し損ねて3着になるようだと「ウハウハ」の配当になるので、そこも期待したいですね。
まとめ
今年の七夕賞と同じく少頭数になった新潟記念。「荒れそうにないな」と油断していると、あっと驚く高配当が出ることもあるので、ここは人気薄の◎◯▲に期待します。
皆さまにとっても素晴らしいレースとなりますように。
以上、お読みいただきありがとうございました。