GⅠ桜花賞(2018年)は高配当を期待してマイラー色の強い馬をピックアップーー予想

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3歳牝馬クラシックの第1冠「桜花賞」は、2014年のハープスターから昨年のソウルスターリングまで、4年続けて1人気の単勝オッズが1倍台となりました。ただ、1人気馬の成績は(1 - 0 - 1 - 2)と高い支持を集めたほどには走れていません。

今年の主役は4戦4勝の2歳女王・ラッキーライラックが務めます。単勝1倍台のオッズ通りの走りができるのかに注目です。

 

桜花賞の1人気は3連敗

2歳女王を決める「阪神JF」と3歳牝馬クラシックの第1冠「桜花賞」は阪神芝1600mで行われるため、お互いに結びつきの強いレースです。過去5年間の桜花賞で1人気に推された5頭の内4頭は阪神JFを経由しています。

2013年

クロフネサプライズ

阪神JF:2着

桜花賞:4着

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2014年

ハープスター

阪神JF:2着

桜花賞:1着

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2015年

メジャーエンブレム

阪神JF:1着

桜花賞:4着

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2016年

ルージュバック

阪神JF:未出走

桜花賞:9着

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2017年

ソウルスターリング

阪神JF:1着

桜花賞:3着

阪神JF未出走のルージュバックは9着と掲示板を外したものの、残りの4頭は大きく崩れていません。阪神JFを好走しているかどうかは、桜花賞においても大切なポイントです。

馬券圏外のクロフネサプライズとメジャーエンブレムの2頭は「先行馬」という点が共通しています。桜花賞はもともとハープスターのように後方からバキューンと弾ける脚を使える馬に有利なレースですから、前々から押し切る馬が1人気の場合には注意が必要です。

 

1人気ラッキーライラックの不安は?

「2歳女王」が順調に桜花賞へ出走すると、メジャーエンブレムやソウルスターリングのように人気も一本かぶりになります。ラッキーライラックは「2歳女王+4戦4勝」ですから、ここで圧倒的な人気に推されるのは自然なことです。

ただ、その圧倒的な1人気馬がコロッと負けてしまうのが「桜花賞」というレース。「1人気が3連敗中」なこともあって、競馬メディアは「ラッキーライラックは1強と言えるのか?」を書き立てています。それでは、この馬が抱える不安はどのようなものなのでしょうか?

 

不安点は2つ

ラッキーライラックの不安は以下の2つです。

1. 先行脚質

2. 1枠1番に入ったこと

 

先行脚質

2006年に阪神コースが改修されてからの桜花賞は、バキューンと弾ける脚を使える「差し・追込み馬」の好走が目立っています。しなやかなストライドで差すディープインパクト産駒と好相性なのも、そのことと関係しているのでしょう。

それに対して、先行抜け出し(4コーナー5番手以内)で桜花賞を勝ったのは、稍重+タフな馬場だった17年のレーヌミノルと歴史的なスローを逃げ切った15年のレッツゴードンキを除けば、アパパネとダイワスカーレットの2頭のみ。

これまでの4戦から考えても、ラッキーライラックは先行して押し切るレースをするはずで、もし桜花賞を勝つのであれば、アパパネやダイワスカーレットなどの名牝と肩を並べることになります。

 

1枠1番

多くの競馬メディアで取り上げられているように、「桜花賞の1枠スタートは成績不振」ですし、圧倒的な1人気のラッキーライラックが内で包まれてしまうことも不安要素と言えるでしょう。

ただ、今年の桜花賞はノーザンファーム+社台ファーム+白老ファーム生産の計16頭が同グループ。また、下河辺牧場生産のマウレアを除く上位人気馬はすべてノーザンファームの生産ですから、「包まれる」リスクはそれほど心配する必要がありません。

1枠1番に入ってもっとも不安なのは、ラッキーライラックの母系に入るVaguely Nobleの揉まれ弱い気性。半姉のラルクが揉まれ弱い気性のため、逃げか外からスムーズに先行しないと好走できていないように、外を他馬がかぶせるようだと、レースへの集中を欠く恐れも……。

 

スタートから出して行く勇気

ラッキーライラックの鞍上・石橋脩騎手に求められるのは、スタートから出して行く勇気です。かかることを恐れずに「逃げてもOK!」の気持ちで前々へ行けば、インのポケットに入ることなく好位の外目を取り切ることができます。

他の騎手+馬をアテにして「好位のイン」に入るようだと、揉まれ弱い気性が顔を出すリスクも考えないといけません。スタートから積極的に出して行けるのかがこの馬にとってのポイントになるでしょう。

 

社台系ファームの運動会

先にも述べましたが、今年の桜花賞は18頭中16頭が社台系ファームの生産馬です。この日本NO.1の馬産グループは3歳クラシック・レースに抜群の強さを発揮します。

2018年桜花賞の生産牧場

ノーザンファーム:8頭

社台ファーム:6頭

白老ファーム:2頭

ノースヒルズ:1頭

下河辺牧場:1頭

もっとも頭数を揃えたのはラッキーライラック、アーモンドアイ、リリーノーブルの1〜3人気を擁するノーザンファーム。質・量ともに申し分のなく、ここから1頭も馬券圏内に入らないのはごく低い確率です。

非社台系の2頭、マウレアとスカーレットカラーにとっては苦しく、能力をフルに発揮できるレースを作れるのかは「?」が付きます。社台系ファームの上位独占となる公算が高くなりましたね。

 

