GⅡ日経賞(2018年)はコテコテの欧州血統+時計のかかる中山がスンドバのガンコに◎を!

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天皇賞・春のステップレース「GⅡ日経賞(中山芝2500m)」は昨年の菊花賞馬キセキ、香港ヴァーズ2着のトーセンバジルなど15頭が顔を揃えました。GⅠ好走馬を多く出す伝統の長距離重賞だけに、今年のレース内容にも注目が集まります。

 

日経賞は「コース適性」がポイント

日経賞は年末のグランプリ「GⅠ有馬記念」と同じ舞台で行われ、このコースが得意な馬がまま好走するレースです。過去5年の1〜3着馬を見ても、中山2200〜2500mがずんどばの馬たちがズラリと顔を揃えます。

日経賞・過去5年の1〜3着馬

2017年

1着:シャケトラ

2着:ミライヘノツバサ

3着:アドマイヤデウス

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2016年

1着:ゴールドアクター

2着:サウンズオブアース

3着:マリアライト

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2015年

1着:アドマイヤデウス

2着:ウインバリアシオン

3着:ホッコーブレーヴ

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2014年

1着:ウインバリアシオン

2着:ホッコーブレーヴ

3着:ラストインパクト

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2013年

1着:フェノーメノ

2着:カポーティスター

3着:ムスカテール

2016年は有馬記念の好走馬(✳︎)が1〜3着を占め、14年1着ウインバリアシオンと2着ホッコーブレーヴは翌年も好走を果たしています。小回り中山に適性のある馬がそのまま好走するのが日経賞と言えるでしょう。

✳︎2016年の日経賞は前年の有馬記念1着、 2着、4着馬がワンツースリーを決めました。

今年は有馬記念を好走したことのある馬が「0」で、中山の重賞勝ち馬はゼーヴィントのみとこのコース「ずんどば!」の実績馬がほとんどいません。そのため、一筋縄とはならないレースになりそうですね。

 

小回り中山向きの馬は?

過去のレースを見ても、中山向きではない馬の好走はほぼありません。スタミナと持続力、コーナーを俊敏に加速できる器用さのあるタイプの馬でないと、このレースで馬券圏内に入るのは苦しいと言えるでしょう。

それでは、今年の出走馬の中で「小回りの中山コース」に向くのは誰でしょうか?

小回り中山向きの馬

ショウナンバッハ

ノーブルマーズ

ゼーヴィント

サクラアンプルール

ガンコ

ソールインパクト

(内枠から降順)

ここではあきらかに適性のある馬をピックアップしました。候補となるのは上記の6頭です。いずれも小回り向きの器用さをもつ馬で、その中でも血統的にこのコースが「ずんどば!」と言えるのは、ノーブルマーズ、ゼーヴィント、ガンコの3頭。

この3頭については週中に詳しい解説記事を書いているので、よければそちらをご覧下さい。

サクラアンプルール、ソールインパクトは小回りコースの重賞を好走しており、3〜4コーナーを俊敏に捲れるのが特徴です。ともにインコースで脚を溜められる馬ですから、道中をロスなく走れれば好走の可能性が高まります。

 

上位人気の2頭について

1人気のキセキ、2人気のトーセンバジルは実績+厩舎+鞍上で馬券が売れるのでしょうが、中山に適性があるのかは「?」が付きます。2頭ともに厩舎と鞍上は重賞を好走するのにふさわしいコンビですから、コース適性を上回る走りをしてしまうかもしれませんね。ただ、この人気だと……買いにくいのは確かです。

 

2頭の序列は?

2頭を比較するなら、母系がパワー・マイラーのロンドンブリッジ、同牝系のグレーターロンドンが中山コースでも器用に差し脚を発揮していることから、キセキはコース適性の面でトーセンを上回ります。

トーセンバジルの鞍上M・デムーロ騎手は、ストライド走法のドゥラメンテを皐月賞1着に導いたように、コース適性が合っていない馬でも中山コースにフィットさせる乗り方ができます。また、管理する藤原英昭厩舎は今年絶好調とあって、馬個体の能力を抜きにすればこちらが上です。

キセキは外枠、トーセンバジルは内枠とあって、好走する確率としては後者が上でしょうね。

 

