GⅢレパードS('17年)はDeputy MinisterとSeattle Slewもちのノーブルサターンに◎を

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3歳限定のダート重賞「GⅢレパードS」が8月6日(日)、新潟競馬場の1800mを舞台に行われます。トランセンドやホッコータルマエなど後のGⅠ馬を輩出した出世レース。今後のダート路線の主役を張るのはどの馬になるのかを占う意味でも目の離せない1戦です。

今年の注目馬はデビューから4連勝し、UAEダービーでも2着と好走したエピカリス。出走予定だったベルモントSを右前肢ハ行によって取消し、今走は海外遠征からの帰国初戦となります。これまで、国内では他馬を寄せ付けない高いパフォーマンスを見せてきた馬だけに、海外遠征帰り+取消し明け後のレースでどのような走りを見せてくれるのでしょうか?

今回の記事ではレパードSをずんどば!と予想していきます。

 

GⅢレパードSのポイント

レパードSはこの時期の3歳ダート路線を歩むトップレベルの馬が集まる1戦だけあって、'09年にレースが創設されてからここまでハイレベルな争いになることがほとんどです。そのため、人気上位の馬がすんなりと力を発揮し、大きな波乱の少ないことがこのレースの特徴。それでは、レパードSを予想する上での3つのポイントをひとつずつ見ていきましょう。

 

1. 1、2番人気が強いレース

レパードSはGⅠフェブラリーSやチャンピオンズCを目指す3歳のスター候補生が集まるレースだけあって、1、2番人気の支持を受けた馬がしっかりと好走するのがひとつのポイントです。このレースが創設されてからの8年間、1番人気に支持された馬は(5 - 2 - - 1 - 0)と複勝率100%をマークし、さらに2番人気が(3 - 1 - 1 - 3)とそれに次ぐ成績を上げています。また、1、2番人気どちらかの馬が勝ち切っているのも大きな特徴と言えます。

現時点(8月5日21:00)で1番人気はエピカリス、2番人気はシャパンダートダービー3着のタガオディグオとなっており、例年通りであればこの2頭のどちらかがレパードをSを制することに……。

 

2. 前走のレースはジャパンダートダービーが優勢

前走ジャパンダートダービー(JDD JpnⅠ)組は(4 - 2 - 2 - 20)ともっとも好走率が高く、同じ重賞競走のユニコーンS組の(2 - 0 - 0 - 9)を大きく上回る成績を上げています。ジャパンダートダービーの行われる大井2000m(外回り)は地方競馬場のなかでもっとも長い直線を誇るコース。また、コーナーがきついのもJDDの特徴で、これが新潟ダートコースとレイアウトが似ていることから、このような好走率になるのでしょう。反対にユニコーンSの行われる東京ダート1600mはストライドで差して来る馬が優勢の舞台のため、先行有利な新潟コースとは別の適性が求められます。

 

ジャパンダートダービー

ジャパンダートダービーからはタガノディグオ、ノーブルサターン、ローズプリンスダム、シゲルコングの4頭がレパードSに出走します。注目は3着と好走したタガノディグオと逃げて5着に粘ったノーブルサターン。

1番人気のエピカリスは逃げ・先行馬のため、今年は前へ行く馬にかなりのプレッシャーがかかることが予想されます。逃げ・先行馬が有利な新潟コースと言っても、ノーブルサターンにとってはなかなかマイペースで運ぶのが難しいメンバーが揃いました。

ジャパンダートダービーに出走したJRA勢については展望と回顧の記事を書いていますので、そちらをご参照いただければ幸いです。

ジャパンダートダービー('17年)は船橋競馬所属のヒガシウィルウィンの勝利ーー回顧 - ずんどば競馬

JpnⅠジャパンダートダービー(JDD)に出走するJRA勢7頭を解説! - ずんどば競馬

 

ユニコーンS組

ユニコーンS組からは2着のハルクンノテソーロ、5着のタガノカトレアが出走。先に述べたようにこの組から参戦した馬は(2 - 0 - 0 - 9)と勝つか負けるかという成績です。この2勝はグレンツェントとアジアエクスプレスでのもの。古馬のダート重賞を勝ちきれる能力がある馬であれば、レパードSでも十分に通用します。ハルクンノテソーロとタガノカトレアがここで初重賞初制覇なるのかが注目です。

