非ディープインパクト産駒が人気になる桜花賞ーーサロニカは好走できるのか?

f:id:hakusanten:20170404210828j:plain

'11年の桜花賞マルセリーナは、ディープインパクトの初年度産駒として初めて父にGⅠをプレゼントしました。

海外の国際GⅠを含めれば、マルセリーナを皮切りに'17年ドバイターフを制したヴィヴロスまで、ディープインパクト産駒は既に36のタイトルを獲得しています。

その中でも阪神芝1600m(外回り)で行われる桜花賞は、'11年マルセリーナ、'12年ジェンティルドンナ、'13年アユサン、'14年ハープスターの4連勝が示す通り、ディープインパクト産駒が抜群の相性を誇るGⅠです。

これだけの好成績を残しているのであれば、「桜花賞ディープインパクトを狙えばOK!」と考えてしまいますが、'17年の桜花賞ディープインパクト産駒の出走権確定はサロニカ1頭のみとなっています。人気上位を形成するソウルスターリング、アドマイミヤビ、リスグラシューミスエルテ、カラクレナイはいずれも非ディープインパクト産駒ですから、サロニカが割って入ることができるかに注目です。

 

桜花賞を勝ち切るディープインパクト産駒の特徴

桜花賞馬となったディープインパクトを産駒の4頭にはどこか共通点があるのでしょうか?

まずは、マルセリーナジェンティルドンナアユサンハープスターの血統を確認してみましょう。

 

血統

'10年の勝ち馬マルセリーナから見て行きましょう。

 

マルセリーナ

父:ディープインパクト

母:マルバイユ(母父:Marju

母マルバイユは仏のマイルGⅠアスタルテ賞勝ち馬で、その父Marju英ダービー2着に、英のマイルGⅠセントジェイムズパレス勝ち馬です。

 

ジェンティルドンナ

父:ディープインパクト

母:ドナブリーニ(母父Bertolini)

母のドナブリーニは英のスプリントGⅠチェバリーパークS勝ち馬で、その父Bertoliniは英のスプリント(1000m)GⅠナンソープS2着のスプリンター。

 

アユサン

父:ディープインパクト

母:バイザキャット(母父Storm Cat

母は米1勝ち馬で、母父のStorm Catはスピード色豊かな スプリンターやマイラーを輩出する種牡馬

 

ハープスター

父:ディープインパクト

母:ヒストリックスター(母父ファルブラヴ

 母ヒストリックスターは不出走、その父ファルブラヴジャパンカップ勝ち馬ですが、種牡馬としてはアイムユアーズワンカラット、フォーエバーマークなど短距離で活躍する牝馬を輩出しています。

 

血統としての共通点は、母や母父がマイルやスプリントのスピード能力が濃いということが挙げられます。

 

馬体

ディープインパクトは自身が細身の馬体で、しなやかさと柔らかさが突出した競走馬でした。その特徴が産駒にも伝わり、ディープインパクト産の牝馬オークス馬のミッキークイーンシンハライト秋華賞馬ヴィヴロスなど430kgを切るか切らないかくらいの馬体重で出走しています。ヴィルシーナ桜花賞出走時は434kgの馬体でした。

反対に、上記の4頭は馬格に恵まれています。桜花賞出走時の馬体重を見てみるとーー

 

マルセリーナ452kg

ジェンティルドンナ456kg

アユサン484kg

ハープスター478kg

 

少なくとも3歳春の時点で阪神芝1600mのGⅠを勝ち切るには450kgを超える馬体重が必要。

 

サロニカは?

それでは、サロニカの血統と馬体重をチェックしてみましょう。

 

血統

父:ディープインパクト

母:サロミナ(母父:Lomitas)

サロミナは独オークス馬。その父Lomitasは独GⅠバーデン大賞(芝2400m)の勝ち馬で、種牡馬としても凱旋門賞馬のデインドリームを輩出するなど、中距離馬の血統です。

 

馬体重

サロニカはここまで3戦していますが、レースでの馬体重の推移を見てみるとーー

新馬戦:434kg

白梅賞:430kg

エルフィンS:430kg

桜花賞までに後20kgは増やしたいところ。

 

サロニカは血統と馬体重から、桜花賞を勝ち切るディープインパクト産駒としてはズレているという結果に。

 

ディープインパクト産駒が人気上位になった年は?

今年の桜花賞のように、非ディープインパクト産駒が人気上位を形成した年はどのような結果になったのでしょうか?

ここでは分かりやすく、ディープインパクト産駒が1〜3番人気に支持されなかった桜花賞を見てみましょう。

 

'15年桜花賞

1着:レッツゴードンキ(5人気)父キングカメハメハ

2着:クルミナル(7人気)父ディープインパクト

3着:コンテッサトゥーレ(8人気)父ディープインパクト

解説

「GⅠ史上、もっとも遅いペース」と揶揄された'15年の桜花賞は、1番人気のルージュバック(父マンハッタンカフェ)が馬群の中で苦しみ、それを尻目に悠然と逃げたレッツゴードンキが1着。

2着争いは大混戦で、後方から差し脚を伸ばしたクルミナルと最内をピッチで加速したコンテッサトゥーレが2、3着に入線しました。

クルミナルはこの年の桜花賞に出走したディープインパクト産駒の中で、484kgと馬格に恵まれていました。

 

'15年の桜花賞、1番人気のルージュバック、2番人気のココロノアイは着外に、3番人気のクイーンズリングは4着と上位人気の3頭がすべて馬券圏内から外れる波乱の結果となりました。

この年の場合は、ドスローからの上り勝負になってしまったので、ディープインパクト産駒か否かはあまり関係がなかったかもしれませんが、2着のクルミナルは484kg、3着のコンテッサトゥーレは444kgと好走した2頭の比較でもやはり馬体重は重い方が上位に来ています。

 

今年の桜花賞は?

ディープインパクト産駒がサロニカ1頭となりそうな今年の桜花賞。これだけ非ディープが人気上位を形成することも珍しいことです。

ソウルスターリングが敗れるとしたら'15年の極端なスローの上り勝負になったときかもしれません。

う〜ん、このメンバーで誰が逃げるのか?

'16年の1番人気4着メジャーエンブレムのキレ負けを経験しているルメール騎手ですから、あまりにもスローなら番手の競馬も十分にあり得そうです。

 

ハイレベルな戦いが予想される'17年の桜花賞、今からレースが始まるのが楽しみですね!

 

以上、お読みいただきありがとうございました。