予想

日経賞は伝統ある重賞とあって、馬個体の能力や適性よりも厩舎と騎手から予想することもできるものの、それだと人気に寄ってしまうので、ここはあくまで「中山コースの適性」を重視します。

先に上げたノーブルマーズ、ゼーヴィント、ガンコの中で◎を選びます。過去の日経賞を見ても、1600万下からの昇級初戦+重賞で馬券圏内の経験がない馬はほぼ好走していないので、◎の候補はゼーヴィントかガンコです。

 

◎ガンコ 5歳牡馬

父:ナカヤマフェスタ

母:シングアップロック(母父:シングスピール)

厩舎:松元茂樹(栗東)

昨年末までダートを主戦に走っていた同馬は芝のレースへと転向すると、日経新春杯3着→1600万下1着と成績が急上昇しました。

ステイゴールド直仔のナカヤマフェスタとパワー&器用さを伝える母父シングスピールが掛け合わされ、自身はHalo4×4とDanzig5×4のクロスをもちます。配合からは欧州のタフな芝レースでも好走できるほどで、小回り+上りのかかる中山芝2500mはずんどばの舞台でしょう。

本格的な欧州血統(母系の奥はドイツ血統)だけに、高速馬場だとアッサリと鋭さ負けしてしまいますが、時計のかかるスタミナ勝負はドンと来いのタイプ。藤岡佑介騎手がスピードの問われる質のレースにもち込まないよう気をつければ、重賞制覇のチャンスも十分です。

外枠に入ったのは割引なものの、今走は逃げ・先行馬が薄い組み合わせ。これなら7枠からでもロードヴァンドールを行かせての2、3番手が取れるだけに、3〜4コーナーからのロングスパートでスタミナと持続力の勝負にもち込めれば押し切りも……。

外枠以外に大きなマイナス点もないので、◎は素直にこの馬から。

 

◯ゼーヴィント 5歳牡馬

母系は抜群の中山適性を誇り、同牝系出身+似た血統構成のセダブリランテスは中山金杯とラジオNIKKEI賞を制しています。ゼーヴィント自身も小回りコースの重賞に絞ったローテーションが組まれ、中山コース(2 - 2 - 0 - 0)の巧者です。

不安は骨折休養明け初戦となる点。休み明けそのものは苦にしないものの、脚元の不安によって間隔が空いたので、仕上がり具合はどうしても気になります。ノーザンファーム生産馬+木村哲也厩舎ですから、仕上がりに関しては大きく心配しなくてもOKとは言え、万全ではないでしょうからこれ以上の印は……。

このメンバーであればアッサリも考えられるだけに、骨折休養明けが嫌われてオッズがつくようならウハウハですね。

 

▲ノーブルマーズ 5歳牡馬

日経賞は重賞実績のない馬はほぼ通用しないので、セントライト記念5着のこの馬がどこまで耐えられるのかが不安で▲に。枠順と展開、コース適性だけを取れば◎と◯にヒケを取らないので、人気が薄くても期待しています。

勝ち切れるのかは「?」が付くものの、他馬の間隙をついてコソッと2、3着に入線してくれればOKです。本質的には中山芝2200mがベストとは言え、このメンバーなら通用してもおかしくありません。

 

△候補は?

キセキやトーセンバジルが2、3着に入る可能性もあるものの、それだとただの「厩舎+騎手ゲーム」なので、この2頭はバッサリと切ります。1〜3着に好走したら、適性を能力が上回った、あるいは「厩舎と騎手」の力が上だったと諦めもつくので。

というわけで、△候補はショウナンバッハサクラアンプルールソールインパクトの中山適性の高い3頭と、展開利の見込める逃げ馬ロードヴァンドールをピックします。

 

買い目

◎◯▲で決まる可能性が高いと踏んで、3連複はこの1点で。◎と◯であれば前者が上だと考え、3連単はこの1着固定を買います。

 

3連複

12 - 9 - 6

 

3連単フォーメーション

1着:12

2着:9. 6

3着:9. 6. 2. 11. 15. 4

 

まとめ

今年の日経賞は馬個体のコース適性を上回る、「厩舎+騎手ゲーム」になる可能性もありますが、「ルメールと角居勝彦、ミルコと藤原英昭のコンビは最強!」などとならないように祈ります。

皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。

以上、お読みいただきありがとうございました。