3歳限定のハンデ重賞「GⅢラジオNIKKEI賞」が7月2日(日)、福島競馬場で行われます。
今年のハンデ頭は牡馬が57kgの斤量を背負うサトノクロニクル、牝馬が55kg(牡馬換算57kg)のライジングリーズンの2頭。
斤量差7kgのハンデ戦ということもあって、レースは混戦が予想されます。実績馬か、それとも伏兵の好走があるのでしょうか?
今回の記事では、混戦模様のラジオNIKKEI賞を予想していきます。
開幕週の福島の馬場は?
開幕週、福島競馬場の芝コースは先行+インコースが有利な馬場。ただ、開催前(4月福島開催終了後)にエアレーション作業を実施していたこともあり、ソコソコには外差しも利くのが特徴でした。
時計面で見ると、500万下クラスでま1分58秒台が出ているようにかなりの高速馬場。速い時計にも対応できるスピードが問われます。
ラジオNIKKEI賞の人気上位馬について
前日の時点(7月1日22:00)で、ラジオNIKKEI賞の1〜3番人気は以下の通りです。
1番人気:サトノクロニクル(池江泰寿厩舎)
2番人気:セダブリランテス(手塚貴久厩舎)
3番人気:クリアザトラック(角居勝彦厩舎)
サトノクロニクルとセダブリランテスについては週中に展望記事として解説したので、そちらをご参照下さい。
▼サトノクロニクル
サトノクロニクルのラジオNIKKEI賞は斤量とコースとの戦いに - ずんどば競馬
▼セダブリランテス
ラジオNIKKEI賞('17年)展望ーー名牝系出身のセダブリランテスは3連勝なるのか? - ずんどば競馬
ここでは、クリアザトラックについて触れておきます。
クリアザトラック
父:ディープインパクト
母:クロウキャニオン(母父:フレンチデピュティ)
京都1600mの新馬戦をかち上がると格上挑戦で朝日杯FSに出走。レースでは3番人気に支持されましたが、1戦1勝というキャリアの少なさを露呈する形で7着に敗退しました。
休養を挟んで臨んだ3歳500万下の平場戦を快勝して望んだGⅢ毎日杯は、道中かかり気味の体操で脚を使ってしまい6着と敗れて春のクラシック路線の道は断たれることに……。
前走の古馬1000万下を余力たっぷりに勝ち上がった挑むラジオNIKKEI賞は、2歳時から期待を集めたこの馬にとって重賞制覇の大きなチャンスと言えるレースになりました。
血統
母クロウキャニオンはカミノタサハラやボレアスといった重賞馬を出した好繁殖牝馬。初年度にキングカメハメハ産駒を産んでからはすべてディープインパクトが配合され、仔はほぼオープン級の活躍を見せています。
ディープインパクト×フレンチデピュティは昨年のダービー馬マカヒキ、秋華賞とジャパンカップを制したショウナンパンドラなどを出す有名なニックス。
ラジオNIKKEI賞に向けて
前走の古馬1000万下は少頭数のメンバーとはいえ、1600万下クラスからの降級馬もいた骨っぽいメンバーを相手に完勝したことからも、重賞級の能力があることは確かです。
小回りコースの福島も十分に対応できる器用さをもった中距離馬。母系に気難しいVaguely Nobleを引くことから、この少頭数の大外枠は歓迎のクチだと言えます。
土曜日に落馬負傷した田辺騎手から北村騎手への乗り替わりは大きなマイナスではなく、ここで重賞制覇となるかに注目したい1頭。
予想
ラジオNIKKEI賞は福島の小回りコースの重賞ですから、コース適性とレースの展開が予想をする上での大きなポイントになります。
レース展開
ニシノアップルパイはスムーズ+ソコソコのペースで走れるのであれば「逃げ」にはこだわらない先行馬。津村騎手のウインガナドルが先手を取ってスローに落とさない逃げだと、ニシノアップルパイはスンナリと外に切り替えて番手を取れるので、どのようにもペースをコントロールできます。
