芝中距離「女王」の座を争うエリザベス女王杯(GⅠ・京都芝2200m)は、近い将来に「繁殖」としての第2の馬生が待っている牝馬たちによる1戦です。
そのため、近年は日本の馬産をリードするノーザンファームと社台ファーム生産馬の好走が目立ちます。
今年はこれらのファームから勝ち馬が出るのでしょうか?
牝馬GⅠはやはり社台系ファームが強い?
今春行われた古馬牝馬のGⅠヴィクトリアマイル(東京芝1600m)は、1着アドマイヤリードと3着ジュールポレールが社台系ファームの生産馬でした。
▼2017年ヴィクトリアマイル
1着アドマイヤリード:ノーザンファーム
2着ジュールポレール:社台コーポレーション白老ファーム
優秀な繁殖牝馬は、自身が高い競走能力をもつことも多く、日本の馬産をリードする社台系ファーム生産馬が、牝馬GⅠで好走するのは自然なことです。
エリザベス女王杯も社台系ファームが強いレース
エリザベス女王杯はここ3年(2014〜16年)、1〜3着をノーザンファーム&社台ファームが独占しています。
▼2014〜16年のエリザベス女王杯
・2014年
1着ラキシス:ノーザンファーム
2着ヌーヴォレコルト:社台ファーム
3着ディアデラマドレ:ノーザンファーム
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・2015年
1着マリアライト:ノーザンファーム
2着ヌーヴォレコルト:社台ファーム
3着タッチングスピーチ:ノーザンファーム
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・2016年
1着クイーンズリング:社台ファーム
2着シングウィズジョイ:社台ファーム
3着ミッキークイーン:ノーザンファーム
昨年は社台ファームの1〜3着独占だったものの、3人気→12人気→2人気の決着ですから、人気薄の馬でも注意をしなければなりません。
そもそも社台系ファームとは?
日本の馬産をリードしてきた「社台グループ」は、現在4つの生産牧場に分かれています。
▼社台系ファーム
ノーザンファーム
社台ファーム
社台コーポレーション白老ファーム
追分ファーム
これらの生産牧場はレースに向けてより多くのリソース(育成など)を競走馬に注ぐことができるので、好成績を上げるのも自然なことです。
今年の出走馬のなかで社台系ファーム生産馬は?
今年の出走馬のなかで、社台ファーム生産馬をピックアップしてみましょう。怖ろしいことに、出走18頭中11頭が……これだけの勢力だとグループ全体としてレースの組み立てができますね。
ノーザンファーム生産馬
ヴィブロス
タッチングスピーチ
ディアドラ
トーセンビクトリー
ハッピーユニバンス
ミッキークイーン
リスグラシュー
ルージュバック
(50音順に並べています)
今年は出走馬の半数近くを占める8頭がエントリー。大攻勢と言えるほどの陣容を揃えてきました。ヴィブロス、ルージュバック、ミッキークイーン、ディアドラと上位の人気に推される馬のほとんどがノーザンファーム……。
今年のエリザベス女王杯はハイレベルな争いなので、「どれを買えばいいのか迷うな〜」という人はここから軸を選ぶのが無難です。
社台ファーム生産馬
クイーンズリング
マキシマムドパリ
昨年のこのレースの勝ち馬クイーズリングと、牝馬重賞2勝の実力馬マキシマムドパリの2頭がエントリー。どちらも好走のチャンスは十分にあります。
社台コーポレーション白老ファーム生産馬
ジュールポレール
ヴィクトリアマイル3着のジュールポレールも社台系ファームの生産馬。社台コーポレーション白老ファームはオルフェーヴルなどの名馬を多く出しており、GⅠでの好走はお手のものです。
注目馬をピックアップ
ここでは社台系ファーム生産「だからこそ」注目したい馬をピックアップしてみましょう。取り上げるのは2頭。1頭は宝塚記念からの休養明けとなるミッキークイーン、もう1頭は前走1600万下を勝ち上がったばかりのジュールポレールです。
ミッキークイーン 5歳牝馬
父:ディープインパクト
母:ミュージカルウェイ(母父:Gold Away)
厩舎:池江泰寿(栗東)
左前脚靭帯の不安により、今秋のローテーションを白紙にもどしてからの再仕上げとなりました。そのため、今走は宝塚記念からの休み明け初戦として臨むことに。
関西の名門・池江寿厩舎+ノーザンファームという日本を代表するタッグ。もちろん、脚元に不安があるなかでの仕上げですから、ここで体調が万全とは言えないでしょう。
ただ、エリザベス女王杯からの復帰となるわけですから、年内はここと次走の2戦。おそらく次走は有馬記念が有力なので、長距離輸送+小回りの中山コース+牡馬相手と考えると、エリザベス女王杯はできるかぎりの仕上げで臨むはずです。
ミッキークイーンについては、以下に詳しい解説記事を書いているので、よければそちらをご覧下さい。
ジュールポレール 4歳牝馬
父:ディープインパクト
母:サマーナイトシティ(母父:エリシオ)
厩舎:西園正都(栗東)
今春、阪神牝馬S(GⅡ)3着→ヴィクトリアマイル(GⅠ)3着と重賞を連続して好走したものの、賞金を上積みすることができず、前走は1600万下への出走となりました。
条件戦からGⅠへの参戦となること、そして、1600〜1800mでしか勝ち鞍がないことから、今走は人気薄での出走。すでにGⅠでも好走歴があり、コースロスなく走れる内枠が引ければ侮れない1頭です。
血統
GⅠマイルCSを制したサダムパテック(父フジキセキ)の4分の3妹。ジュールポレールも兄と同じように直線の長いコース向きのストライドで走ります。
母系はMr. ProspectorとSeattle Slewが入り、柔らかい体質を受け継いでいるため、直線が平坦な京都の外回りコースはベストの舞台。
兄は芝2000mのGⅡ弥生賞を勝っていますが、本質的には1800mベストのマイラーでしたから、妹も2200mでパフォーマンスを上げられるのかは「?」が付きます。
エリザベス女王杯に向けて
今春のヴィクトリアマイルで牝馬の一線級と互角の戦いをしており、格負けの心配はありません。不安は初距離となる2200mへの対応でしょう。
好位のインのポケットでレースができる馬はですから、スローペースで内枠を引ければ、好走の可能性も……。ただ、ペースが流れて持続力が問われるレースになると苦しくなります。
ジュールポレールの全11戦の内9戦が幸騎手とのコンビ。今年のエリザベス女王杯は、乗り替わりや騎乗歴の浅いコンビが多く、幸騎手が乗り続けているのは大きなプラス。馬の力を信じて、ベストのタイミングで仕掛けられるはずです。
まとめ
3年連続でノーザンファームと社台ファームが1〜3着を独占しているエリザベス女王杯。今年は上位人気の馬がノーザンファーム生産となるため、素直に馬券を買うならここからでしょう。
これだけ、ノーザンファームが大攻勢となると、逃げるクロコスミアはペースを作るのが難しくなりました……。レースの組み立ても社台系ファームを中心に回るので、どのようなレース展開になるのかも楽しみですね。
今年も、ノーザンファームか社台ファームから勝ち馬が出るのでしょうか?
以上、お読みいただきありがとうございました。