ユニコーンSについてはレース回顧の記事を書いていますので、そちらをご参照下さい。

ストライドが輝く東京のダートーーユニコーンS('17年)回顧 - ずんどば競馬

 

3. 血統

過去8年間、3着以内に入線した24頭の内、血統として目立つのはDeputy Minister、Seattle Slew、Nureyevの3種牡馬。この内、Nureyevはさまざまな系統に分岐しているため、どのラインを経由しているのか参考までに系統も付け加えました。

 

Deputy Minister(Vice Regent)
馬 名 着順
14 アジアエクスプレス 1
13 インカンテーション 1
13 (ケイアイレオーネ)
11 ボレアス 1
11 タカオノボル 2
10 ミラクルレジェンド 1
10 グリッターウイング 2
09 スーニ 2

Deputy Ministerはフレンチデピュティ→クロフネがメインのラインになります。'13年のケイアイレオーネはDeputy Ministerの父Vice Regentをもつので()で記載しています。

'14年まではほぼ毎年連対馬を出していたように、このレースのトレンド血統だったのがDeputy Minister。Northern Dancer系のなかでももっともパワーを伝える種牡馬で、それが時計のかかりやすい新潟のダートとマッチしているのでしょう。今年の出走馬のなかでこの血をもつのはノーブルサターン1頭のみとなりました。今年は久しぶりにこの血統の好走があるのでしょうか。

 

Seattle Slew
馬 名 着順
16 レガーロ 3
13 インカンテーション 1
13 サトノプリンシパル 2
12 イジゲン 3
11 タカオノボル 2
11 タナトス 3

Seattle Slewはダート馬としてはしなやかなストライドを伝え、A. P. Indyを通して直線の長い東京ダートで幅を利かせている種牡馬です。

新潟のダートコースは東京、中京に次いで直線が長いため、ストライド走法の馬がソコソコ好走する舞台。ただ、コーナーがきつく逃げ・先行馬が有利なこともあり、ストライドで差す馬にはやや不利な条件とも言えます。そのため、Seattle Slewもちでも逃げ・先行馬を積極的にピックアップしたいところです。

今年の出走馬のなかではノーブルサターン、イブキ、シゲルコング、スターストラック、テイエムアンムート、ローズプリンスダムが該当します。

 

Nureyev
馬 名 着順 系統
16 グレンツェント 1 Kingmambo
16 レガーロ 3 Kingmambo
15 ダノンリバティ 2 キングカメハメハ
15 (タマノブリュネット) 3 ジェイドロバリー
14 ランウェイワルツ 3 ゴールドアリュール
13 サトノプリンシパル 2 Nureyev
12 ホッコータルマエ 1 キングカメハメハ
10 ソリタリーキング 3 キングカメハメハ
09 スタッドジェルラン 3 キングカメハメハ

近年のトレンドになりつつあるNureyev。目立つのはKingmambo→キングカメハメハ父子のライン。毎年のように3着馬を出していることからも、Nureyevのパワーは新潟ダートに合うのでしょう。'15年タマノブリュネットに入るジェイドロバリーはNureyevとニアリーな血統構成なので()として記載しました。

今年の出走馬のなかでこの血をもつのは、エピカリス、イブキ、サルサディオーネ、タガノグルナ、トラネコ、ハルクンノテソーロの6頭です。

 

Deputy MinisterとSeattle Slewもつのノーブルサターン

このなかで注目したいのはDeputy MinisterとSeattle Slewの両方の血をもつカジノドライヴ産駒のノーブルサターン。カジノドライヴ産駒らしいしなやかさとパワーを合わせもったノーブルサターンは「逃げ」が主戦法の馬ですから、新潟ダートのきついコーナーもOKのタイプです。多少ペースが速くてもハナを取り切ってしまえばアレヨアレヨも期待できます。

 

海外遠征帰りのエピカリスの取捨は?