予想

土曜日の阪神で行われた芝1600mの重賞「阪神牝馬S」は、ダイワメジャー産駒のミスパンテールが逃げ切り、上りのかかるレースが得意なリスグラシューが3着に入線。このことから、現在の阪神芝は先週よりもやや時計のかかるコンディションだとわかります。

もう雨の心配はないとのことで、桜花賞に向けて芝はどんどん乾くはずですから、日曜日は速い時計の出る可能性もあるものの、先週並みの「高速馬場」にはならないでしょう。

 

今年は昨年と似た図式の桜花賞

今年の桜花賞の勢力図は昨年のものと似ています。共通点を上げれば以下の通りです。

阪神JF1〜3着馬が桜花賞へ出走

チューリップ賞を2歳女王が快勝

2人気は非トライアルからのローテ

3人気はチューリップ賞3着馬

その昨年は阪神JF1〜3着の順が入れ替わっただけの結果となりました。稍重馬場の影響から前後半800mが46.5 - 48.0のハイペースとなり、マイル適性の高いレーヌミノルが中距離馬のリスグラシューとソウルスターリングを敗ったものの、結局は阪神JF組の上位はそのまま……。

今年も阪神JF組はトライアルをしっかりと好走しましたし、他の路線から臨む馬にとっては大きなプラスアルファがないと苦しい状況と言えるでしょう。アーモンドアイ、プリモシーン、フィニフティのノーザンファーム生産馬は前走からの上積みを求められます。

 

ラッキーライラックのリスク

1枠に入ったラッキーライラックをどうするかは桜花賞の馬券のポイント。1着付けでも馬券からバッサリと外すとしても、どちらも正解です。オッズとリスクを天秤にかけ、その上で買うのか買わないのかを判断するのがベター。

今年の桜花賞は普通に考えれば「ラッキーライラック→リリーノーブル→ハーレムライン」なので、それを買って自分の満足できる配当が望めるのであれば……。ただそれだと、3着にハーレムラインが入ってもオッズ的に満足できないのが悩ましいところですね。

この馬については週中にも詳しい解説記事を書いているので、よければ以下をご覧下さい。

 

ラッキーライラックが外れるとすれば

この1人気の馬が馬券外へなるには以下の2つが揃う必要があります。

1. 前傾ラップ

2. 馬群に揉まれて集中できない

前傾ラップになるとどうしても中距離馬が追走に脚を使ってしまうので、マイラーに向いた流れになります。今年の桜花賞はピュアなマイラーが少なく、もしペースが速くなれば高配当の可能性も。

ノーザンファーム、阪神JF組の壁は厚いものの、満足できるオッズを求めて、マイラーがハイペースを押し切るレースを想定します。

 

ピュアなマイラーは?

それではピュアなマイラーをピックアップしましょう。

アマルフィコースト

アンコールプリュ

レッドサクヤ

ハーレムライン

ツヅミモン

(内枠から降順)

この5頭は「生産牧場+厩舎+騎手」の面からは好走の可能性があります。もっとも不安なのは「牧田厩舎と浜中騎手」のアマルフィコースト。前走のことを考えると、騎手がムリに前々へつけるとは考えにくく、ポジションを下げそうなのもマイナスです。

ハーレムラインの田中清隆厩舎は牝馬クラシックを善戦したホエールキャプチャを管理した経験があり、厩舎的なマイナスはありません。この馬の最大のセールスポイントは、馬主が吉田千津氏ということ。エリザベス女王杯を制し、昨年の有馬記念でもキタサンブラックの2着と好走したクイーンズリングを所有していた馬主さんだけに、GⅠでの好走は十分です。

アンコールプリュ、レッドサクヤ、ツヅミモンの3頭は厩舎も生産牧場もプラスなので、この3頭は外しにくい……。で、印をつけるなら以下の通り。

レッドサクヤ

ハーレムライン

ツヅミモン

アンコールプリュ

レッドサクヤはGⅠ馬エイジアンウインズの4分の3妹で、マイル戦はずんどば。エルフィンS組はギリギリ桜花賞1着馬も出るので、これほど人気がないなら。絶好調の藤原英昭厩舎、カツジでNZTを制した松山弘平騎手のコンビもプラスでしょう。

ハーレムラインはこの厩舎の看板馬だったホエールキャプチャと同じく母系のBlushing Groomらしいしなやかさもある馬で、阪神外回りコースもそれほど苦にはしません。勝ち切るまではどうかも、2・3着にコソッと入るイメージで。

ツヅミモンは桜花賞を3着と好走したカタマチボタンを母にもち、藤岡厩舎の管理馬であればギリギリ粘って……のシーンを期待したいですね。こちらも頭まではないので、3着あたりで。

アンコールプリュはいかにも母オイスターチケットらしい走りで、阪神コースはずんどば。問題は内枠に入り、大外をぶん回して届くのかは?なので、こちらも2・3着の候補で考えます。

 

買い目

レッドサクヤとハーレムラインの馬連が本線。後はレッドサクヤを1着に固定した3連単を。

 

馬連

5 - 8

 

3連単

1着:5

2着:8. 4

3着:8. 4. 18

 

まとめ

ラッキーライラック→リリーノーブル→ハーレムラインで決まったら仕方なし、と諦めもサッパリと付くので、ここは高配当の望める買い目を。

オルフェーヴル産駒のラッキーライラックがどのようなレースをするのか、今からレースが楽しみですね。

以上、お読みいただきありがとうございました。