社台ファーム生産馬のレッドサクヤは桜花賞(2018年)を好走できるのか?

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3歳牝馬クラシックの第1冠「GⅠ桜花賞」は4月8日(日)、阪神芝1600mを舞台に行われます。昨年は1人気のソウルスターリングが直線で伸び切れず3着と敗退したことから、この馬を生産した社台ファームにとっては1年越しの雪辱を果たすレースとなりました。

今年の桜花賞は上位人気の馬がほとんど「ノーザンファーム生産馬」となっており、同グループの社台ファームとしても一矢を報いたい局面です。ラッキーライラックやアーモンドアイ、リリーノーブルなどの素質馬を負かす馬が現れるのでしょうか?

ノーザンファーム生産馬を中心に、「なぜ社台系ファームがクラシックで強さを発揮するのか?」については以下の記事で解説しているので、よければご覧下さい。

 

社台ファーム生産馬は?

桜花賞に出馬登録している社台ファーム生産馬は以下の5頭です。

アマルフィコースト:牧田和弥厩舎

トーセンブレス:加藤征弘厩舎

ハーレムライン:田中清隆厩舎

リバティハイツ:高野友和厩舎

レッドサクヤ:藤原英昭厩舎

人気としても面白いメンバーが揃っており、「ノーザンファームの上位独占」にストップをかけたいところです。

ステップレースのフィリーズレビューを快勝したリバティハイツ、フラワーC2着のトーセンブレス、アネモネS1着ハーレムライン(吉田千津氏の所有馬)などにも期待できるものの、ここでは好みの配合をしているレッドサクヤを取り上げます。

 

レッドサクヤ 3歳牝馬

父:ディープインパクト

母:サクラサクII(母父:デインヒル)

厩舎:藤原英昭(栗東)

騎手:未定

レッドサクヤを管理する藤原英昭厩舎は年明けからここまで素晴らしい成績を上げています。今年の成績は(23 - 16 - 7 - 31)、勝率0.299、連対率0.507、3着内率0.597と恐ろしい数字が並ぶことに……。もちろん、ここまで2位に5勝差をつけてリーディングを快走しており、この勢いは無視できません。

藤原英厩舎から桜花賞に登録しているのは、シグナライズ、フィニフティ、レッドサクヤの3頭。もし2頭以上が出走となれば、確率的にどれか1頭は連対することになります。

3頭のなかでは福永騎手を予定しているフィニフティ(クイーンC2着)が一歩リードしており、それに続くのがエルフィンSを制したレッドサクヤ。どちらもOP競争で好走していることから、上位に割って入る力は十分です。

 

血統

レッドサクヤは全姉のエバーブロッサム、4分の3姉のエイジアンウインズ(父フジキセキ)と姉が重賞勝ちの実績をもつ良血馬。また、母サクラサクはどんな種馬を付けてもコンスタントに走る仔を出しています。

この馬は全姉エバーブロッサムよりエイジアンウインズに似ており、しなやかなディープインパクトにパワーあふれるデインヒルの筋肉量を付け足す好配合。

母のもつNorthern Dancer3×4、Ribot4×5のクロスからも成長力とパワーは十分で、牡馬と牝馬の差はあるとしても同配合のフィエロと同じく、古馬になってもジリジリと力をつけるタイプでしょう。

直線に坂のある阪神コースはセカンドベスト(ベストは中山芝1800m)のはずで、バキューンと坂下からゴールまで弾ける脚を使えればチャンスも十分です。

 

ダノンプレミアムも「デインヒル」?

無傷の4連勝を飾り、皐月賞の大本命と目されるダノンプレミアムは父ディープインパクト×母父Intikhab×母母父デインヒルという配合。Intikhabはスノーフェアリーの父としても知られるフィリーサイアーで、母系に入っても良さを出します。

ダノンプレミアムはIntikhab「らしさ」よりもデインヒルの影響が強いパワー型。そのため、サウジアラビアRCも朝日杯FSも弥生賞も坂を苦にしない重厚なストライドで後続を寄せ付けませんでした。

ディープインパクト的というよりも、名競走馬Dubai Millenniumのようにスピードとパワーでグイグイと押して行く先行馬で、これはあきらかにデインヒルのスピードとパワーがONになっていると考えられます。

レッドサクヤはダノンプレミアムのように単調なスピードで押すタイプではなく、器用さももち併せています。ビュンと加速できるところはフィエロと似ており、デインヒルのパワーがONになっていても、走るフォームはダノンと異なるのが特徴です。

 

大阪杯に向けて

前走のエルフィンSは直線平坦の京都コースとあって、抜け出すときの脚は素晴らしかったものの、馬体をしなやかに伸縮させてグイグイと伸びてくる走りではありませんでした。

その観点からも京都→阪神コース替わりは間違いなくプラス。あまりにも時計が速くなるようだと鋭さ負けする恐れもあるものの、今年の上位人気馬はハープスターやジュエラーのようにバキューンと弾ける脚を使える馬が少なく、その点はそれほど心配しなくてもOKです。

「騎手未定」とエルフィンSからのローテーションさえクリアできれば、好走できるだけの下地はあります。

 

まとめ

今年の桜花賞は「ノーザンファーム vs 社台ファーム&社台コーポレーション白老ファーム」という図式になっています。

上位人気はほぼノーザンファームで固められていますから、レッドサクヤがそこを割って入れるのかに注目したいところです。関西の名門・藤原英昭厩舎の管理馬ですから、GⅠでノーチャンスということはありません。

5人気以内になることはないでしょうから、週末にかけて「力が足りるのか?」をしっかりと考えたいですね。

以上、お読みいただきありがとうございました。