小回りの1800m戦とは言え、向正面の上り坂で息が入る流れになり、3コーナー過ぎからペースアップする流れに。先行勢よりも後ろにいる馬はここで前へとポジションを押し上げなくてはならず、今の高速馬場を考えると高いスピード能力も問われる展開になりそうです。
先行勢の直後につけるクリアザトラックとセダブリランテスはペースの上がる3コーナーでしっかりと加速する競馬をしつつ直線に入れるかどうか、また、人気のサトノクロニクルは3〜4コーナーにかけてをどれだけスムーズに回ってこれるのかがキーになります。
▲クリアザトラック 56kg
敗退したGⅠ朝日杯とGⅢ毎日杯は、道中で気の悪さを見せてスムーズな競馬ができませんでした。M・デムーロ、四位騎手という乗り手でもガッーと引っかかってしまうのはそれだけ推進力とパワーのある証拠です。
ウインガナドルとニシノアップルパイが引っ張る流れで少なくとも極端なスローペースはなく、コーナーが4つのコースであれば折り合いもそれほど苦労しないはず……。
ディープインパクト産駒としてはキレ味はそれほどでもなく、勝負どころですっと反応し前へ取り付けるのがこの馬の最大の長所。クラシックを展望できただけの素材が56kgでこのメンバーであれば……と出走登録を見たときは思いました。
ところが、ええ、角居厩舎が「芝コース」での最終追い切り(軽め)を行いました。これは……明らかに「馬体重の維持」を目的とした追い切りで、う〜ん、と首を捻らざるを得ないところ。それでも「能力で!」となるのかは走ってみないと分かりません。パドックでイレ込んでいたり大きく馬体を減らしていたとしたらマイナスです。そのため◎→▲へ。
◎サトノクロニクル 57kg
池江寿調教師がダービーに送り込もうとしていた馬が、なぜか夏を休養にあてずにラジオNIKKEI賞へ出走。これは、意図がなかなか読めません……。(半兄のサトノラーゼンはダービー2着の後、阪神の神戸新聞杯ではなく中山のセントライト記念に出走し、1番人気7着と敗退しています)。
体質の弱さと父ハーツクライらしいトモの緩さから、コーナーで加速できないのがこの馬の現状の弱点です。これまでのレースぶりから器用さがないのは池江先生も分かっているはずで、「あえて」ここを使うのは勝てる自信があるからでしょう。
クリアザトラックの評価を落としたため、消極的な◎に。素質がコース適性を上回って、GⅢもぶっこ抜けるのではないかと期待します。
◯セダブリランテス 54kg
パシフィックプリンセス牝系×ディープブリランテ(その父ディープインパクト)で、昨年のラジオNIKKEI賞勝ち馬のゼーヴィントと近い血統構成をしています。
小回りコースはずんどばの舞台で、気になるのはかなり速い時計の出る今の馬場状態。ここをクリアできるのなら好走の可能性は十分にあります。
その他の馬について
2、3着の候補として怖い馬は多数いるので、3連単複系の馬券だと収支が合わない可能性も十分にあります。
◎◯▲についてはWIN5の候補とするので単勝を買うのも……というところ。
あえて人気薄を払うのであれば牝馬の△ロードリベラル。前走は明らかに叩きの要素が強く、直線ではほぼレースに参加していませんでした。マイル色の強い小回り向きの配合で、2走前のきんもくせい特別が福島コースで強い内容の競馬。わざわざ函館から福島に吉田隼人騎手が駆けつけてきたことからも勝負気配が感じられ、2、3着の候補として。
少頭数としては難しいメンバー構成なので、普通の馬券はロードリベラルの絡みに期待します。
買い目
◎サトノクロニクルとロードリベラル2頭軸の3連複。
3連複
6. 1→11. 12
2点なので、これなら収支も合いますね。
まとめ
少頭数ながら難しいメンバーになりました。オッズも割れているため、なるべく買い目を絞りたいところです。
それにしても、クリアザトラックが芝コースでの追い切りとは……。
皆様にとっても素晴らしいレースになりますように。
以上、お読みいただきありがとうございました。