今年のレパードSは「海外遠征帰りのエピカリスの取捨をどうするのか?」によって、予想作業の半分は終わります。1番人気は勝率0.625、連対率0.875、複勝率はパーフェクトですから。

ドバイ→アメリカ→日本という長距離輸送をこなしてからの帰国初戦、それに加えて取消し明けとなるわけですから、馬券としては切りたくなります。ただし、エピカリスが国内を留守にしている間、3歳ダート路線はオープンのレースで勝ち馬がコロコロと変わったことからもこの馬の力が抜けていたことは間違いありません。

 

エピカリスを取るのか捨てるのかはどちらも正解

「海外遠征帰りだからエピカリスは馬券から外す」、「ここではエピカリスの力が抜けているので馬券に入れる」というどちらの選択をしたとしても、それは正解です。私たち競馬ファンは海外遠征帰りの競走馬が好走するのか、それとも凡走するのかはレースが終わってみなければわかりません。日本に近い香港を除く海外遠征帰り初戦の成績がよくないのは事実なので、それをどう判断するのかは人それぞれです。

「わからない」ことや「判断できない」ことに予想の時間を大きく取られるのは「割に合わない」ことなので、それ以外の部分にリソースを回した方が結果としてプラスになります。

 

予想

日本に近い香港、「UAEダービー」と「ドバイワールドカップ」を除くドバイ以外の海外遠征組は現在のところ「買わない」ことに決めているので、エピカリスは好走したとしても3着まで、と決め打ちします。これでレパードSの予想の半分は終了しました。

 

◎ノーブルサターン

父:カジノドライヴ

母:クロスマイハート(母父:スペシャルウィーク)

厩舎:牧浦充徳(栗東)

逃げ・先行馬、前走がジャパンダートダービー、Deputy MinisterとSeattle Slewを合わせもつ馬と好走条件にぴたりと当てはまるノーブルサターンを◎に。内にタガノグルナ、イブキ、サルサディオーネと逃げ・先行馬が揃い、それらを見ながら競馬ができるこの枠はむしろ競馬がしやすいはずです。このメンバーであれば先行馬と中団との間にポッカリとスペースが生まれる組み合わせで、実質「逃げ」の形にもち込めればチャンスは十分にあります。エピカリスよりも前の位置で競馬をするのが理想。

 

以下は2着の候補として

ノーブルサターンが1着を取り切る予想のため、以下は2着候補として。

△ローズプリンスダム

前走ジャパンダートダービーで積極的に先行した経験を活かせる枠に入りました。先行争いを巧くさばいてインのポケットに入れれば。

△タガノカトレア

ユニコーンSはシゲルコングのトリッキーな逃げを追いかけ、直線では一旦先頭に立ったものの5着と敗退。砂をかぶってもOKなのでこの内枠でインのポケットに入れれば。

△テイエムアンムート

濃尾Sよりもテイエムアンムートの出走したリボン賞の方が1000万下としてはレベルが高く、一度新潟コースの経験があるのも強味です。柴田先生が騎乗するので、ゆったりとした捲りが決まれば2着には。

△テンザワールド

濃尾S組はレパードSと好相性なので一応ケアします。

△タガノディグオ

大外枠に入ったのはプラスで、川島騎手がタイミングよく捲れれば。

△トラネコ

武豊騎手がイン捲りを決められるのなら

 

その他の有力馬について

ハルクンノテソーロはストライドで走るので、3〜4コーナーで置かれるのが心配……。また、前走のユニコーンSは田辺騎手の好騎乗もあっての2着で、この舞台でさらにパフォーマンスを上げられるのかは「?」がつきます。エピカリスは先に述べたように来たとしても3着までという予想。

 

買い目

ノーブルサターン1着付けの馬単で△各馬へ。

 

馬単

13 → 2. 4. 10. 14. 15. 7

 

まとめ

国内では無傷のエピカリスが海外遠征帰りをはねのけて、レパードSを制することができるのか? 馬券だけではなくその走りには注目をしたいですね。皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。

 

以上、お読みいただきありがとうございました。